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地方財政ダッシュボード

熊本県の財政状況(2023年度)

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和2年度までは上昇基調であったが、令和3年度は新型コロナの影響による税収の落ち込みにより減少、令和4年度から令和5年度は横ばいという結果になった。熊本地震と令和2年7月豪雨災害からの創造的復興に引き続き取り組むとともに、TSMCの進出を契機とした半導体関連産業の更なる集積等を進めることで、税収増につなげ、当該比率の改善を図る。

経常収支比率の分析欄

令和元年度までは悪化傾向だったが、新型コロナウイルス感染症の影響による既存事業の縮小等により令和2年度に反転し令和3年度は大幅に改善。令和4年度からは、普通交付税や臨時財政対策等の減により、経常一般財源等が減少したことにより再び悪化し、令和5年度は91.5%となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度から令和4年度にかけては新型コロナウイルス感染症関連事業増加に伴う物件費の増等により人口一人当たりの決算額は増加傾向だった。令和5年度は、定年延長に伴う退職手当の減や新型コロナウイルス感染症関連事業の縮小等に伴う物件費の減等により、一人当たりの決算額が減少に転じた。

ラスパイレス指数の分析欄

本県では、平成28年4月から給与制度の総合的見直しを実施(国より1年遅れ)。この見直しに伴う経過措置(現給保障)を、国が平成29年度末に終了したのに対し、本県では平成31年度まで継続し、平成31年度の昇給まで昇給効果が抑制されたことなどから、年々指数が低下した。さらに、令和2年度以降は、令和2年7月豪雨災害対応等に係る職員採用に伴う職員構成の変動や、職員の新陳代謝により、令和4年度時点で99.4ポイントまで低下し、令和5年度においても同ポイントとなっている。

人口10万人当たり職員数の分析欄

財政再建戦略に基づき、平成20年4月からの4年間で1,288人を削減。その後も、平成24年4月からの4年間で、知事部局において197人を削減。平成28年度以降は、熊本地震及び令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興業務などの短期的な行政需要に対応するため、任期付職員の採用など、将来の組織体制への影響を考慮しながら、必要な人員確保に努めている。

実質公債費比率の分析欄

3カ年平均で算出する実質公債費比率は平成28年熊本地震や令和2年7月豪雨災害に係る償還が本格化しつつあり、これまで減少傾向にあった公債費が令和4年度から増加に転じ、横ばいで推移したこと等から、0.5ポイント増加となった。引き続き、県債残高を増加させない財政運営に取り組む必要がある。

将来負担比率の分析欄

平成28年熊本地震分の県債残高が減となった一方、令和2年7月豪雨分や通常債が増となったこと等から、7.5ポイント増となった。引き続き、事業のスクラップアンドビルドを徹底するとともに、財源の確保と将来負担を考慮しながら、適切な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

財政再建戦略に基づき、平成20年4月からの4年間で1,288人を削減。その後も、平成24年4月からの4年間で、知事部局において197人を削減。平成29年度は、教育部門における政令市への税源・権限移譲に伴う県費負担教職員数の減(-3,223人)により、大幅な職員数の減少となった。平成28年度以降は、熊本地震及び令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興業務などの短期的な行政需要に対応するため、任期付職員の採用など、将来の組織体制への影響を考慮しながら、必要な人員確保を図りつつ、事業見直しによる経常経費の抑制等を行い、健全な財政運営に努める。併せて、定年引上げに伴う退職手当については、県財政への影響を考慮しながら、基金への積み立て等を行っている。

物件費の分析欄

各年度において事業費の増減はあるものの、累次にわたる財政健全化の取組みにより経常物件費全体を抑制しており、グループ内での当該比率は最も低くなっている。令和5年度も令和4年度と同程度の比率となっているが、引き続き事業見直しによる経常経費の抑制に努め、当該比率の改善を図る。

扶助費の分析欄

少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加とともに、本県の特殊事情である水俣病総合対策経費により当該比率は高い傾向にある。

