収益等の状況について
一般会計からの繰り入れにより収益的収支比率では黒字経営を保っているが、新型コロナウイルスの影響により売り上げは昨年度に引き続いて激減している。施設の客数については全体的には昨年度と同等、もしくは減少傾向であるが、利用単価の高い宿泊利用者がやや増加したことで収入は若干で増加した。しかし、コロナが蔓延する度に宿泊、宴会などの予約はキャンセルとなるため、施設でも試行錯誤を重ね売上増を目指しているが、コロナが収束するまでは利用料収入の大幅な増加を見込むことができない。よって、コロナ禍において売上高人件費率の割合は100%を切ることなく、また売上高GOP比率、EBITDAとも悪化も解消できていない状況である。燃料、光熱費も増加傾向にある中で、売り上げを伸ばすためには人件費を抑え、入浴料や宿泊料等の利用料金の見直しが必要と考えるが、料金を上げると集客を図ることが難しくなるため大きな課題となっている。
資産等の状況について
現段階では資産の数値的な分析はできていないが、R1年に木質バイオマスボイラを導入し借り入れを行ったため、今年度より元金の償還が始まった。施設も建設より25年が経過するため、毎年設備等の修繕も行い施設を維持・管理しているが、今後は大規模な改修も必要となってきていることから計画的な実施が重要となる。
利用の状況について
施設では、公衆浴場、食事、宿泊、宴会などサービスを展開しているが、新型コロナ以降すべての営業で利用者数が激減した。特に稼働率が低迷している宿泊については、テレワークが可能となるよう館内にFreeWi-Fiを導入するなどして施設の利用環境の改善を図ったが集客増につながることもなく、またコロナ禍における宴会についても人数が集まる宴会は利用者側も施設側も避けていたことから、減収が解消されることはなかった。地域住民の福利厚生の場として利用されている施設であることから、今後も地域住民が積極的に利用するサービスを提供していく一方で、売り上げの増加が見込めないサービスは営業形態を変更するなど検討が必要とされる。
全体総括
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、宿泊・宴会のキャンセルが相次ぐ中で営業形態や営業時間を変更しながら経営を継続してきた。しかし、コロナ前と比較すると「回復」にはほど遠い売り上げであることから多額の一般会計を繰り入れている状況である。人件費、賄費、光熱費など、削減出来るものはできる限り削減したが、雇用を確保しつつ施設の経営を継続させる難しさに直面している。施設は村民の福利厚生の場としても利用しているため、当面は直営で運営をしていくが、状況が続くのであれば譲渡や指定管理での経営も視野に入れ、方針を検討していく。