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地方財政ダッシュボード

福岡県香春町の財政状況(2016年度)

🏠香春町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成28年度末38.2%)に加え、町の主要事業であったセメント産業の衰退が進み、他に中心となる産業もないため財政基盤が弱く、類似団体を0.15ポイント下回っている。今後とも事務事業の効率化や経費節減を実施し、歳出の削減に努めるとともに、産業振興施策や定住促進施策を推進することで財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

人口減少、産業の衰退に伴う税収の減少や、高齢化に伴う福祉関係経費の増加により、類似団体平均を2ポイント上回っている。また、一部事務組合の施設整備等に伴う負担金の増も大きな要因となっている。今後もこれらの収入の減少や負担の増加はさらに進んでいくと考えられるため、定住促進等の施策の推進による財政基盤の強化、事業の見直し等による義務的経費削減を推し進める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体と比較すると僅かに上回っている程度だが、全国平均、福岡県平均と比較すると大幅に上回っているといえる。これは町有施設の老朽化による維持管理費の増加に加え、国土調査事業や町営住宅長寿命化事業、学校再編事業等の実施に伴い、通常の行政運営以上に人件費を必要としているためである。今後とも、事務の効率化に努めるとともに保育所の民営化や施設の統廃合による管理費の削減についても検討していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の平均年齢の上昇により、職員一人当たりの平均給与が増加し、全国町村平均を0.9ポイント上回っている。今後とも同様の状況が続くと考えられるため人員管理とともに給与の適正な管理に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

公立保育所運営及び国土調査事業や町営住宅長寿命化事業、学校再編事業の展開に人員が必要なため、類似団体平均を1.41ポイント上回っている。組織機構改革など行政改革を行ったが、依然平均値を上回っているため、保育所民営化等の施策を行い職員数の適正化を図る。

実質公債費比率の分析欄

起債抑制及び計画的な繰上償還の実施により、類似団体平均や全国平均を下回っている。今後は平成26年から借入を行っている過疎対策事業債の償還の開始および計画している学校の統廃合事業に伴う起債の増加により実質公債費比率の増加が見込まれるので、起債事業の厳選や繰り上げ償還による増加の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担額を充当可能財源等が上回っているため、将来負担比率は数値なしとなっている。今後は大きな建設事業等が予定されているため、地方債充当事業の厳選や計画的な基金への積立を行い、将来負担の軽減に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

人件費に係るものは年毎に改善し、今年度も前年度比0.2ポイント改善したが依然として類似団体平均を上回っている。主な要因としては公立保育所の運営や国土調査事業、町営住宅長寿命化事業の展開に人員が必要なためである。組織機構改革で一定の改善が見られているため、今後も保育所の民営化、職員数の見直しなど、更なる改革を推進する。

物件費の分析欄

物件費については類似団体より0.7ポイント低くなっている。款ごとに分析すると、ほとんどが類似団体より低くなっているが、教育費が類似団体より高くなっている。これは人口規模に対して学校数が多く、それに伴う備品等の購入費が多くなっているためである。今後は学校の再編事業が予定されているため、一時的に備品購入費等の物件費の増加が予想されるため、その抑制に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係るものは前年度より急激に増加し、類似団体平均と比較して3ポイント上回り、高い水準にある。主な要因としては障害者向け施策の充実による事業費の増加、高い高齢化率により、社会福祉関係の経費が増加したことである。今後の対策としては、健康増進事業による医療費等の削減と事務効率化による経費の削減を行い、扶助費の増加抑制を図る。

その他の分析欄

その他経費については類似団体平均より高くなっているものの、前年度と比較して1.5ポイントの改善が見られる。これは前年度増加していた国民健康保険事業、後期高齢者医療事業への繰出金が減少したためである。今後も介護予防、健康増進事業を推進し、医療関係経費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等については近年では一貫して類似団体より低くなっている。全国、福岡県平均との比較では若干高くなっているが、これは塵芥処理事業や常備消防事業を一部事務組合で行っており、その負担金が補助費等に計上されるためである。今後一部事務組合で大規模な建設事業が予定されており、補助費の増加が予想されるため、その他の事業の見直し等を行い、抑制に努める。

