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兵庫県西宮市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

分母となる基準財政需要額が、高齢者保健福祉費の増などにより増となったことから、令和5年度の単年度指数は前年度に比べ0.009ポイント悪化した。なお、本市においては市民一人あたりの市税収入が他市より多いことから、比較的強い数値を維持しており、依然として、類似団体平均と比較しても高くなっている。

経常収支比率の分析欄

地方交付税や株式等譲渡所得割交付金などの経常一般財源が増となったが、それ以上に扶助費や繰出金などの経常的な経費に要する一般財源が増となったことにより、令和4年度と比べ1.7ポイント悪化した。また、依然、人件費が高い水準にあることから、類似団体に比べ硬直化した財政構造となっている。引き続き内部管理経費及び事業・施策の見直し等により歳出の抑制を図るとともに、歳入の確保に努め、一層の改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

退職手当を除いた人件費は、人事院勧告に準じた給与改定や、会計年度任用職員数の増に伴う報酬等の増などにより、前年度と比べ増となった。物件費等は新型コロナワクチン総接種回数の減などにより、前年度と比べ減となった。人件費が類似団体平均を上回っている要因としては、市立高等学校を有していることや学校給食事業を直営で行っていることなどにより人件費総額が高いことが考えられる。物件費等においては、市営住宅等の維持管理経費や、学校給食の公金化の影響などにより物件費等の総額が高いことが考えられる。今後も類似団体平均を上回る経費については適正な運営となっているか分析を進める。

ラスパイレス指数の分析欄

令和5年度に、職務給の原則をより一層徹底した給料表を導入し、55歳超職員の昇給を停止する等、給与制度の見直しを実施しており、この見直しによって給与水準は今後逓減していくものと見込んでいる。今後も市民に理解される給与水準となるよう努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成11年度以降、2次にわたる行財政改善実施計画など、継続して職員数の抑制に取り組んだ結果、平成23年4月1日における職員数(3,522人)は、平成11年4月1日(4,140人)に比し、618人の削減となった。しかしながら、それ以降、年々多様化する行政需要に対応したこと等により、職員数が増加し、令和6年4月1日における職員数(3,813人)は、平成23年度に比し291人の増員となっている。今後は、令和6年4月に策定した「西宮市定員管理計画」に基づき、事務事業や事務執行体制の見直し等を行い、業務量に見合った適正な定員管理に努め、職員数の抑制に取り組む。

実質公債費比率の分析欄

震災復興に係る市債の償還が順次終了し、公債費負担が減少傾向にあったことから、類似団体平均を下回っているが、令和元年度以降は上昇傾向にある。今後は公共施設の老朽化対策などの投資的経費の増大によって多額の市債発行が見込まれているため、公債費は増加傾向で推移することが予測され、それに伴い比率が悪化することが考えられる。

将来負担比率の分析欄

震災復興事業に係る市債の償還が進んでいる一方で、これまで十分な投資的事業が行えていなかったことで市債発行額が抑制されていたことなどから、将来負担額は減少傾向で推移してきた。今後は、公共施設の老朽化対策などによる投資的経費の増大によって、多額の市債発行が見込まれるため、地方債残高は増加に転じることも想定される。また、5年度においては財政調整基金を41億円取崩したが、今後も取崩しが見込まれることから、将来負担比率も現状より悪化することも考えられる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

経常的な経費としての人件費の額は、近年は人事院勧告に準じた給与改定に伴う給料や期末勤勉手当の増、共済費の増などにより、増加傾向にある。類似団体平均と比べて高い比率で推移しているが、令和5年度に、職務給の原則をより一層徹底した給料表を導入し、55歳超職員の昇給を停止する等、給与制度の見直しを実施しており、今後も引き続き給与水準の適正化に努めるとともに、事務の効率化や適正な定員管理を進めながら総人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

行政需要の増大に伴って増加傾向で推移しているが、比率は類似団体平均と比較してやや低くなっている。これは他団体より直営部門が多く、委託料が少なくなっているためと考えられる。今後も引き続き事業の見直しに取り組み、経費の節減に努める。

扶助費の分析欄

こども医療費助成制度の拡大に伴うこども医療費の増や、障害者介護給付費等の増の影響により、比率は前年度に引き続き類似団体平均を上回っており、今後も比率は上昇傾向で推移するものと考えられる。

