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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
財政力指数は、近年は上昇傾向にある。理由としては、個人所得の増に伴い個人県民税などが増となり、基準財政収入額が基準財政需要額よりも相対的に増加していることが挙げられる。平成19年度に県と市町村で岩手県地方税特別滞納整理機構を設立し、税の徴収強化に取り組み、その徴収実績は95%を超えており、引き続き県税収入の確保に取り組んでいく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
主に、過去の景気対策等のために発行した地方債の償還に係る公債費が多額となっていることにより、経常経費充当一般財源が類似団体平均を上回っている(平成30:96.2%)。入札による低利資金の確保や、公的資金の補償金免除繰上償還の制度の活用などに取り組んできたところであり、引き続き、公債費を適正に管理していく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に物件費及び維持補修費が多額となっていることが要因となっている。これは東日本大震災の復旧・復興事業への対応によるものであり、物件費及び維持補修費は震災前の平成22年度決算と比較して6,442百万円の増加となっている。一方で、厳しい財政状況に鑑み、平成30年度においては、職員給与を27百万円減額する特別調整を実施し、総人件費の抑制を行っており、今後も適切に対処していく方針である。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
人事委員会勧告に基づいて実施した平成27年度における給与構造改革の昇給抑制の回復措置や、平成28年度の給与制度の総合的見直しにおける給料表の水準調整等により、ラスパイレス指数は上昇傾向にあったが、当該総合的見直しに伴う現給保障が平成31年3月で終了したことによりラスパイレス指数は低下した。また、査定昇給制度の活用や適切な昇任管理の実施により、都道府県平均を下回っている。引き続き適正な給与水準の維持に努める。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
本県では、「集中改革プログラム(第1期アクションプラン改革編)」の期間(平成19~22)において、事務事業の見直しや業務プロセスの改善等により、公営企業を除く全体で1,419人を削減したところである。平成23年3月に発生した東日本大震災津波以降は、迅速な復旧・復興の実現に向けて、他の都道府県からの応援職員の受入や任期付職員等の採用を進めながら、全体としてはスリムで効率的な体制を維持してきたところであり、今後も、必要な職員数を確保しつつ、不要不急な業務の見直しを不断に行い、適正な定員管理に取り組んでいく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は類似団体平均を上回っているが、これは、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと等のほか、類似団体と比較して公営企業債の元利償還金に対する繰入金の割合が高いことが要因と考えられる。元利償還金の額のうち、比率低下の具体的な要因としては、公共事業等債や地方道路等整備事業債に係る県債償還額が減少したためである。公債費は、平成26年度をピークに低下しているものの引き続き高い水準で推移する見込であり、今後も、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、適正に管理していく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
過去の景気対策等のために発行した地方債の残高が標準財政規模に比して多額となっている。地方債の現在高は、将来負担額の約8割を占め、1,355,246百万円となっているが、平成25年度に策定した公債費負担適正化計画に基づき、県債発行を維持・抑制してきたことから、平成26年度と比べて125,119百万円減少しており、将来負担額は減少している。また、公営企業債等繰入見込額も類似団体と比較して高いが、これは、広大な県土面積を有する本県において、山間へき地など医療資源や公共交通機関に恵まれない地域を抱えるなど条件的に不利な事情に対応するため全国で最も多い県立病院等(20病院、6地域診療センター、2診療所)の運営を行っており、この病院の整備等の財源とした公営企業債に係る繰出金が多額に上っているためである。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
近年は、人事委員会勧告に基づく給与の増額改定(平成29:月例給0.14%、ボーナス0.05月、平成30:月例給0.17%、ボーナス0.10月)により上昇傾向にあるものの、平成19年から平成22年にかけて公営企業を除く全体で1,419人の職員数を削減したことに加え、平成17年度からの特別調整額(管理職手当)の特例減額等により、人件費の抑制に努めてきているため、都道府県平均や類似団体平均を下回っている。引き続き、適切な人件費の維持に努める。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常経費充当一般財源等については、対前年度比で0.2ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。平成24年度に、部局予算枠や一律削減方式を原則廃止し、全ての事務事業を一件ごとに精査する一件査定方式を導入するなど、今後も「いわて県民計画(2019~2028)」の「第1期アクションプラン-行政経営プラン-」に基づき徹底した歳出の見直しを図っていく。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は、生活保護扶助費の減等により、対前年度比は30百万円の減となったが、近年は概ね横ばいで推移している。経常収支に占める比率は、市町村合併の影響等により、平成18年度に大きく低下して以降、ほぼ同水準となっており、類似団体平均を下回っている。
