収益等の状況について
①収益的収支比率、⑥売上高GOP比率の数値から、施設の収益性が昨年よりも改善している。昨年度と比較し、利用者増加により利用料金収入が増加したため、上記指標の数値が改善したと考えられる。また、②の他会計補助金比率については、一般会計からの繰入金等への依存度が高いが、繰入金の大部分は地方債償還金であり、償還が終了する令和9年度からは数値の改善が見込まれる。③④⑬については、現在、宿泊業務を休止しているため、当該数値は0である。⑤売上高人件費比率については、類似施設平均と比較して大幅に低く、人件費の倹約に努めている。
資産等の状況について
平成28年度に大規模改修を行った結果、⑫企業債残高対料金収入比率が高くなっている。令和3年度の当該数値については、臨時休館日を除き年中無休で営業をしていたため、前年と比較して改善されている。なお、大規模改修では、機械設備の更新を行ったため、⑩設備投資見込額について、今後10年間は大規模な設備投資を見込んでいない。今後は、将来の償還財源の確保等の経営改善に向けた取り組みを実施していく必要がある。
利用の状況について
⑬施設と周辺地域の宿泊客数動向について、コロナ禍に伴う行動制限が緩和されてきたことを受け、徐々に増加傾向が見られる。新型コロナウイルス感染症を含めた今後の動向を注意深く見守り、地域全体での宿泊需要の厳しさを踏まえ、状況によっては施設のあり方を検討する必要がある。なお、日帰り入浴客の集客も課題であり、市と指定管理者が一層協力して取り組んでいく必要がある。
全体総括
現状では施設の収益性は昨年度より改善されているものの、類似施設の平均値と比較すると依然として低いため、市と指定管理者が協力して利用客数増加や自主事業の発展等による収入増加の取組みにより、経営改善を進める必要がある。施設の維持・継続及び安定経営を図るため、一般会計からの繰り入れを行っていくこととするが、経費の適正化を進めること等により、繰入金の抑制に努める。現在、指定管理者制度を導入しており、今後も民間活力の活用を基本としていく予定だが、現状の事業規模や採算性を踏まえて、事業の存続、用途変更・廃止、民間企業への譲渡・貸与などの施設のあり方について検討をしていく必要がある。