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地方財政ダッシュボード

福岡県香春町の財政状況(2020年度)

🏠香春町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少、少子高齢化に加え、町の主要事業であったセメント産業の衰退が進み、他に中心となる産業もないため、財政基盤が弱く類似団体を0.13ポイント下回っている。今後とも事務事業の効率化や経費節減を実施し、歳出の削減に努めるとともに、企業誘致や産業振興施策、定住促進施策を推進することで財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

会計年度任用職員制度開始に伴い財政構造が大きく変化したが、結果として一時的に経常収支比率が改善した。しかしながら今後は職員の平均年齢上昇に伴う人件費の増、学校再編等の大型事業に過疎債を充当したことによる公債費(一部事務組合関連の「実質的な公債費」を含む)の増が見込まれる。今後とも、経常経費の更なる縮減に努めながら、新たな行政改革の断行も検討していく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度と比較して、30,925円の増加となっている。これは会計年度任用職員制度開始によるものである。類似団体と比較して、7,364円高く、人件費の削減に努めなければいけない。

ラスパイレス指数の分析欄

退職者と新規採用者の職員の入替えや給与改定率の影響等により、昨年度と比較すると0.4ポイント増加した。類似団体平均と比較しても0.9ポイント上回っているため、今後とも人員管理とともに給料の適正な管理に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

公立保育所、国土調査事業の影響から類似団体と比較して1.11ポイント高い状況である。過去を見ても職員数が高い状況が続いていることから、減少する人口に対応するため、長期的には職員数の適正化を図っていく必要がある。

実質公債費比率の分析欄

投資的事業の厳選、抑制から公債費が低く抑えられている。類似団体と比較しても4.6ポイント低く、数値としてはかなり良好な状態といえる。しかし、投資的事業の抑制が影響し、公共施設の老朽化が進み、また、平成26年度からの過疎対策事業債の償還金が増加していることから、公債費の上昇は避けられない。今後は計画的な地方債及び基金運用を心がけていく。

将来負担比率の分析欄

将来負担額を充当可能財源等が上回っているため、将来負担比率は数値なしとなっている。現在、大きな建設事業等(学校再編事業における小中一貫校の建設事業にかかる関連工事など)が実施されているため、地方債充当事業の厳選や計画的な基金への積立を行い、将来負担の軽減に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

会計年度任用職員制度の開始の影響から1.8ポイント増加している。類似団体と比較して2.9ポイント高い要因は保育所事業、国土調査事業、学校再編事業及び投資的人件費が高いことによるものである。平成30年度から取り組んでいる保育所の民営化を進めて人件費の抑制を図っていく。

物件費の分析欄

前年度と比較して1.3ポイント減少し、類似団体と比較して1.5ポイント低くなっている。行政改革により経費削減を進めていることから、一定の効果が確認できる。今後も新たな取組や改善を進めていく。

扶助費の分析欄

前年度と比較して1.2ポイント減少したが、類似団体と比較して2.1ポイント高い状況である。私立保育所運営委託事業が減少したため若干の減となっているものの依然として高い数値となっている。高齢化によるもので避けられるものではないが、今後の対策としては健康増進事業などによる医療費などの抑制を図っていく。

その他の分析欄

前年と比較すると1.3ポイント上昇しており、類似団体と比較すると4.7ポイント高い状況である。介護保険事業及び後期高齢者医療事業への繰出金増加が主な要因である。今後も介護予防、健康増進事業を推進し、医療関係経費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等については近年では一貫して類似団体より低くなっている。全国、福岡県平均との比較では高くなっているが、これは塵芥処理事業や常備消防事業を一部事務組合で行っており、その負担金が補助費等に計上されるためである。

公債費の分析欄

類似団体と比較して5.0ポイント低く、良好な状況といえる。前年度からの減少は住宅使用料の充当増によるものである。今後は過疎対策事業債の償還金が上昇していくことから、起債対象事業の厳選と、計画的に繰上償還を行い、公債費の増加の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