公債費の分析欄

起債の制限や計画的な繰上償還を行っているため、公債費は類似団体等と比較して低く抑えられている。前年度からの増加要因については過疎対策事業債や緊急防災・減災事業債の活用によるものである。今後とも同事業債を活用し、過疎対策事業、防災事業を推進し、公債費が増加していくと考えられるため、起債対象事業の厳選と、計画的な繰り上げ償還を行い、増加の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常経費については類似団体平均を6ポイント上回っており、財政の硬直化が認められる。今後は公債費の増加が予測されるため、行財政改革や産業振興への取り組みを通じ、経費削減や財源確保を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成費目である民生費は185,308円と類似団体と比較して38,044円高くなっている。主な要因としては類似団体と比較して高い高齢化率のために社会福祉関係の経費が高くなっていること、人口に対する保育所の割合が多く、その人件費が高くなっていることにある。今後も介護予防事業等の事業を実施し、医療費等の抑制に努めるとともに、保育所の民営化等を実施し、経費削減に努める。また、議会費について類似団体と比べて2,032円高いが、平成28年度に議員定数の削減を行ったため、29年度以降は改善される予定である。商工費については3,601円と類似団体の27%程度と、極端に低くなっている。これは主要産業や特産品が少ないことにより、それを中心とした商工観光施策が展開しづらいことが要因である。今後は特産品の開発や観光資源の開発等に注力し、財政基盤の強化を図る。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

住民一人当たりのコストについては総額で見ると479,442円となり類似団体と比較して60,278円低い。主な構成費目である人件費は類似団体と比較して6,465円高くなっている。これは町営住宅長寿命化事業及び学校再編事業の展開、公営保育所の運営で人員を配置しているためである。各事業の終了及び公立保育所の民営化に合わせて適正な人員配置を行うことで経費の削減に努める。その他、投資及び出資金が類似団体で1位となっているが、これは平成27年度から行っている水道事業への出資金が要因であるため、平成29年度以降は減少すると思われる。また、扶助費については類似団体と比較して18,385円高い。その要因は高齢化率が類似団体と比べて高く、介護保険費や老人福祉費等の社会福祉関係経費の増加していることである。高齢化率については今後とも高い状況が続くと考えられるので、介護予防事業や健康増進事業等を充実させ、医療費等の抑制に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

近年、実質収支は10%前後を推移し、財政調整基金残高についても30%を超えるなど健全な財政状況を維持している。財政調整基金については、今後大きな事業が予定されており、その財源とするため余剰金の範囲内で積立を行っている。また、実質単年度収支は数年おきに上下し、今回赤字となっているがこれは、歳計余剰金を将来の負担を見越して財政調整基金等の基金へ積み立てているためで、正常の範囲内といえる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

平成28年度決算は昨年まで赤字が続いていた国民健康保険事業特別会計が黒字に転じ、全ての会計において黒字となった。国民健康保険事業特別会計は平成20年度から財政健全化対策会議を設置し、段階的に国民健康保険税の見直しを行っており、その結果黒字決算となったが、医療費自体は増加の傾向にあり、今後も慎重に経過を観察する必要がある。また、一般会計と水道事業会計について、一般会計は今後大きな事業を控えており、水道事業は老朽管の更新等で黒字額が減少、もしくは赤字に転ずる可能性があるので今後とも細心の注意を払いつつ財政運営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

