収益等の状況について
ぶどうの丘の収益は、開設以来、黒字経営が続いており毎年度決算で純利益1~10%であった。しかし近年の利益率では1~3%となっており低迷している。要因として、観光客のニーズが多様化し団体ツアーではなく、個々の来訪者が来訪するといった形態が増加していることから、大量の消費は望めず、ワイン等の販売が減少していることが大きな課題となっている。今後の方向性としては、リピート顧客等を中心に甲州市勝沼にしかない特別さを強化し健全経営に努めていくことが必要である。また、令和元年12月に発生した新型コロナ感染症により年明けから来客数が減少するなど、影響かみられた。今後も政府などの動向を注視する中、公的制度等を活用するなどし、経営の維持に努める。
資産等の状況について
平成28年度に策定した経営戦略において、施設等の維持管理のための改修計画等をベースに29年度より計画的に施設整備を行っている。今後も計画に基づき施設整備を行う。
利用の状況について
宿泊、温泉、イベント施設、食事処、ワインカーブと複合施設がぶどうの丘の大きな特徴であり、年間約40万人の利用者がある。宿泊施設の稼働率は年間通して80%以上となっている。
全体総括
ぶどうの丘は、宿泊施設を有するワインを中心とした複合観光施設である。甲州市や山梨県の観光情報を提供するとともに、当施設を訪問した観光客が周辺施設へ来訪する等、地域経済への波及効果も大きなものとなっている。施設開設から46年が経過し、複数の施設が老朽する等、維持管理には大きなコストが必要とされ課題もあるが、今後も時代の状況を的確に判断するなか経営の維持と発展に努めていくことが必要である。