その他の分析欄

主に高齢化の進展により、介護保険・後期高齢者医療事業への繰出金が増加傾向にある。

補助費等の分析欄

令和5年度においては下水道事業会計補助金の増などにより、比率は前年度に比べ0.2ポイント上昇した。

公債費の分析欄

震災復興に伴い多額の市債を発行したため、類似団体平均と比べて高くなっていたが、平成16年度に負担のピークを迎えてからは減少傾向で推移しており、平成28年度から類似団体平均を下回る値となっている。令和5年度においては民生債や土木債の償還額の減などにより、前年度に比べ0.1ポイント減少した。今後は公共施設の老朽化対策などの投資的経費の増大によって多額の市債発行が見込まれており、公債費が増加していくと予測している。

公債費以外の分析欄

類似団体平均と比較し高くなっているのは人件費に係る経常収支比率が高いためであるので、今後も引き続き給与水準の適正化に努めるとともに、職員数の適正管理により、総人件費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

本市の目的別歳出においては類似団体と比較して、ほとんどの費目で同等、若しくは低い水準となっており、特に農林水産業費及び商工費は低くなっている。教育費については平成25年度より学校給食が公金化されたことや、小中学校において自校調理方式で給食を実施していること、及び高等学校を2校有していることに加え、平成30年度以降については普通建設事業費が大幅に増となったことなどにより、類似団体平均よりも高い水準となっている。土木費については類似団体を下回る数値となっているが、これは普通建設事業費が低い水準となっているためである。なお、令和5年度においては、総務費は決算剰余積立金額の減に伴う財政基金積立金の減などにより、前年度と比べ大幅な減となったほか、衛生費は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、感染症予防対策に係る経費が減となったことなどにより大幅な減となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

本市の性質別歳出においては、類似団体と比較して人件費が高い水準となっている。人件費総額は、人事院勧告に準じた給与改定に伴う給料や期末勤勉手当の増、共済費の増などにより、近年は増加傾向にある。令和5年度に、職務給の原則をより一層徹底した給料表を導入し、55歳超職員の昇給を停止する等、給与制度の見直しを実施しており、今後も事務の効率化や適正な定員管理も合わせて総人件費の抑制に努める。普通建設事業費は類似団体と比較して低い水準となっているが、今後については施設の老朽化対策などの対応のため増加が見込まれる。公債費は震災復興事業のために借り入れた市債のうち、一部の償還が平成28年度で終了したことなどにより類似団体と比較して、低い水準となっているが、今後は投資的経費の増大によって多額の市債発行が見込まれており、増加傾向で推移することが予測される。また、令和5年度においては、非課税世帯臨時特別給付金(令和5年度実施分)の増などにより、扶助費が前年度と比べ類似団体と同様に増となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

実質単年度収支は平成30年度、令和元年度においては赤字となった。令和2年度では、用地の先行取得に係る土地開発公社貸付金の返還等により黒字となり、令和3年度においては地方交付税の増などにより黒字となったが、令和4年度においては地方交付税が減となったこと、光熱費等の物件費や扶助費などの増などにより、再び赤字に転じた。令和5年度においては、株式等譲渡所得等の減による個人市民税の減や前年度繰越金の減、扶助費など経常経費の増などにより赤字となった。財政調整基金については、収支の結果による財源不足に対応するため41億円取り崩したが、今後とも公共施設の老朽化対策などの経費が増大していくことが想定されており、財政調整基金の活用を見込んでいる。今後の財政運営については、社会情勢の変化に的確に対応するとともに、将来にわたって安定的な財政運営が行えるよう、施策・事業の一層の見直しを図り、必要な財源の確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