その他の分析欄

財政再建戦略(平成20.4月から平成24年4月までの4年間)をはじめとした累次にわたる財政健全化の取組みにより抑制を継続してきたが、令和1年度からは熊本地震や令和2年7月豪雨後の中小企業金融総合支援事業貸付金の増等により高い比率が続いた。令和5年度は、当該貸付金は大幅に減少したものの、退職手当基金への積立金の増等により前年度並みとなった。引き続き事業見直しによる経常経費の抑制等により、当該比率の改善を図る。

補助費等の分析欄

財政再建戦略(平成20.4月から平成24年4月までの4年間)をはじめとした累次にわたる財政健全化の取組みにより、抑制を図っているものの、少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加等により、当該比率は高くなっている。令和5年度は、教育・保育関係給付金の増等により、比率は27.0%と増加した。引き続き、事業見直しによる経常経費の抑制等により、当該比率の改善を図る。

公債費の分析欄

財政再建戦略(平成20年度から平成23年度までの4年間)以降、投資的経費を抑制してきたことや、過去の大型投資の償還終了等により、類似団体平均を0.8ポイント下回っている。しかしながら、令和2年7月豪雨関連事業や国土強靭化関連事業等の償還が本格化してきていることから、当該比率は令和4以降上昇基調に転じ、今後継続するものと見込んでいる。

公債費以外の分析欄

令和5年度は、県税等が増加した一方、臨時財政対策債等の経常一般財源等が減少したため、前年度並みとなった。引き続き、事業見直しによる経常経費の抑制等に努め、当該比率の維持を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

財政再建戦略(平成20年4月から平成24年4月までの4年間)をはじめとした累次にわたる財政健全化の取組みにより、職員削減による人件費の抑制や、一般行政経費・投資的経費の抑制を実施してきたが、熊本地震及び令和2年7月豪雨災害への対応等に伴い、平均値を超え高い数値となっている項目がある。令和5年度は、新型コロナウイルス感染症関連事業の縮小等に伴い、衛生費及び商工費が大幅減となった。一方、定年延長に備えた退職手当基金積立金の増等により総務費が増加した。今後とも、平成28年熊本地震及び令和2年7月豪雨災害からの創造的復興や物価高騰、公共施設の老朽化等に的確に対応しながら、真に必要な事業への選択と集中を徹底し、健全な財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

財政再建戦略(平成20年4月から平成24年4月までの4年間)をはじめとした累次にわたる財政健全化の取組みにより、職員削減による人件費の抑制や、一般行政経費・投資的経費の抑制を実施してきたが、熊本地震及び令和2年7月豪雨災害への対応や社会保障経費の増等に伴い、平均値を超え高い数値となっている項目がある。令和5年度は新型コロナウイルス感染症関連事業の縮小に伴い、物件費及び補助費等が大きく減少した。今後とも、平成28年熊本地震及び令和2年7月豪雨災害からの創造的復興や物価高騰、公共施設の老朽化等に的確に対応しながら、真に必要な事業への選択と集中を徹底し、健全な財政運営に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