その他
その他の分析欄
その他に係る経常収支比率は、本県特有の状況として、広大な県土面積を有し除雪箇所も多いため、除雪に係る経費が多額になっており、類似団体と比較して高い割合となっている。平成30年度決算においては、道路維持修繕等に係る維持補修費が増加したこと等により、対前年度比で1.8ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率については、各単独補助金等の見直しを行った結果、平成30年度は、国民健康保険事業安定化調整交付金等の減少により、対前年度比で1.5ポイント低下しているものの、経年の傾向として、介護給付費負担金を中心とする社会保障関係費の増加により、類似団体平均を上回っている。県単独補助金については、時代の変化、経費負担のあり方などの側面から、今後も「いわて県民計画(2019~2028)」の「第1期アクションプラン-行政経営プラン-」に基づき、所期の目的を達成したものや事業実施期間が到来したものの廃止など、必要性や有効性を勘案しながら見直しを行っていく。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率については、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと等から、高水準となっている。平成30年度決算では、公共事業等債や地方道路等整備事業債に係る県債償還額の減少及び借入利率の低下に伴う利払い額の減少により、対前年度比は8,306百万円の減となったものの、類似団体平均を上回っている。公債費は、平成26年度をピークに低下しているものの引き続き高い水準で推移する見込であり、今後も、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、適正に管理していく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に係る経常収支比率については、人件費等に係る経常収支比率の上昇により対前年度比で0.7ポイント上昇したが、類似団体平均を下回っている。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
主な構成項目である土木費は、住民一人当たり133,575円となっており、類似団体平均に比べて高くなっているが、平成30年度決算では、港湾、道路の整備事業等の減に伴い前年度比94億円の減少(5.3%)となっている。教育費は、住民一人当たり118,894円となっており、退職手当の増等により、類似団体平均に比べ高くなっている。公債費は、住民一人当たり89,947円となっており、類似団体平均に比べ高くなっている。これは、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと等が主な要因である。平成30年度決算では、公共事業等債や地方道路等整備事業債に係る県債償還額の減少及び借入利率の低下に伴う利払い額の減少により、前年度比82億円の減(-6.8%)となっている。公債費は平成26年度をピークに低下しているものの引き続き高い水準で推移する見込であり、今後も、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、適正に管理していく。一方、災害復旧費は、住民一人当たり64,399円となっており、東日本大震災津波及び平成28年台風10号災害からの復旧・復興事業により類似団体平均に比べて高くなっているが、河川災害復旧事業費の減等により前年度比18億円の減(-2.2%)となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり766,116円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり141,711円となっており、近年の人事委員会勧告に基づく給与の増額改定(平成29:月例給0.14%、ボーナス0.05月、平成30:月例給0.17%、ボーナス0.10月)によって上昇傾向にあり、類似団体平均を上回っているものの、平成19年から平成22年にかけて公営企業を除く全体で1,419人の職員数を削減したことに加え、平成17年度から特別調整額(管理職手当)の特例減額等による人件費の抑制に努めてきているため、類似団体平均との差は縮小傾向にある。引き続き、適切な人件費の維持に努める。補助費等は、住民一人当たり127,452円となっており、東日本大震災津波からの復旧・復興事業の実施により、類似団体平均を大きく上回っている。復旧・復興事業は着実に実施しつつ、各単独補助金等の見直しを行い、平成30年度の当初予算編成において、38事業について廃止・縮減を図るなど、今後も「いわて県民計画(2019~2028)」の「第1期アクションプラン-行政経営プラン-」に基づき、所期の目的を達成したものや事業実施期間が到来したものの廃止など、必要性や有効性を勘案しながら見直しを行っていく。また、主要構成項目の投資的経費(普通建設事業費及び災害復旧事業費)は、東日本大震災津波及び平成28年台風10号災害からの復旧・復興事業の実施により、類似団体平均を大きく上回っている。平成30年度においては、港湾、道路等の整備事業の減少に伴い普通建設事業費が4.3%減少となっている。