収益等の状況について
施設建替から2年目である。前年度に比べリニューアル効果の薄れや7月豪雨の影響による集客減に伴い収支が悪化している。加えて、建替時の地方債償還が29年度から始まり収支比率悪化の大きな要因となっている。しかしながら、④定員稼働率は、昨年より減少しているとはいえ、他の類似施設や全国平均に比べ高い稼働率を維持している。それにも関わらず、収益性が悪化しているのは、⑤売上高人件費比率、⑦EBITDAから読み取れるように、人件費等の固定費が押し上げられ、利益水準が極めて低いことがいえる。今後は、今年度末に策定した経営健全化方針に基づく中長期計画に沿って、料金設定の見直しや業務効率化等のアクションプランに取り組み、収益性の改善を図っていく。
資産等の状況について
当該施設は平成28年8月に建替工事が完成し、同年11月に営業を開始している。⑨は統一的基準による貸借対照表の建物から減価償却累計額を差し引いた額である。今後毎年およそ70,800千円ずつ減価償却を行っていくこととなる。⑩設備投資見込額は、備品、機械設備等の修繕費として1,000千円/年(見込)を計上したものであり、大規模な設備投資は当面行わない見通しである。⑫企業債残高対料金収入比率については、今後地方債の元金償還をしていくにしたがって徐々に改善される見込みである。
利用の状況について
宿泊客数動向における公営企業の数値は、前年度に比べやや減少したが、市町村の数値が大幅に減少しているのに比べ、引き続き高い割合で推移していることから、当該施設の宿泊需要は高いものといえる。本市において当該施設は、観光利用の受け皿が必ずしも十分と言えない状況の中、観光振興を図る上で重要かつ必要な施設であるため、今後も引き続き利用者数の増加に努めていく。
全体総括
当該施設は、本市の観光拠点施設として観光振興及び雇用も含めた市内経済への波及効果による地域活性化に寄与するとともに、市民の健康増進を図る施設として一部公共的な役割を果たしている。しかしながら、施設建替のため借り入れた地方債の残高は、今年度末現在およそ20億円であり、当該施設から得られる収益によってその償還財源を確保していかなくてはならないと考えているが、収支赤字が拡大している状況にある。施設としては収益性の高い施設であることから、早急に財務状況の抜本的な改革に着手し、現在の高い稼働率を維持しながら、収益を確保していく必要がある。