収益等の状況について
①~③については、いずれも施設建設に係る元金及び利子の償還金が、算定数値の中で大きな割合を占めている。当該償還金は令和4年度に終了するが、耐用年数を迎える設備等が多数あるため、計画的に改修していく必要がある。④~⑦については、新型コロナウイルスの影響により、多客期である令和元年度3月のレストラン、宴会等が約600人キャンセルとなり、さらに同月の宿泊予約も約1,100人がキャンセルとなったことにより、各数値が悪化し、売り上げも大幅に落ち込んだ。
資産等の状況について
平成14年の施設開設から約18年が経過しているものの、建物の耐用年数が39年(参考:国税庁)であり、経過年数という観点から残存期間は長い。しかしながら、現時点における設備投資見込額が約2億円あることに加え、突発的な修繕案件が多数発生するなど、安易に資産価値が高いとは言えない状況である。
利用の状況について
海峡ビューしものせきの定数宿泊利用率は、直近5年間において約57%となっており、令和元年度全国公設国民宿舎において宿泊利用率が全国69施設中第5位と非常に高い数値を維持しているなど、利用率は高水準かつ安定的である。
全体総括
本施設の経営分析としては、事業運営自体は安定しており、施設の建設費用に係る償還金が令和4年度に終了後、以降は他会計補助金等に頼ることなく、黒字収支で推移していくことが見込まれる。本施設は令和3年度~令和7年度までは、指定管理者制度により民間事業者に管理運営を委ねていくが、同時に、本市公共施設等総合管理計画、また、「公営企業の経営のあり方に関する研究会(総務省)」等を踏まえ、民間への譲渡・売却等について検討していく予定である。