今後も「いわて県民計画(2019~2028)」の「第1期アクションプラン-行政経営プラン-」に基づき、復興関係以外の投資的経費について、重点化により公共事業を効果的に進めるほか、公共事業以外の大規模施設整備については緊急性・必要性を考慮して進度調整を図るなど、適正な公債費負担となるよう新発債の発行規模に配慮して見直しを進めていく。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄財政調整基金残高増減の主因は、東日本大震災からの復旧・復興事業に係る財源調整によるものである。平成30年度は、震災対応等の財源調整として、財政調整基金から100億円を取崩した一方、平成29年度決算に伴う実質収支より122億円の積み立てを行ったことで、残高は前年度より21億円増加している。実質収支額については、主に東日本大震災関連の復旧・復興事業に係る地方負担分に対する精算予定の震災復興特別交付税の超過額が発生しているため実質収支額が大きくなっている。平成30年度は、平成29年度からの繰越財源額の減(前年度比-333億円)により前年度より減少している。実質単年度収支の比率については、東日本大震災の財源対策等による財政調整基金の取崩しと関連し、各年度において上昇・下降している。平成30年度は、実質収支額が減少したため、下降した。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄いずれの会計も実質赤字又は資金不足を生じていない。実質収支の標準財政規模に占める割合については、一般会計における実質収支額の減少や県立病院等事業会計における資金剰余額の減少等により、対前年度比で1.0ポイント下降している。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄実質公債費比率の分子については、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと等により、高水準となっている。平成30年度は、公共事業等債や地方道路等整備事業債に係る県債償還額の減少及び借入利率の低下に伴う利払い額の減少により、元利償還金が減少したため対前年度比で83億円の減となっている。公債費は、平成26年度をピークに低下しているものの引き続き高い水準で推移する見込であり、今後も、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、適正に管理していく。
分析欄:減債基金平成29年度末の減債基金残高は、減債基金積立相当額を上回っている。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄将来負担比率の分子のうち、将来負担額については、平成30年度において、地方債の発行額の抑制により地方債現在高が206億円減少したこと等により、対前年度比で339億円の減少となり、減少傾向を示している。また、充当可能財源は、平成30年度は基準財政需要額算入見込額が166億円減少したこと等により、対前年度比で147億円の減少となったが、将来負担比率の分子としては、対前年度比で191億円の減少となった。公債費は、平成26年度をピークに低下しているものの引き続き高い水準で推移する見込であり、今後も、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、適正に管理していく。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)平成29年度決算に伴う実質収支より財政調整基金に122億円積み立てた一方、財源対策のため100億円取り崩したこと、東日本大震災復興交付金基金から復興交付金事業に要する経費の財源に充てるため167億円取り崩したこと等により、基金全体としては177億円減となった。(今後の方針)復興交付金事業に要する経費の財源に充てるため東日本大震災復興交付金基金からの取り崩しを予定していることなどから、基金全体として減少していく見込み。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)東日本大震災津波や平成28年台風10号災害からの復旧・復興事業や社会保障関係経費の増等により生じた財源不足のため100億円取り崩した一方、平成29年度決算に伴う実質収支より122億円積み立てたことにより、21億円の増となった。(今後の方針)近年は減少傾向にあるが、大規模な災害や、将来の税収の変動、社会保障等に要する経費の増嵩等に対応するため、一定程度の基金残高を確保していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)決算剰余金を積み立てたことにより、12億円増となった。(今後の方針)東日本大震災対応事業をはじめとする地方債の償還計画を踏まえ積立予定。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・東日本大震災復興交付金基金:県又は市町村が実施する東日本大震災復興特別区域法(平成23年法律第122号)第78条第1項に規定する復興交付金事業等に要する経費の財源に充てるため。・緊急雇用創出事業臨時特例基金:雇用及び就業の機会を緊急かつ臨時的に創出すること等により失業者等の生活の安定を図るための緊急雇用創出事業に要する経費の財源に充てるため。(増減理由)・東日本大震災復興交付金基金:66億円積み立てた一方、復興交付金事業に要する経費の財源に充てるため167億円取り崩したことにより、基金全体としては101億円減となった。・地域医療再生等臨時特例基金:地域における医療の確保等の促進を図るための事業に要する経費の財源に充てるための取り崩しにより、42億円減となった。(今後の方針)・東日本大震災復興交付金基金:令和元年度は、30億円積み立てる一方で141億円取り崩しを予定しているため、基金全体としては110億円減となり、令和2年度以降も事業の進捗に伴い減少していく見込みである。・地域医療再生等臨時特例基金:令和元年度は、取り崩しにより15億円減となる見込みである。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