前年度と比較して0.5ポイント増加している。類似団体と比較して4.9ポイント高く、繰出金や人件費が大きく影響している。それぞれの分析欄にあるように今後の対策を講じていく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

議会費は令和2年度は例年並みに戻ったが類似団体と比較して1,311円高くなっている。民生費は一貫して類似団体と比較しても大きく開きがあり類似団体と比較しても48,547円高い状況で、地域的な特性もあるが高い扶助費が影響しているものと思われる。また、教育費は学校再編事業の影響から類似団体と比較して272,264円高くなっているが、一時的なものである。ただし、再編後には一貫校が1校となるため、経常費がどのようになるか注意する必要がある。商工費が類似団体と比較して、21,328円低くなっている。現在、魅力あるまちづくりを進めていることから、この状況は改善する必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

主な構成項目である人件費は、令和2年度から会計年度任用職員制度が開始されたことにより14,511円増加している。現在、職員平均年齢が低いことから、今後10年程度は年齢上昇による人件費の上昇が想定され、また定年が段階的に延長されることもあり長期的な定員管理が必要になってくる。また、公立保育所民営化や投資的人件費についても適正化を図っていく必要がある。扶助費については、高齢化の影響から上昇傾向にあり令和元年度では一旦減少しているものの、今後10年程度は高齢化の影響から増加していくと予想される。平成30年度までは本町の特徴として人件費、扶助費が高く、投資的経費を抑制していることから、普通建設事業費が低く、普通建設事業にかかる地方債が減少することから公債費が低くなり、投資抑制から施設の老朽化が進み、維持補修費が高くなるという状況にあった。一貫して経費削減を進めてきた経緯から、このような状況となっているが施設老朽化が進んでいるため、今後は投資的経費が増加していくものと思われる。令和元年度から普通建設事業費が上昇しているが、学校再編事業に伴う新校及び学童施設の建設事業の影響である。現状としては良好な状況であるものの、急激な悪化とならないように投資的経費及び地方債発行の計画的運用を行っていく必要がある。令和2年度の国勢調査の結果を踏まえ、新たな行政改革を行う必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

近年、実質収支比率は10%前後を推移し、財政調整基金残高についても30%を超えるなど健全な財政状況を維持している。財政調整基金は、新型コロナウイルス感染症対策事業の一般財源相当分当に充当するための取崩をしており、2.33ポイント減少している。また、実質単年度収支は3年振りに赤字となっているが、施設の改修等で更に厳しい財政状況となることが予想されるので、今後とも歳出の削減、財源の確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

