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財政力指数については、企業業績の回復に伴う法人関係税の増や復興需要に伴う軽油引取税の増により、基準財政収入額が基準財政需要額よりも相対的に増加したため、単年度の指数としては前年度よりも改善したが、比較的高かった平成21年度の指数(0.31427)が算定から抜けたことにより、3カ年平均では前年度より低下した。
経常的経費充当一般財源については、人件費が共済組合負担金の減などにより減少したものの、社会保障関係経費の増に伴い補助費等が増加したことや公債費が増加したため全体で6,464百万円の増加となった。一方、経常一般財源については、臨時財政対策債及び減収補てん債が減少となったものの、復興需要等に伴う地方税の増加により、全体で2,267百万円の増加となった。その結果、経常収支比率は1.1ポイント上昇し、類似団体平均より悪化した。
人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っている。これは、東日本大震災の復旧・復興事業への対応のため、物件費及び維持補修費が多額となっていることによる。なお、震災が発生した平成23との比較では反動減となった。
国が平成24年度から実施していた国家公務員の給与削減措置の影響により、ラスパイレス指数が106.5となったものであるが、前年度と比較すると、職員構成の変動等により0.6ポイント減少している。なお、国家公務員の給与削減措置がないものとした場合における本県のラスパイレス指数は98.5となり、本来の給与水準では、国を大きく下回っていたものである。
本県においては、「集中改革プログラム(第1期アクションプラン改革編)」の期間(平成19~22)において、公営企業を除く全体で1,290人の職員数削減目標を設定し、事務事業の見直しや業務プロセスの改善等により、目標を上回る1,419人を純減したところである。平成23年度以降は、東日本大震災津波からの迅速な復旧・復興の実現に向け、不要不急な業務の見直しや他の都道府県等からの応援職員の受入を進めてきたところであり、今後も、復興の本格推進に向け、必要な職員数を確保し、適正かつ合理的な定員管理に取り組むこととしている。
実質公債費比率は類似団体平均を上回っているが、これは、①国の経済対策に呼応して公共事業を実施し、多額の建設地方債を発行してきたこと、②地方財政対策において生ずる地方財源不足に対応するため財源対策債を継続的に発行してきたこと、③本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと、④公営企業債の元利償還金に対する繰入金の割合が他団体と比較して高いことが要因として考えられる。今後は、公債費負担適正化計画に基づき、県債発行額を維持・抑制し、低利資金の活用や資金調達方法の多様化に努めていく。
将来負担比率については、年々低下傾向にあるものの、類似団体平均を上回っている。これは、将来負担額の大部分を占める地方債現在高が多額になっていることに加え公営企業債等繰入見込額の割合が他団体と比較して高いことが要因と考えられる。
物件費に係る経常経費充当一般財源等については前年度比増となったが、引き続き類似団体平均を下回っている。今後は、「いわて県民計画」の「第2期アクションプラン(改革編)」や公債費負担適正化計画に基づき徹底した歳出の見直しを図っていく。
その他に係る経常収支比率については、道路・橋りょう維持修繕に係る維持補修費が減少したことなどにより前年度比で0.1ポイント低下したものの、類似団体平均を上回っている。
補助費等に係る経常収支比率については、国民健康保険都道府県財政調整交付金や介護給付費負担金など社会保障関係経費の増加により、前年度比で1.2ポイント増加しており、類似団体平均を上回っている。今後は、「いわて県民計画」の「第2期アクションプラン(改革編)」や公債費負担適正化計画に基づき、継足し補助金や各種負担金の原則廃止、零細補助金などの見直しに努めていく。
公債費に係る経常収支比率については、国の経済対策に呼応して建設地方債・財源対策債を多額に発行してきたこと、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んできたこと、臨時財政対策の元利償還金が増加傾向にあることから、上昇している。今後は公債費負担適正化計画に基づき、県債の発行額を、当面、平成25年度発行規模を維持・抑制するとともに、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図り、公債費負担の軽減に努めていく。