道路、公営住宅、港湾・漁港等の有形固定資産減価償却率が減少したことにより、全体としても率が減少しており、グループ内平均、都道府県平均よりも下回っている。今後は、平成27年度に策定した、岩手県公共施設等総合管理計画やその他の計画に基づき「コスト縮減・財政負担の平準化」、「施設規模・配置・機能等の適正化」に取り組んでいく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
将来負担額は減少傾向にあるものの、過去の景気対策等のために発行した地方債の残高が類似団体と比較して多額のため、債務償還比率も類似団体と比べると高くなっている。これまで公債費負担適正化計画に基づき、県債の発行額を維持・抑制するとともに、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図ってきたが、引き続き、県債の発行規模等に留意しながら、公債費負担の軽減に努めていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
地方債現在高が減少してきたことにより、将来負担比率が低下傾向にある。有形固定資産減価償却率は類似団体と比べてやや低い水準にある。主な要因としては、公営住宅や港湾・漁港について、東日本大震災津波以降に整備、取得した財産があることなどが挙げられる。今後は、平成27年度に策定した「岩手県公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的な維持管理と長寿命化を推進し、公共施設等の維持管理や修繕、更新等に要する中長期的なコストの縮減を図ることにより、財政負担の平準化に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は類似団体と比較して高い水準にあるが、H30はH29より低下している。実質公債費比率低下の主な要因は、過去に借り入れた県債の償還額がピーク時より減少しているためである。将来負担比率についても類似団体と比較して高い水準にあるが、低下傾向にある。将来負担額のうち地方債現在高が減少したことや病院事業債の減少により公営企業債等繰入見込額が減少したことが挙げられる。将来負担比率が低下傾向にあるため、実質公債費比率についても今後低下していくものと想定されるが、引き続き、県債の発行規模等に留意しながら、公債費負担の軽減に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、特に「道路」の有形固定資産減価償却率が高くなっている。耐用年数を経過している財産が多くあり、全体として老朽化が進んでいるところであるが、平成30年度の新規取得等により有形固定資産減価償却率は、4.0%減少した。今後も、「岩手県道路事業実施計画」により道路整備を進めるほか、個別施設計画に基づき、適切な維持管理に取り組んでいくこととしている。「公営住宅」については、東日本大震災津波以降に整備、取得した財産があるため、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して低くなっている。ただし、災害公営住宅以外は、今後、一斉に更新時期を迎えるため、「岩手県公営住宅等長寿命化計画」に基づき、総合的なストックマネジメントの実施による将来の事業量の平準化に取り組んでいくこととしている。また、「港湾・漁港」についても、東日本大震災津波の影響により、有形固定資産減価償却率が30%代と低くなっているが、平成30年度には、被災した水産基盤施設の復旧が概ね完了したところであり、引続き漁港別の機能保全計画に基づき、適時適切な補修・更新などに取り組んでいくこととしている。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、陸上競技場・野球場・球技場、保健所、庁舎の有形固定資産減価償却率が高くなっている。野球場については、昭和45年に整備し、2度の大規模改修を行ったが、老朽化が進んでいることから、県、盛岡市共同事業として「盛岡南公園野球場(仮称)整備基本構想」を取りまとめ、新たな野球場の令和5年度の供用開始を予定しているところである。また、県庁舎や地区合同庁舎については、昭和30年代から50年代に竣工したものが多く、老朽化が進んでいる。施設の維持管理については、岩手県公共施設等総合管理計画に基づき「コスト縮減・財政負担の平準化」、「施設規模・配置・機能等の適正化」に取り組むことが必要となる。なお、令和2年度までに、施設の所管部局ごとに個別施設計画を策定予定であり、計画に基づき老朽化対策に取り組んでいくこととしている。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等において、資産は、前年度末と比較して、619億円増加(+2.7%)している。この要因は、有形固定資産のうちインフラ資産が大幅に増加しているなど、東日本大震災津波からの復旧・復興事業等の進捗に伴い資産の整備が進んだことによるものである。資産のうち有形固定資産の割合が81.1%となっているが、公共施設等の維持管理や更新等については、平成28年3月に策定した「岩手県公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的な更新や長寿命化により、財政負担の軽減・平準化を図るなど長期的な視点に立った公共施設等マネジメントの取組を推進していく。