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人口の減少や長引く地域経済の低迷により、財政基盤が弱く、類似団体平均を大きく下回っている。この対策として、平成22年12月に策定した「釧路市財政健全化推進プラン」に沿った各種健全化の着実な実行を基本としながら、事務事業の見直しや市税等の収納強化対策などにより、財政の健全化を図る。
地方消費税交付金、普通交付税及び臨時財政対策債の減少などにより、経常収支比率は前年度比で5.3ポイント増加する結果となった。依然として類似団体平均を上回っていることから、引き続き、業務のアウトソーシングや、「返す以上に借りない」という方針に基づく公債費の縮減などにより、財政構造の弾力化を推し進めていく。
人件費については、消防事務を直接行っていることなどが大きな要因となり、類似団体平均を上回っている。定員適正化計画等に基づき縮減努力を行っているが、市の人口減少が進んでいるため、人口一人当たりの人件費・物件費等の抑制に繋がっていない状況にあると考えている。今後も、定員適正化計画に基づいた適正な定員配置やアウトソーシングの推進等により人件費の抑制に努める。また、物件費については、アウトソーシングを積極的に進めているため、委託料が類似団体平均を上回っている状況にある。その他の経費の圧縮についても、引き続き事務事業の見直し等に取り組み、さらなる圧縮に努める。
本市は、平成23年度から5年間、行財政改革取組の一環として給与の独自削減を実施することとしていた。平成23、24年度は国家公務員の臨時特例法に基づく給与削減が実施されたため指数が上昇しているが、平成25年度に、国家公務員の臨時特例法に基づく給与削減が終了したことにより、他都市同様、本市においても指数は減少している。平成26年度においても、本市は給与の独自削減を継続実施していることから、類似団体の平均を下回る結果になったものと考えている。平成27年度をもって給与の独自削減を終了したことから指数は増加したものの、国と同様の給与制度を維持してきたことにより、平成28年度も国と同水準となったと考える。今後も各種手当の見直し等を通じ、給与の適正化に努めていきたいと考えている。
類似団体との比較では平均を上回っているが、これは、当市の生活保護受給率が高水準であり、福祉事務所の職員数が多いことに起因している。また、当市の特徴として、消防部門では、1,300平方キロメートルを超える全国でも有数の広大な面積を管轄していることや、隣町から消防事務を受託していること、さらには、港湾、市立高校、動物園部門を有していることなども職員数が多くなっている要因である。平成27年に策定した定員適正化計画に基づき、アウトソーシングの推進、組織機構の見直しなどの取り組みを行い、職員数の更なる適正化を推進していく。
第三セクター等改革推進債(振興公社分)の償還が始まった平成24年度以降、12.0%以上で高止まり傾向にあったが、その他の元利償還金の減等により、平成28年度は前年度比で0.5ポイント減少し、平成23年度以前と同程度となった。今後も「返す以上に借りない」という方針に基づき、公債費の縮減に努める。
地方債残高の減少や充当可能基金の増などにより、将来負担比率は年々減少しており、平成28年度は前年度比で8.4ポイント減少した。依然として類似団体平均を大きく上回っているため、今後なお一層の収支改善に取り組み、財政健全化に努める。
定員適正化計画等に基づく職員定数の見直しや財政健全化推進プランに基づいた業務のアウトソーシング、給与の独自削減等により年々その割合は減少し、類似団体平均を下回る結果となった。引き続き業務のアウトソーシングや職員の適正配置により、人件費の抑制に努める。
類似団体平均と比較すると、物件費に係る経常収支比率は平均を下回っているが、その割合は横ばい傾向にある。これは、財政健全化推進プランに基づいた事務事業の見直しにより物件費の支出が減少している一方で、業務のアウトソーシングの推進を着実に実行した結果、委託料が増加したことによるものである。引き続き、事務事業の見直しによる歳出の抑制とともに業務のアウトソーシングを積極的に推進していく。
生活保護受給者の自立支援を目的とした釧路市自立支援プログラムの推進などにより、生活保護費は減少傾向にあるが、平成28年度は年金生活者等支援臨時福祉給付金などの社会福祉費の増加により、前年度比で0.6ポイント増加した。また、経常的一般財源の扶助費に占める生活保護費の割合は40.3%と依然として大きいことから、今後も、自立支援プログラムの推進による生活保護費の抑制に努めていく。
通常、県が行っている港湾や空港の建設費用を当市が負担しており、これらに係る公債費の経常収支比率は3.2%である。これを当市の比率23.9%から差し引くと20.7%まで低下する。しかし、それでも類似団体平均を大きく上回っていることから、今後も、「返す以上に借りない」という方針を守り、比率の低下に努める。
将来負担比率、実質公債費比率ともに年々減少しているが、依然として類似団体平均を大きく上回っている。これは、将来負担比率については市設魚揚場事業における資金不足、実質公債費比率については第三セクター等改革推進債の元利償還金等が主な要因である。今後とも、市設魚揚場事業の経営健全化計画に基づく資金不足の解消(平成30年度で解消予定)や、一般会計の「返す以上に借りない」という方針に基づく公債費の縮減により、比率の抑制を図っていく。
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