R3年度は新型コロナウイルス感染症対応関連事業の繰越により翌年度に繰り越すべき財源が増加し、マイナスとなった。R4年度は、歳入・歳出ともに前年度から減少したが、歳入以上に歳出が減少したため実質収支が増加、実質単年度収支もプラスとなった。R5年度は、歳入・歳出ともに前年度から同程度減少したが、新型コロナウイルス感染症対応関連事業の縮小等による翌年度に繰り越すべき財源の減少に伴いプラスとなった。なお、財政調整基金は前年度と同様に約18億円を維持している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計、特別会計において、これまで赤字は発生していない。また、各会計、毎年一定程度の黒字を確保しており、資金不足等が発生する状況にもない。一般会計においては、実質収支額は295億円弱の黒字となっており、対前年度比で95億円余増加している。これは、形式収支額が増えたこと及び実質収支の算定上、形式収支額から差し引く繰越額が減少したことにより、標準財政規模に対する黒字額の割合は前年度より上昇している。特別会計のうち最も規模の大きな国民健康保険事業特別会計においては、実質収支額は79億円余の黒字となっており、制度改正に伴う財政安定化基金の一部取崩しに伴い対前年度比で20億円余増加しているため、標準財政規模に対する黒字額の割合は前年度より上昇している。今後も、事業見直しによる通常経費の抑制等により、健全な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金等は、平成28年熊本地震や令和2年7月豪雨災害に係る償還が本格化しつつある一方、臨時財政対策債に係る償還金は減少したこと等により、6億円余の減となった。一方、算入公債費等については、災害復旧等に係る基準財政需要額のうち災害復旧費が増加したこと等から、15億円余の増となった。以上により、令和5年度の単年度における実質公債費比率の分子は減少している。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高について、平成28年熊本地震分や臨時財政対策債等の現在高が減少したものの、令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興に加え、通常債分残高の増や定年延長による支給見込職員数の増加に伴う退職手当負担見込額の増等により、将来負担額は95億円余の増となった。充当可能財源等は、令和5年度末退職対象者のうち残留する職員の退職手当相当分について県職員等退職手当基金が皆増した一方、市町村事業費等の増により熊本地震復興基金が減少し、財政調整等のため県債管理基金も減少した等により、55億円余の減となった。以上により、将来負担比率の分子は増加している。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)・その他特定目的基金は職員等退職手当基金の積立等により増加(+34億円)したが、減債基金の減(-130億円)等により、基金全体の残高は96億円減少した。(今後の方針)・財政調整基金や後期高齢者医療財政安定化基金等の将来の財政リスクに備えた基金は、現在の水準の維持に努める。・平成28年熊本地震復興基金は、発災後概ね10年で復興事業に活用する。・その他の特定目的基金についても事業の進捗に伴い、段階的に残高は減少していく見込み。

財政調整基金

(増減理由)・運用利息の積立てによる増加(今後の方針)・現在の水準の維持に努める。

減債基金

(増減理由)・財源対策等のための取崩しにより130億円の減(今後の方針)・最低限、現在の水準の維持に努めることとし、できるだけ臨時財政対策債の乖離解消分としても積み立てる。

その他特定目的基金

(基金の使途)・平成28年熊本地震復興基金:平成28年熊本地震による災害からの早期復興を図る事業の推進・職員等退職手当基金:定年延長に伴う財政平準化に備えた退職手当の積立・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保の促進・後期高齢者医療財政安定化基金:後期高齢者医療の財政の安定化(増減理由)・職員等退職手当基金:定年延長に伴う財政平準化に備えて72億円を積み立てたことによる増・公立学校情報機器整備基金:公立学校における情報機器整備(1人1台端末)のため30億円を積み立てたことによる増・平成28年熊本地震復興基金:事業実施に伴い60億円取崩したことによる減(今後の方針)・平成28年熊本地震復興基金は、発災後概ね10年で復興事業に活用する。・その他の特定目的基金についても事業の進捗に伴い、段階的に残高は減少していく見込み。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本県の有形固定資産減価償却率は年々上昇傾向にあるが、令和2年度からは類似団体平均を下回っている。道路改良等によるインフラ資産の改修が進んだことが要因と思われる。「熊本県庁舎等建築物個別施設計画」により、施設の維持管理及び老朽化対策に計画的に取り組むとともに、インフラ資産については、限られた財源の中で、財政負担の縮減や予算の平準化を図りつつ、「長寿命化計画」に基づく計画的な点検や修繕等を行っていく。

債務償還比率の分析欄

本県の債務償還比率は令和4年度以降増加傾向となっている。将来負担額は、熊本地震や豪雨災害からの復旧・復興に加え、国土強靱化への取組みにより増加したこと、及び分子から控除する充当可能財源も、基準財政需要額算入見込額が自然災害防止事業債の補正係数の減等により地域振興費において大幅な減などが生じたことで181億円余の減となり、分子が増加したことで比率が上昇した。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和2年度までは将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに上昇傾向にあり、令和3年度において将来負担比率が低下したものの、令和4年度以降再度上昇傾向となっている。要因としては、平成28年熊本地震や令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興に加え、国土強靱化への取組みにより県債残高が増となったことなどによるものである。今後も減価償却が進んだ資産の更新、改修及び持維持管理のための地方債発行により県債残高が増加し、将来負担比率が上昇する一因となる可能性があることから、計画的かつ効率的な更新等を行うことで、引き続き健全な財政運営を行っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、上記のとおり令和3年度に一時低下したものの令和4年度以降再度上昇傾向である。また、実質公債費比率についても平成28年熊本地震関連分及び令和2年7月豪雨関連分の元利償還金が増額しており、県債償還が本格化した令和4年度から元利償還金がほぼ横ばいであることなどから、令和5年度も引き続き上昇している。今後も復旧・復興に係る県債償還の本格化による公債費の増大が見込まれるため、引き続き健全な財政運営に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

