経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】料金収入は減少したものの、他会計繰入金が増加したことにより総収益は7.02%増加しました。一方で総費用は7.89%、地方債償還金も11.14%増加しており、収益より費用の増加幅が大きかったことから平成28年度比で悪化しました。【企業債残高対事業規模比率】現在も施設の機能強化対策事業に係る下水道債や資本費平準化債を発行しているものの、施設建設時に発行した企業債の償還が進み、全体で企業債残高が減少したため、本比率は改善しました。【経費回収率】料金収入が減少し、更に汚水処理費が増加したため、当該比率は悪化しました。今後も、接続率の向上や更なる汚水処理に係る経費の削減等に努めます。【汚水処理原価】年間有収水量の減少及び汚水処理費の増加により、平成28年度比で悪化しました。汚泥減容化や下水道事業との接続(汚水連携)による処理場の統廃合等により、汚水処理に係る経費の節減に一層努めます。【施設利用率】晴天時一日平均処理水量が増加したため、施設利用率は上昇しました。なお、平成29年度の日最大処理水量処理時の施設利用率は96.50%です。【水洗化率】生活排水処理推進員による接続率向上のための戸別訪問等により新規接続があり、また、現在排水処理区域人口の減少により、水洗化率は上昇しています。
老朽化の状況について
農業集落排水事業は整備が完了しており、最も早く供用開始した施設は、平成29年度末で35年が経過しました。各施設の安定的な機能維持を図るため、経年劣化の対応策として計画的に機能強化工事を行い施設全体の長寿命化を進め、また、汚水処理の効率化を図るため農業集落排水施設と下水道施設を接続する汚水連携事業を進めます。
全体総括
農業集落排水事業の経営は、処理区域内の人口減少の影響により料金収入の確保が困難な中、老朽化した施設を抱え適切な維持管理及び施設の長寿命化対策を進めなければならず、今後も厳しい状況が見込まれます。引き続き、集落排水管理組合と連携した啓発により接続率を向上させ、料金収入を確保するとともに、下水道施設との接続による処理場の統廃合を行うなど施設の維持管理費のより一層の削減に努めます。さらに、経営成績や財政状態などの経営状況をより的確に把握するため、平成32年4月に地方公営企業法の一部適用を行う予定です。※新元号が未定であるため、改元が予定されている日以降の年についても「平成」により表記しています。