実質公債費比率の3年間平均は2.5%と前年度と比較して0.5%増加しているが、類似団体と比較して低い状態を保っている。類似団体との比較では5.4%低くなっているがこれは起債の際に交付税措置のあるものを中心に借入を行う等、起債の制限を行っているためである。今後は町の学校再編事業、町営住宅長寿命化事業、一部事務組合の施設更新等、大規模事業が予定され、実質公債費比率の増加が予想されるためこれまで以上に公債費の適正化に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担比率については充当可能基金や基準財政需要額算入見込額の合計が将来負担額を超えていることから、将来負担比率は数値なしとなっている。これは今後予定されている大規模事業に備え、基金の積立を行っているためで、事業終了後は充当可能基金の大幅減が予想され、将来負担比率の上昇が見込まれるので、今後とも財政の健全化に努める必要がある。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全有形固定資産9,561件のうち、5,730件が耐用年数を超過し減価償却済みとなっている。全国、及び県平均と比較しても10ポイント以上の差があり、老朽化が進んでいるといえる。今後とも適時改修や建て替えを行い、有形固定資産の適正な管理に努める。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は数値なしとなっている。有形固定資産減価償却率は、施設の更新が進んでおらず、修繕にて対応している固定資産が多いため、類似団体平均値より高くなっている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は数値なしとなっている。実質公債費比率は平成26年度から過疎対策事業債の活用を始めたため近年増加を続けているが、類似団体平均と比較すると低く保たれている。今後とも増加に注意しながら必要に応じて起債の制限等を検討していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】は必要に応じて小規模な補修を行い、耐用年数を超えて運用しているものが多く、償却率が平均を大きく上回っている。【橋梁・トンネル】は計画的な投資を行っており、償却率も下回っている。【認定こども園・幼稚園・保育所】の償却率が非常に高くなっているが、昭和50年代以前に建設されたものが多く長寿命化等の対策を行っていないためと思われる。【公営住宅】は平成10年代以降に木造から鉄筋コンクリートの住宅に建替えを進めているが、多くは木造建築であるため、耐用年数を超えて利用しているものも多く、償却率は高くなっている。また、住宅の一人当たりの面積が県、類似団体平均を大きく上回っているが政策によるもので、人口減少、高齢化を考えると今後の課題と思われる。学校施設の償却率は県平均や類似団体の平均値に近い状況であるが、学校再編事業で新校舎を建設予定である。既存の学校施設は十分に利用できると思われるため、公共施設の有効な活用方法を検討する必要がある。【公民館】は平成10年代に建設したもので県、類似団体の平均を下回っている。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【体育館・プール】の償却率が高くなっているが、体育館が昭和50年代に建設されておりその後大きな改修を実施していないことによる。一人当たり面積は県平均より低くなっている。【福祉施設】について、償却率は県平均と近く、一人当たり面積は類似団体平均と近い状況である。【消防施設】については県平均と比較しても償却率が高く、老朽化した施設が多くなっているため補修や建て替えを検討していく必要がある。【市民会館】については平成10年代に建設したもので県平均、類似団体平均からかなり低くなっている。一人当たり面積については類似団体平均と近い状況にある。【庁舎】については昭和48年に建設されており償却率は高くなっている。平成10年に増築工事、平成24年にエレベータ設置工事を行っているが、建物本体は老朽化の影響があるため、長寿命化対策が必要と思われる。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等、全体、連結ともに負債よりも資産が大幅に多い状況です。これは今までに投資的事業を抑制してきたことによるもので有形固定資産の償却率は全国平均と比較しても高い状況で、今後の公共施設の更新には多くの経費支出が見込まれています。また、平成31年度以降はハード事業を計画しており、その財源は過疎債を予定していることから、今後は負債が大幅に増加していきます。有形固定資産のうち、土地が6,807,904千円がありますが、積極的に処分を検討してく必要があります。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純行政コストは全国平均と比しても▲4.8万円と少ない状況にあります。連結においては一般会計等から4,676百万円と上昇しており、介護広域連合、後期高齢広域連合、消防組合等の連結による影響です。一般会計等の経常費用の割合は人件費が19%、物件費が40%、その他業務費用が2%、移転費用が39%となっています。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては余剰分は前年度と比して更に減少しており、将来への負担はない状況です。今後は負債(過疎債の起債増)の大幅な増加が見込まれ、将来世代への負担増が見込まれているため、注意していく必要があります。純資産残高の状況についても、投資的経費を抑制し、基金への積立を行ってきたことが要因にあります。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等における業務活動収支については、物件費の増加、補助費や社会保障給付支出の増加が進んでいる中で、業務収入における税収等収入は人口減少により減少傾向にあります。今後は業務活動収支の悪化がしていくことから、人件費や物件費等の抑制が必要となります。投資活動収支については国県等補助金事業を中心に行っていることから、投資活動支出の43%の補助金収入を確保しています。。今後も積極的に投資活動収入を確保していきます。財務活動支出では基本的には交付税算入のある起債事業のみ行っていることから、地方債償還支出は他団体と比較しても少ない状況です。ひとり当たりの負債額を見ても類似団体と比して▲16.9万円少ない状況です。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体比較で▲135万円となっている。原因としては町営住宅や庁舎の老朽化によると思われる。H29では町営住宅建替があり、今後は学校建設事業も控えていることから、上昇するものと思われる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体比較で5.4%低くなっている。負債額が多く見えるが、交付税算入のある地方債がほとんどであることから実際の財務状況は良いと考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

類似団体比較で4.3%低くなっている。現在の人件費が職員の平均年齢が低くなっているため、経常費用が少なくなっているが今後、年齢上昇に伴い人件費が上昇するため、行政コストも上昇すると思われる。経常収益の使用料は住宅の建替えをH29年に行ったことから収益増が期待される。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

類似団体比較で16.9万円低くなっている。投資的事業を控えていること、交付税算入のある起債しか行わなかったことによるが、過疎債の借入をH26から行っており、償還金の増加が見込まれる。また、学校再編事業を控えていることから、H35年からは大幅に増加すると考えられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

類似団体比較1.4%高くなっている。経常収益のうち、住宅使用料が住宅老朽化のため収入が低くなっている。住宅建替えをH29年に実施しているため、若干の改善は予想される。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,