空港

学校施設

図書館

博物館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して「道路」、「空港」を除くすべての施設において有形固定資産減価償却率が高くなっており、特に高い施設は、「港湾・漁港」、「公営住宅」である。「港湾・漁港」については、取得から40~80年程度経過し、償却が完了している施設が多い状況。港湾は「港湾施設長寿命化計画」により港湾施設の計画的な点検診断の実施並びに適時適切な維持工事の実施による施設の長寿命化を図り、施設の最適な維持管理を行うとともにライフサイクルコストの縮減を図る。漁港は「機能保全計画」により、効果的な維持管理、既存施設の長寿命化、ライフサイクルコストの縮減及び対策コストの平準化を図る。「公営住宅」については、取得から40~60年経過したものが全体の約70%にのぼり償却が完了した資産が多い状況。「熊本県営住宅長寿命化計画」に基づき、予防保全的な修繕や改善の計画を進め、長寿命化による更新コストの削減と事業量の平準化を図る。また、「図書館」の有形固定資産減価償却率が減少した理由は、令和5年度に本館改修工事が完了したためとなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

体育館・プール

陸上競技場・野球場

県民会館

保健所

試験研究機関

警察施設

庁舎

消防施設

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、「体育館・プール」、「保健所」である。「体育館・プール」については、県立総合体育館が取得から40年程度、「保健所」については各施設が取得から40年~50年程度経過し、償却が完了している資産が多い状況。建築物については「熊本県庁舎等建築物個別施設計画」により、アセスメント等を踏まえて順次定める施設の方向性に沿って、長寿命化や予防保全を推進し、建築物の安全性を高める。併せて、未利用施設の売却等を促進し、保全等に係る予算の平準化や削減につなげる。「陸上競技場・野球場・球技場」については、令和3年度及び令和4年度において有形固定資産減価償却率が大きく改善しているが、熊本県民総合運動公園陸上競技場、熊本県営八代運動公園陸上競技場の改修工事を行ったためである。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産については、事業用資産において学校施設等の建物の新築・改築工事が完了したこと及びインフラ資産において建設途中の資産である建設仮勘定の増加等により、固定資産は前年度から比較して207億円の増となった。一方、満期一括債以外の減債基金の取崩し等により流動資産が115億円の減となったことから、固定資産と流動資産の合計である資産総額は92億円の増となった。負債については、熊本地震関連令和2年7月豪雨関連の災害復旧事業債や国土強靱化関連事業債などの地方債の増により、負債総額は96億円の増となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等における経常費用については、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、営業時間短縮要請協力金等の関連費用が減少したことなどにより物件費等は前年度から比較して156億円の減、同様に入院病床確保事業負担金等の減により補助金等が592億円の減となり、710億円の減となった。また、5類移行に伴い、営業時間短縮要請協力金負担金の皆減などから経常収益についても38億円の減となった。よって、経常費用から経常収益を差し引いた純経常行政コストは672億円の減となった。また、防災センターの竣工に伴う総合庁舎等震災復旧復興事業の減等により臨時損失が47億円減少したことなどから、純経常行政コストに臨時損失を足して臨時利益を差し引いた純行政コストが720億円の減となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、純行政コストは「2.行政コストの状況」で分析したとおり720億円の減となっている。税収等においては、公債管理特別会計への繰入金の減などにより、16億円の減となった。国県等補助金等においては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、相談窓口設置事業や感染症対策事業等の財源であった新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が430億円減少したことなどから、814億円の減となった。よって、税収等と国県等補助金の合計である財源は830億円の減となっており、財源から純行政コストを引いた本年度差額は109億円の減となっている。一方で、無償所管換等が80億円増加した結果、本年度純資産変動額は29億円の減で留まり、それに前年度末純資産残高を足した本年度純資産残高は4億円の減とほぼ横ばいで推移した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