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は5,624億円となり、前年度比207億円の減少(△3.6%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は3,070億円、補助金等の移転費用は2,554億円となっている。経常費用に占める補助金等の割合が類似団体と比較して高いが、これは、直轄道路事業負担金等、東日本大震災津波からの復旧・復興事業に要する経費が計上されているほか、全国で最も多い県立病院等(20病院、6地域診療センター、2診療所)の運営に対する県負担金が計上されているためであると考えられる。また、臨時損失のうち災害復旧事業費が類似団体と比較して多額となっているが、これは東日本大震災津波及び平成28年台風10号災害に係る災害復旧事業費が計上されているためであると考えられる。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(6,730億円)が純行政コスト(5,721億円)を上回ったことから、本年度差額は1,009億円となり、純資産残高は919億円の増加となった。これは、国の補助金を受けて東日本大震災津波からの復旧・復興事業を進めているため、財源に当該補助金の額が計上される一方、当該施設取得による行政コストの計上は減価償却により徐々になされることが、要因として考えられる。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は495億円となった。また、投資活動収支は421億円と、類似団体の中では比較的マイナスが大きくなっている。これは、東日本大震災津波に係る復旧・復興事業を実施したことが要因である。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから▲206億円となったが、これは、本県が平成25年9月に策定した「公債費負担適正化計画」に基づき、県債の発行額を抑制してきたことによるものである。本年度末資金残高は前年度から131億円減少し748億円となっており、引き続き歳入確保の強化と歳出の重点化に取り組んでいく必要がある。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体平均を若干上回っているが、これは、東日本大震災津波に係る復旧・復興事業による施設整備を実施したためと考えられる。また、歳入額対資産比率が類似団体平均を下回っているが、これは、東日本大震災津波からの復旧・復興事業に係る国からの補助金等が歳入総額に含まれていることから、資産に比して歳入総額が大きくなっているためと考えられる。有形固定資産減価償却率は類似団体平均を若干下回っているが、「岩手県公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的な更新や長寿命化により、財政負担の軽減平準化を図るなど長期的な視点に立った公共施設等マネジメントの取組を推進していく。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を下回っており、一方で将来世代負担比率は類似団体を上回っている。負債のうち地方債の金額が比較的大きいことが要因であると考えられるが、これは、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたことによるものである。本県は、平成25年9月に「公債費負担適正化計画」を策定し、県債の発行額を抑制してきたほか、歳出の見直しや歳入の確保に取り組んでおり、県債残高は近年減少傾向にあるが、今後も公債費負担の適正な管理に努めていく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っている。これは、経常費用のうち補助金等に、直轄道路事業費負担金等、東日本大震災津波からの復旧・復興事業に要する経費が計上されているほか、全国で最も多い県立病院等(20病院、6地域診療センター、2診療所)の運営に対する県負担金が計上されているためであると考えられる。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均を上回っている。本県は、平成25年9月に「公債費負担適正化計画」を策定し、県債の発行額を抑制してきたほか、歳出の見直しや歳入の確保に取り組んでおり、県債残高は近年減少傾向にあるが、今後も公債費負担の適正な管理に努めていく。また、基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金積立金支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、25億円となっている。類似団体平均を下回っている要因は、東日本大震災津波からの復旧・復興事業を実施するための復興交付金基金等の取崩収入及び積立金支出を投資活動収支から除いているためと考えられる。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っている。これは、経常費用のうち補助金等に、直轄道路事業費負担金等、東日本大震災津波からの復旧・復興事業に要する経費が計上されているほか、全国で最も多い県立病院等(20病院、6地域診療センター、2診療所)の運営に対する県負担金が計上されているためであると考えられる。受益と負担の適正化の観点から、毎年度、使用料及び手数料の改定検討基準による点検を実施しており、継続して取り組んでいく。
類似団体【D】
青森県
岩手県
秋田県
山形県
和歌山県
徳島県
佐賀県
長崎県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県