平成28年度からは国民健康保険事業特別会計が黒字に転じ、全ての会計において黒字となっている。国民健康保険事業特別会計は平成20年度から財政健全化対策会議を設置し、段階的に国民健康保険税の見直しを行っており、その結果黒字決算となったが、医療費自体は増加の傾向にあり、今後も慎重に経過を観察する必要がある。水道事業会計では老朽管更新などで現金が減少傾向にあり、経営戦略を令和2年度で策定済である。一般会計においても公債費が増加していくことが確定的であるため、今後とも健全な財政運営を心がけていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債費比率(単年度)は3年間平均3.6%と前年度と比較して0.2%下がっており、依然として低い状態を保っている。本町は町営住宅建設以外は基本的に交付税算定がある地方債を中心に借入を行っていることから、実質公債費比率の分子が小さくなり、結果、実質公債費比率が低く抑えられている。しかし、今後は町の学校再編事業、町営住宅長寿命化事業、一部事務組合の施設更新等、大規模事業が予定され、実質公債費比率の増加が予想されるためこれまで以上に公債費の適正化に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担比率については充当可能基金や基準財政需要額算入見込額の合計が将来負担額を超えていることから、将来負担比率は数値なしとなっている。これは今後予定されている大規模事業に備え、基金の積立を行っているためで、事業終了後は充当可能基金の大幅減が予想され、将来負担比率の上昇が見込まれるので、今後とも財政の健全化に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)積立については運用益や余剰金の範囲で積み立てた一方、新型コロナウイルス対策事業費の一般財源相当分のため財政調整基金を21百万円取崩した。その他基金では地域振興基金で放課後児童クラブ再編事業に5百万円、学校再編事業に114百万円、町営住宅長寿命化事業に5百万円の取崩しとなった。また、ふるさとづくり基金については、ふるさと納税で12百万円積み立てたものの、主に防犯灯設置5百万円、学校再編事業に19百万円、道の駅の看板に3百万円、入学お祝い事業に13百万円の取崩しとなった。全基金では前年比10百万円の減少となり、投資的事業の増加から基金を活用した結果によるものである。(今後の方針)今後は投資的経費が増加していくため、必要に応じて基金を利用することになるが、公債費とのバランスを取りながら運用していく。また、積極的にふるさと納税に取り組んで寄付額をふるさとづくり基金へ積立てて、各種事業の財源確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)運用益1百万円の積立、新型コロナウイルス対策事業費における一般財源相当額21百万円の取崩を行ったことから残高11億40百万円となったが、まだかなり高い状況である。(今後の方針)標準財政規模の35%に相当する額であることから、過剰な基金積立額である懸念もあるが、塵芥ごみ処理施設の負担金が10年程度増加すること、学校再編事業の公債費増加に対応する財源としているため、長期的には5億円以下にならない運用を心がける。

減債基金

(増減理由)運用益、余剰金等積立により残高657百万円、前年比94百万円の増となった。(今後の方針)公債費の増加に備え、財源確保の対策として、今後数回の繰上償還を計画していることから、その財源確保に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金については、基本的に町が行う地域振興事業のうち施設整備を目的としている。特定農業施設管理基金については、臨時石炭鉱害復旧法(昭和27年法律第295号)に基づく鉱害復旧事業で設置し、町が管理する井堰及び揚水機の維持管理を目的としている。地域福祉基金については、高齢者の保健福祉の増進を図ることを目的としている。事務OA化基金については、事務OA化を実施することにより、事務を円滑かつ効率的に行うことを目的としている。ふるさとづくり基金については「自ら考え自ら実践する地域づくり事業」を円滑に推進することを目的としている。現在の運用では主にふるさと納税等の寄附金を積み立て、目的に応じた事業の財源としている。(増減理由)地域振興基金の減少については、放課後児童クラブ再編事業に5百万円、学校再編事業に114百万円、町営住宅長寿命化事業に5百万円取り崩している。ふるさとづくり基金については、ふるさと納税で12百万円積み立てたものの、主に防犯灯設置5百万円、学校再編事業に19百万円、道の駅の看板に3百万円、入学お祝い事業に13百万円取り崩したため、28百万円の減少となった。(今後の方針)ふるさとづくり基金はふるさと納税を積立てており、積立相当額の政策的事業を展開している。今後もふるさと納税の推進に取り組んでいく。地域振興基金は町営住宅更新や公共施設長寿命化対策などに充てるため、減少は避けられない。また、事務OA化基金もシステム更新計画から適宜、積立を行っていく。以外の基金については運用益を用いて事業を実施し、基金の元本は減少しないよう運用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和2年度は71.6%であり、全国平均+9.5ポイント、福岡県平均+9.1ポイントと老朽化が進んでいることが分かる。これは公共施設の更新や大規模改修が進んでいないことが要因である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の長寿命化を図っていく。なお、令和3年度には学校統廃合により義務教育学校「香春思永館」の新校舎が計上されるため、若干の改善が見込まれる。

債務償還比率の分析欄

令和2年度は579.9%全国平均-51.7ポイント、福岡県平均-296.2ポイントと低い水準であるが、令和元年度と比較して242.4ポイント悪化した。これは義務教育学校「香春思永館」建設のため、過疎対策事業債を1,934百万円借り入れたことによるものである。今後も、公共施設等総合管理計画に基づく施設長寿命化事業等による町債発行が続くため、さらなる悪化が見込まれるが、世代間の負担のバランスに留意しながら、健全かつ持続可能な財政運営を行っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