実質赤字は発生していない。病院事業会計に対しては平成28年度に一般会計より長期貸付を行うとともに、平成30年度、令和元年度、令和2年度には補助金を交付することで資金不足を圧縮しているが、令和3~5年度については空床補償による国県補助金により、実質黒字を確保している。今後の推移については、病院事業会計において資金不足額が生じることが懸念され、水道事業会計においても給水量の減少が見込まれるため、経営状況は厳しくなると想定される。さらに、一般会計においても、これまで減少傾向だった公債費は今後増加傾向で推移することが予測され、また、扶助費等の社会保障関係経費や公共施設の老朽化対策などの投資的経費の増大が見込まれることなどから、厳しい財政運営が想定される。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債費比率の分子の額は増加傾向にある。主な要因としては災害復旧費等に係る基準財政需要額の減少や、公営住宅使用料の減少により特定財源の充当額が減少したことがあげられる。今後は公共施設の老朽化対策などの投資的経費の増大によって多額の市債発行が見込まれており、公債費が増加傾向で推移することが予測され、それに伴い実質公債費比率が悪化することが考えられる。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率の分子の額は減少傾向である。これは、震災復興事業に係る市債の償還が進んでいる一方で、投資的事業が十分に行えていなかったことで市債発行額が抑制されていたことにより、地方債現在高が減となっているためである。令和5年度においては、充当可能基金や基準財政需要額算入見込額の減はあるものの、一般会計等の地方債現在高が減となったことなどにより、将来負担比率の分子は減となった。今後の推移については、公共施設の老朽化対策などによる投資的経費の増大によって、多額の市債発行が見込まれるため、地方債残高は増加に転じることも想定される。それに伴い、将来負担比率も現状より悪化することも考えられる。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)・都市計画税の令和4年度における歳入決算額と都市計画税充当額との差額である31億円を積立てたが、財政基金において令和5年度一般会計における決算における財源不足を補うために41億円を取崩したこと等により、10億円の減少となった。(今後の方針)・西宮市財政基金等を活用して、公共施設の老朽化対策や社会保障関連経費の伸びなどに対応していくため、基金残高の減少を予測している。

財政調整基金

(増減理由)・令和4年度決算における一般会計の実質収支額の2分の1である2億円を積立てたものの、資金不足に対応するため41億円の取崩しをしたことにより39億円の減少となった。(今後の方針)・公共施設の老朽化対策や、社会保障関連経費の伸びなどにより収支不足が見込まれていることから、今後も基金残高の減少を予測しているが、財政の健全化を損ねないよう基金残高の維持に努める。

