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人口の減少(前年同期-298人1.6%減)と併せ、農林水産業以外に中心産業がないことから財政基盤が弱く、類似団体平均から0.09ポイント下回っている。基準財政需要額は、27年度までの過去3年間で139,104千円増(平成27年度の2.4%相当)。基準財政収入額は、同じく129,392千円増(平成27年度の9.3%相当)となっており、基準財政収入額の伸びが財政力指数を0.02ポイント上昇させた要因となっている。引き続き、自主財源の確保に努めながら、財政の健全化を図る。
前年度と比較して1.0ポイント増加し、類似団体平均とは5.5ポイントの開きとなった。歳入は臨時的収入が総額で2,481,738千円の減、経常的収入が122,020千円の増。歳出は臨時的支出が1,852,536千円の減、経常的支出が149,817千円の増となり、歳入歳出ともに臨時的収支が減少し、経常的収支が増加した。臨時的収支減少の主なものは、都道府県支出金(-1,135,301千円)、地方債(-1,031,800千円)、普通建設事業費(-1,983,329千円)、投資及び出資金・貸付金(-650,529千円)等である。経常的支出では、扶助費(92,149千円)及び補助費等(44,288千円)が増加しており、全体として経常的収支が増加し、財政の硬直化が進んだ形となった。
1人当たり決算額は前年度とほぼ同額となり、類似団体平均が増額となったことから、当該平均を下回った。人件費は、退職不補充等により職員数が293人から283人に減少したことに伴って、-5,474千円(0.3%)の減となった。物件費は、大野木工技能継承事業業務委託料の減などにより労働費分が-37,572千円(54.6%減)、漁場資源復旧のための稚ウニ購入費-9,303千円(皆減)などにより農林水産業費分が-75,527千円(54.3%減)となり、物件費全体で-47,353千円(3.0%)の減となった。人件費及び物件費でそれぞれ減少したが、減少幅が小さいことから、1人当たりの決算額としても微減に止まった。
前年度から0.9ポイント改善したが、類似団体との差は依然として3ポイントを超えている。給料表上の引上げ率の相違により0.1ポイント減となったものの、採用、退職に係る職員構成の変動や、給与制度の総合的見直し時期及び給料表の引下げ率の相違等により1.0ポイント増となったことが、全体として0.9ポイント増の要因となった。総人件費の削減に努める一方でラスパイレス指数の改善にも取り組む必要があり、両方のバランスを取りながら適正な定員管理を進める。
類似団体平均を若干上回っているが、ほぼ同ポイントで推移している。一般職員等における対前年度比は1人増(191人→192人)となり、人口千人当たり職員数が0.23ポイント増加した。今後も定員適正化計画を基本に退職不補充等に取り組みつつ、専門性の高い部門への専任職員の適性配置等、適正な定員管理を進める。
平成20年度~平成22年度における補償金免除繰上償還(100,822千円)等により、類似団体平均を下回る状況が続いたが、平成27年度では9.6%(前年度比0.1ポイント増)となり、類似団体の改善傾向を要因として比率の差異が0.5ポイントとなった。宿戸学区統合保育園新築事業及び種市給食センター整備に伴う償還開始や、中野小学校大規模改築事業及び久慈消防署種市分署整備事業による起債借入の負担が増す見込みであることから、プライマリーバランスの確保や実質公債費比率18%(起債許可団体)を超えないよう、予算の選択と集中を徹底し町債発行の平準化に努める。
類似団体より5.5ポイント高い指標となっており、前年度から14.3ポイント減少した。算式の分子では、地方債現在高の増、公営企業債等繰入見込額の減、基金現在高の増による充当可能財源の増により、分子全体で23.3ポイント減となった。分母では、標準財政規模が0.7ポイントの増、控除となる算入公債費が6.5ポイントの減となり、分母全体で2.4ポイントの増となった。基金規模の維持及び起債発行の平準化等に留意しながら、事業の選択と集中に努める必要がある。
類似団体平均と比較すると、経常収支比率の人件費分に係る比率の差異が増加した(0.8→1.3)。ラスパイレス指数は平均より低く、1千人あたりの職員数(10.78人)が類似団体より0.07人多いが、指数としては前年度比ほぼ横ばいとなったところ。定員適正化計画に基づき職員数の適正化に取り組むとともに、類似団体と比べ指数が上回り、差異が開いていることからも、公営企業の経営を含め人件費関係経費全体について、抑制に努める。
前年度より0.3ポイント減少し、類似団体平均を1.3ポイント上回っている。前年度比で改善された要因としては、大野木工技能継承事業業務委託料の減などにより労働費分が-37,572千円(54.6%減)、漁場資源復旧のための稚ウニ購入費-9,303千円(皆減)などにより農林水産業費分が-75,527千円(54.3%減)となり、物件費全体で-47,353千円(3.0%)の減となったものによる。今後、施設の老朽化に伴う物件費の増加が見込まれることから、施設の統廃合や臨時職員数の削減等による物件費の徹底した見直しを行い改善に努める。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っているが、前年度より0.3ポイントの微増となっている。重度心身障害者医療費等障害者に係る扶助費が40,535千円(7.9%)増、乳幼児医療費(町単独事業分)が12,712千円(567.9%)増などにより、扶助費全体で23,322千円(2.2%)の増となった。町民サービスに直結する経費であり上昇傾向にあるが、財政を過度に圧迫することのないように注視する。
その他に係る経常収支比率は前年度より0.4ポイント減少し、類似団体比0.8ポイントの差異となった。地域総合整備資金貸付金が-575,000千円(皆減)、財政調整基金積立金等の積立金が560,516千円(149.5%)の増、国保特別会計繰出金など繰出金合計で116,010千円(12.2%)の増などにより、その他の経費全体としては減少となった。特別会計においては独立採算の原則に立ち返り、一般会計に負担が生じる繰り入れに依存しないように努める。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度より0.6ポイント増加し、依然として類似団体平均を上回っている。特定教育・保育施設等給付費負担金172,616千円(皆増)、久慈広域連合に対する負担金45,244千円(8.4%)増などにより、補助費等全体で159,709千円(11.1%)の増となったことが、ポイント増加の要因である。今後とも、通常事業分については町単独補助金の整理合理化を図り、補助費等の抑制に努める。
公債費に係る経常収支比率は前年度比0.6ポイント増となり、類似団体平均を0.8ポイント上回った。臨時財政対策債が14,496千円(5.2%)増、合併特例債が8,953千円(3.5%)増、過疎対策事業債が7,931千円(38.8%)増などにより、公債費全体で58,815千円(4.4%)の増となったことが要因と考えられる。今後においてもプライマリーバランスの確保、実質公債費比率の動向を見極めながら、緊急性、必要性を検討し事業の取捨選択に努める。
公債費以外の経常収支比率は前年度比0.4ポイント増加し、類似団体と4.7ポイントの開きがある。物件費やその他の費目で減少しているものの、乳幼児医療費(町単独事業分)の増加等による扶助費の増(23,322千円、2.2%)、久慈広域連合負担金の増加等による補助費等の増(159,709千円、11.1%)が寄与し、ポイント増となった。経常経費であり簡単に削減することのできない費目ではあるが、町単独補助金の整理合理化を図るなどし、抑制に努める。
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