町債発行の抑制や計画的な繰り上げ償還の実施等により、将来負担額に比して充当可能基金や基準財政需要額算入見込額が多いため、将来負担比率はマイナスである。他方で、有形固定資産減価償却率は高い値で推移しており、類似団体比(R2)では9.7ポイント高い状況である。これは、公共施設の更新や大規模改修が抑制されてきたことが一因であるため、今後は、将来負担とのバランスに留意しながら、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

町債発行の抑制や計画的な繰上償還の実施等により、将来負担額に比して充当可能基金や基準財政需要額算入見込額が多いため、将来負担比率はマイナスである。実質公債費比率についても、交付税算入のある起債メニューを厳選して借り入れ、また計画的に繰上償還を実施したこと等により、類似団体平均よりも低く抑えられている。今後は、大型事業である学校再編事業(R1~R4)のために借り入れた過疎対策事業債の償還本格化により、一定程度比率が悪化することが見込まれる。また公共施設の老朽化対策による起債も予定されていることから、これまで以上に償還財源の確保を前提とした町債運用に留意していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】の償却率は平均を大きく超えているものの、定期的な点検などを行い、適宜補修工事を実施している。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、再編を検討・実行中であり、幼稚園は令和2年度末に廃園済み、保育所2園のうち1園については民営化を予定しているため、新たな投資を行っていない状況で、償却率が高くなっている。【橋りょう・トンネル】の償却率は、全国平均よりも21.2ポイント低い状況である。今後とも計画に沿って長寿命化を図っていく。【学校施設】については、令和3年度に小中学校全6校を廃校し、新規建設の義務教育学校1校に再編したことから、償却率の改善が見込まれるが、廃校施設の除却や利活用が課題として残っている。【公営住宅】は全国的に見ても老朽化が進行しており、本町でも同程度の償却率となっている。今後は採算ベースを考慮した更新を行っていく予定としている。なお、人口に比して管理戸数が多く、一人当たり面積は平均を大きく超えている。【公民館】については、平成11年に建設された比較的新しい建物であるため、平均値を下回っている。今後は設備更新、定期点検による早期保全の実施などで長寿命化を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【一般廃棄物処理施設】は一部事務組合により運用している。かなり老朽化が進んでいるが、田川広域での新たな一部事務組合で運用する新施設が建設中であるため、改善される見込みである。【体育館・プール】は体育センターが昭和50年代に建設され、大きな改修を行っていないことから償却率が高くなっている。【福祉施設】【消防施設】の償却率及び一人当たり面積は、類団平均に近い値となっている。【市民会館】の償却率については、平成13年に建設された比較的新しい建物であるため、平均値を下回っている。今後は設備更新、定期点検による早期保全の実施などで、長寿命化を図っていく。【庁舎】の償却率については、全国・県平均よりもかなり高い状態である。庁舎以外の施設よりも優先順位が低くとらえられ、対策が後回しになってきたことが要因であるが、町行政の中枢であることから、行政運営に支障が生じることがないように、今後は積極的に保全を図っていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産は2,947百万円の増(+17.4%)、負債は1,972百万円の増(+37.8%)となっています。資産の増については、義務教育学校建設に係る建設仮勘定の増によるものであり、負債の増についても当該建設に係る地方債の増額が主な要因です。今後は施設の老朽化に伴い、資産の減少や施設長寿命化事業に係る負債のさらなる増加が懸念されます。負債増に伴い、次世代への負担が過剰にならないように注視していく必要があります。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等では純経常行政コストが2,104百万円の増(+40.7%)、純行政コストが2,065百万円の増(+39.6%)となっています。内訳をみると物件費が1,408百万円増、補助金等が+1,229百万円となっており、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業の実施がその主な要因です。また会計年度任用職員制度の開始により、人件費が150百万円増加しています。コロナ対策により、今後数年間は行政コストが通常より高くなると考えられますが、今後とも人件費の抑制に努め、さらなる事務事業の効率化、経費節減を行うことで、行政コストの低減を図ります。