【業務活動収支】一般会計等において、業務支出については、営業時間短縮要請協力金等関連費用等の減により業務費用支出が164億円減少したこと及び入院病床確保事業負担金等の減により移転費用支出が596億円減少したことなどから、761億円の減となった。また、業務収入については、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の減などにより812億円の減となった。さらに、臨時支出が43億円減少したことにより、業務活動収支は8億円の減とほぼ横ばいなった。【投資活動収支】投資活動支出については、退職金手当基金への積立金の皆増等に伴う基金積立金支出の増(+118億円)が熊本県中小企業融資制度における預託金原資の減少等に伴う貸付金支出等の減(▲109億円)を上回り、47億円の増となった。また、投資活動収入は減債基金の取崩しの増により21億円の増となり、投資活動収支は26億円の減となっている。【財務活動収支】平成28年熊本地震関連分及び令和2年7月豪雨関連分の県債償還が本格化したことにより財務活動支出(地方債償還支出等)は70億円の増、地方債等の資金を多く調達したことにより財務活動収入(地方債発行収入等)が127億円の増となったことから、財務活動収支は58億円の増となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体平均値を下回っている。政令指定都市を有しない道府県と比べて、政令指定都市を有する道府県では一人当たりの資産額が小さい傾向にあり、類似団体で政令指定都市を有するのは本県のみであることが要因と思われる。また、本県前年度と比較して、インフラ資産が増加したこと等により資産が増となったことから、比率は上昇している。歳入額対資産比率は類似団体平均値を下回っている。類似団体と比較して、地方債等発行収入額が最も高いことなどから、比率が低くなっている。また、本県前年度と比較して、分母となる歳入総額が新型コロナウイルス感染症関連の補助金等の減等により減少しているため、比率は上昇している。本県の有形固定資産の減価償却率は類似団体平均と同程度であるが、年々比率は上昇しており、老朽化が進んでいる状況が表れている。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年度と同値であり、類似団体平均値を下回っている。これは、熊本地震関連令和2年7月豪雨関連の災害復旧事業債等の地方債の発行等により他県と比較し地方債残高が多いことが主な要因であると考えられる。将来世代負担比率は類似団体平均値を上回っている。これは、上記で述べたように他県と比較し地方債残高が多いことが主な要因であると考えられる。また、前年度と比較し、熊本地震関連・令和2年7月豪雨関連の復旧・復興に加え、国土強靱化への取組みにより地方債残高が増加したことにより、比率は上昇傾向にある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を下回っている。これは、類似団体の中で人口が同規模の県と比較して、職員給与費などの人件費等が少ないことが要因と思われる。また、前年度と比較して、新型コロナウイルス感染症関連の補助金等の減等により純行政コストが減少したため、住民一人当たり行政コストは減少している。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

一人当たり負債額は類似団体平均値とほぼ同じとなっている。これは、上記2で述べたように他県と比較し地方債残高が多いものの、人口は類似団体の中で最も多いため、1人当たりベースで類似団体平均と同等となったもの。また、前年度と比較して、借換債などの新規借入額が増加したことにより、一人当たり負債額は増加している。業務・投資活動収支は類似団体平均値を下回っている。熊本地震関連令和2年7月豪雨関連の復旧・復興として、公共施設整備等支出が類似団体と比較して高水準であることが要因と考えられる。また、前年度と比較して、新型コロナ関連の経費の支出が減少し業務活動収支は増加したものの、公共施設等整備費支出が増加し投資活動収支のマイナスが大きくなったことで、値は減少している。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を上回っている。これは、類似団体と比べて、使用料・手数料の収入額が比較的高いことが要因と思われる。また、前年度と比較して、新型コロナウイルス関連経費の減により経常費用が減少したが、営業時間短縮要請協力金市町村負担金の減などにより経常収益も減少した結果、受益者負担比率は減少している。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,