減債基金

(増減理由)・災害援護資金貸付金の償還が終了したことにより、基金の増減は生じなかった。(今後の方針)・繰上償還等に備えて、一定の基金残高を維持するよう努めていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・西宮市都市計画事業基金:都市計画事業又は土地区画整理事業・西宮市公共施設保全積立基金:公共施設の修繕又は改修(増減理由)・西宮市都市計画事業基金:令和4年度における歳入決算額と都市計画税充当額との差額である31億円を積立てたことによる増加。・西宮市公共施設保全積立基金:6億円を積立てた一方で、公共施設の計画的な修繕・改修による財源として9億円を取崩したこと等による減少。(今後の方針)・西宮市都市計画事業基金:令和5年度における歳入決算額と都市計画税充当額との差額である18億円を令和6年度に積立てる。・西宮市公共施設保全積立基金:公共施設の計画的な修繕・改修のための財源確保と、事業費の年度間の平準化を図るため、前年度決算剰余金の20%又は6億円のうち、高いほうの金額を毎年積立て、取崩については運用基準に基づき充当を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体と同様年々増加傾向にあるものの、数値は類似団体平均より高い水準となっている。平成28年度に策定した西宮市公共施設等総合管理計画において、建築系公共施設の施設総量(延床面積)を令和44年度までに20%以上削減するという目標を掲げており、老朽化した施設の集約化・複合化や更新・除却を進めている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体よりも低い水準となっているものの、令和3年度に比べて65.5ポイント悪化している。主な理由として、分子である将来負担額は臨時財政対策債等の償還が進んだことにより減少したが、分母において普通交付税と臨時財政対策債発行可能額が減となったことが挙げられる。今後は、公共施設の老朽化対策などに伴う多額の市債発行により、数値の悪化が懸念される。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は年々低下傾向であり、令和4年度は充当可能財源等が将来負担額以上となり算定されていないため表記していない。有形固定資産減価償却率は年々上昇傾向で類似団体と比べ高い水準にある。その要因としては、これまで投資的事業を抑制してきたことによって施設の老朽化が進んでいることが挙げられる。また、有形固定資産減価償却率が高い主な施設としては体育館・プールや一般廃棄物処理施設などが挙げられる。体育館については中央体育館の再整備に向けて計画を進めているところであり、また、一般廃棄物処理施設については西部総合処理センターの耐用年数が経過した機器等について順次更新を予定している。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率はともに類似団体平均より低い水準にあるが、実質公債費比率については近年昇傾向にあり、令和4年度は前年度と同率であった。阪神・淡路大震災以降は、震災復興事業にかかる市債の償還が進んだことや、投資的事業を抑制してきたことによって市債の発行額が少なかったことなどから、市債残高及び公債費負担が減少傾向にあった。しかし、令和4年度においても、都市計画関連事業の地方債償還額及び下水道事業に係る地方債償還額に対する繰出金が減少したことにより、特定財源の充当額が減となり、実質公債費比率は改善しなかった。今後も公共施設の老朽化対策などに多額の市債発行を要することで、市債残高や公債費が増加傾向で推移することが予測され、それによって将来負担比率や実質公債費比率が悪化することが考えられる。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っているが、類似団体との比較又は各施設類型ごとの比較において特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プール、一般廃棄物処理施設、市民会館、保健センター・保健所である。また公営住宅においては、一人当たり面積が類似団体平均を大きく上回っている。これは平成7年の阪神・淡路大震災後に多くの公営住宅が建設されたことが要因となっているが、西宮市営住宅整備・管理計画に基づき、老朽化した団地の建替・廃止統合等によって適正な管理戸数としていくこととしている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っているが、類似団体との比較または各施設類型ごとの比較において特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プール、一般廃棄物処理施設、市民会館、保健センター・保健所である。体育館・プールについては中央体育館の耐用年数が経過しているためであるが、再整備に向けて計画を進めているところである。一般廃棄物処理施設については、西部総合処理センターにおける機器等が耐用年数を経過しているためであるが、順次更新を予定している。市民会館や保健センター・保健所については、耐用年数を迎えつつあるため有形固定資産減価償却率が高くなっており、本庁周辺整備事業に伴う機能再配置及び解体を予定している。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は前年度に比べ9,812百万円の増となった。その主な理由は、令和5年度において中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業における建設仮勘定の増額が減価償却による資産の減少額を上回ったためである。また、負債総額は前年度と比べ10,517百万円の増となっており、その主な理由は臨時財政対策債や震災復興に伴う災害公営住宅等建設に係る地方債などの返済が進んだことにより地方債残高が減少しているが、PFI事業である中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業における固定負債の増加などによるものである。下水道事業会計や水道事業会計などを加えた全体においては、一般会計等に比べ、資産総額は下水道事業会計の保有しているインフラ資産を計上していることなどにより235,207百万円多く、負債総額は同じく下水道事業の企業債を計上していることなどにより164,060百万円多くなっている阪神水道企業団や西宮市土地開発公社などを加えた連結においては、一般会計等に比べ、資産総額は阪神水道企業団の保有しているインフラ資産を計上しているとなどにより261,965百万円多く、負債総額は同じく阪神水道企業団の企業債を計上していることなどにより180,151百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、前年度と比べて純行政コストは3,451百万円増の172,801百万円となっている。その主な理由は、非課税世帯臨時特別給付金事業(令和5年度実施分)により補助金等が増となったことにより、経常費用が3,506百万円の増となったためである。全体においては、一般会計等と比べ、水道料金や下水道使用料などを使用料及び手数料に計上していることにより経常収益が18,827百万円多くなっているが、国民健康保険や介護保険の給付費などを補助金等に計上していることにより経常費用が101,020百万円多くなっているため、純行政コストは81,983百万円多くなっている。