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、税収等及び国県等補助金の財源(7,187百万円)が、純行政コスト(7,283百万円)を下回っているため、本年度差額は△96百万円となりました。一方で、昨年度登録漏れの有形固定資産を計上したこと等により、本年度純資産変動額は975百万円の増となりました。有形固定資産は減少傾向にありますが、義務教育学校の建設により一旦増加となる見込みです。しかし、公共施設は総じて老朽化が進んでいることから、今後とも公共施設等総合管理計画に沿った長寿命化及び除却を進めていく必要があります。なお、連結本年度純資産変動額が令和元年度9,070百万円、令和2年度△9,055百万円と大きく変動していますが、これは令和元年度の連結作業において不備があったためです。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、前年度と比較して業務活動収支が355百万円の増、投資活動収支が2,250百万円の減、財務活動収支が1,841百万円の増となっています。業務活動収支の黒字については、地方交付税収入等の増やコロナ対策の国県支出金の増が主な要因です。また、投資活動収支が大幅赤字となったのは義務教育学校建設に伴う公共施設等整備支出が大きく増加したことによるものであり、逆に財務活動収支が大幅黒字となった要因は、同校建設の財源としての地方債発行収入が伸びた結果によるものです。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、義務教育学校建設に伴い、前年度と比較して18.9%増加したものの、類似団体平均値の7割強となっています。資産額が少ない要因は、老朽化した公共施設を数多く抱えており、償却期間を超過した建物が多いためです。歳入対資産比率については、類似団体と比較して▲1.32ポイントとなっています。分子(資産合計)は増加したものの、それを上回る分母(歳入総額)の増があったために、前年度よりも数値が少なくなったものです。近年、大型事業により、歳入総額の増減が著しいため、当該比率も年により増減が発生する見込みですが、今後は施設の更新により資産合計の増が見込まれます。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体と比較して▲9.1ポイント、前年度と比較して▲5.4ポイントとなっており、近年減少が続いています。令和2年度は義務教育学校建設に伴い、資産合計が増加に転じましたが、それに伴う純資産の伸びよりも負債の伸びの方が大きかったため、結果として純資産比率は減少となりました。また、将来世代負担比率は前年度と比較して+9.9ポイントと大きく伸びました。これは義務教育学校建設に伴う地方債残高の増加によるものです。今後も建設事業に伴う過疎対策事業債の発行が続く見通しですが、将来世代負担比率の増嵩に注意しつ1つ、計画的な地方債運用に努めてまいります。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と比較して+3.8万円、前年度と比較して+19.9万円となっています。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業をはじめとするコロナ対策経費の増が主な要因ですが、今後とも類似団体平均を参考に抑制に努めてまいります。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均と比較して▲3.2万円と低く抑えられていますが、義務教育学校建設に伴う多額の地方債発行により、前年度と比較して4割増と急激に増加しました。基礎的財政収支の大幅赤字も、同様の理由によるものです。本町では、従来から地方債発行を厳選し、投資的経費を抑制してきた結果、類似団体平均を大きく下回る数値で推移してきましたが、今後は、公共施設の長寿命化や更新に係る経費の増加により、地方債発行も増えるため、さらなる数値の悪化が懸念されます。類似団体平均を一つの基準としつつ、健全性を旨とした財政運営に努めてまいります。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度と比較して▲1.8ポイントとなりました。これは経常費用の伸びに対して経常収益が減少したことによるもので、コロナ対策に伴う費用の伸びとコロナ禍の影響による使用料等収入の減が主な要因であり、一時的な特殊事情によるものと考えられますが、類似団体と比較して0.9ポイント下回っていることから、今後とも受益者に対して適正な負担を求めていくよう、努めてまいります。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,