連結においては、一般会計等と比べ、阪神水道企業団の事業運営に係る分賦金(使用料及び手数料)などを計上していることにより経常収益が22,633百万円多くなっているが、兵庫県後期高齢者医療広域連合の療養給付費などを補助金等に計上していることにより経常費用が172,003百万円多くなっているため、純行政コストは149,176百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、前年度と本年度の差額は3,087百万円減となり、純資産残高は前年度に比べ705百万円減の656,058百万円となった。全体においては、一般会計等と比べ、国民健康保険料や介護保険料などが税収等に含まれるため財源は80,014百万円増となっており、純資産残高は71,147百万円多い727,205百万円となった。連結においては、一般会計等と比べ、阪神水道企業団が含まれるため、純資産残高は81,815百万円多い737,873百万円となった。なお、全体及び連結において、財源が増となったものの、純行政コストの増がそれを上回ったため、本年度差額は一般会計等に比べ、全体においては1,970百万円減の△2,280百万円、連結においては1,485百万円減の1,795百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等の業務活動収支においては、地方交付税、株式等譲渡所得及び固定資産税などの税収等収入が増となったものの、障害者介護給付等事業などの社会保障給付支出の増による業務支出の増加額が、業務収入の増加額を上回ったことを主な理由として減となっており前年度に比べ1,845百万円減の15,369百万円となっている。投資活動収支については、財政基金積立金の減などにより投資活動支出が5,579百万円の減となり、また、基金取崩収入の増などにより投資活動収入が2,675百万円の増となったことによって前年度に比べ8,254百万円増の△6,143百万円であった。財務活動収支については、安井小学校教育環境整備事業や消防施設整備事業の進捗など、公共施設等整備費支出の財源となる地方債の借入額の減で財務活動収入が2,256百万円減少したことにより、前年度に比べ収支は1,913百万円減の△9,377百万円となった。この結果、本年度末資金残高は前年度から151百万円減少し、766百万円となった。全体においては、一般会計等と比べ、業務活動収支については下水道使用料を使用料及び手数料収入に計上していることなどにより5,524百万円増の20,893百万円に、投資活動収支については、下水道事業会計における建設改良工事の実施などにより5,639百万円減の△11,782百万円に、財務活動収支については、水道事業会計の企業債収入額が企業債償還額を上回ったことなどにより34百万円増の△9,343百万円になった。この結果、本年度末資金残高は、一般会計等と比べ、14,502百万円多い15,268百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額は、前年度より2.1万円増の174.3万円となっている。これは、令和5年度において中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業における建設仮勘定の増額が減価償却による資産の減少額を上回ったことが大きな要因である。なお、当数値は類似団体平均値を上回っている。②歳入額対資産比率は、前年度より0.12ポイント増の4.24年となっている。これは、有形固定資産が増となったものの、令和5年度に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されたことにより、当該感染症に関する国県等補助金収入の減が大きな要因である。なお、当数値は類似団体平均値を上回っている。③有形固定資産減価償却率は、上昇傾向にあり、前年度より1.2ポイント増の69.8%となっており、類似団体平均値を上回っている。これは、本市において阪神・淡路大震災の復旧・復興事業にかかる市債償還が大きな財政負担となってきたことから、公共施設の改築・更新が十分行えなかったことが大きな要因である。今後は平成28年度に策定した西宮市公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の長寿命化や集約化、複合化を図りながら更新除却を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は、前年度より1.0ポイント減の78.0%となっている。その要因の一つに、PFI事業である中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業における固定負債の増などに伴い、資産額に対する純資産額の割合が低くなったことが挙げられる。なお、当数値は類似団体平均値より高い比率となっている。⑤将来世代負担比率は、前年度より0.4ポイント減の9.8%となっており、これは地方債残高が減になったことと、中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業による建設仮勘定の増が減価償却による資産の減少額を上回ったことが要因と考えられる。なお、当数値は類似団体平均値と比べて良好な数値となっている。今後は公共施設の老朽化対策のために多額の市債発行を見込んでおり、指標数値の悪化が懸念されるが、過大な市債発行による急激な指標数値の悪化とならないよう、投資的事業の年度間調整による平準化を図るほか、財政収支の改善によって市債の発行額を抑制するなどの対策を講じていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たり行政コストは、前年度より0.7万円増の35.8万円となっている。その要因として、令和5年度に実施した非課税世帯臨時特別給付金事業による補助金等の増などが挙げられる。また、本市の住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値より低く抑えられているが、生活保護費などの社会保障給付費が他団体よりも少ないことが要因と考えられる。なお、近年、障害者福祉サービス給付費や保育にかかる給付費などが増加傾向にあるが、業務の効率化を図りながら良好な市民サービスの維持と行政コストの抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額は、前年度より2.2万円増の38.4万円となっている。その要因の一つとして、PFI事業である中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業における固定負債の増が挙げられる。なお、本市では、投資的事業の抑制により市債発行を抑えてきたため、類似団体平均値よりも低い水準となっている。⑧基礎的財政収支は、前年度から549百万円増の8,859百万円の黒字となっている。これは、障害者介護給付等事業などの社会保障給付支出の増加による業務支出の増などにより業務活動収支は悪化したものの、安井小学校教育環境整備事業の進捗などの公共施設等整備費支出の減により投資活動収支が改善したことが主な要因と考えられる。今後は、公共施設の老朽化対策を進めることで投資活動収支の赤字拡大や市債発行による負債の増を見込んでいるが、過大な市債発行とならないよう、償還額とのバランスを考慮しながら事業を進めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は、前年度より0.1ポイント減の6.3%となっている。これは、令和5年度に実施した非課税世帯臨時特別給付金事業による補助金等の増が大きな要因と考えられる。また、本市は類似団体平均値よりも比率が高くなっているが、これは多くの市営住宅を有していることで、使用料収入が他団体より多額になっているためと考えられる。今後も経年推移や他市状況に注視し、受益者負担の公平性・公正性や透明性の確保に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,