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地方財政ダッシュボード

島根県邑南町の財政状況(2022年度)

🏠邑南町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(2023年3月末46.9%)に加え、町内に中心となる産業が少ないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。公共施設等総合管理計画に基づく施設の統合・廃止や組織の見直し等により、邑南町行財政改善計画を着実に実行し、現在行っている新発債の制限の継続による公債費の減少に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化を進めることによって、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

町村合併まで福祉施設の運営を直営で行っていたため、近隣自治体と比較して職員数が多い状態にあったが、施設の民間譲渡等を行い職員数の削減を行ってきた。近年は比率が減少傾向にあったが、令和4年度は公債費の増加や普通交付税、臨時財政対策債の減少などにより1.1ポイント上昇し、依然として高い比率となっている。現在行っている地方債の発行抑制を継続するとともに、予算編成方針に邑南町行財政改善計画の確実な実行を掲げ、経常収支比率の改善に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体と比較して1人当たりの人件費及び物件費が高くなっている。人口は減少傾向にあるが、面積は広大で居住地が分散しているため窓口業務等行政サービスの集約化が難しく、職員の削減、施設の統合等による維持管理経費の削減が行えていないことが一因である。その他、共同処理を行う事務組合に対する負担金や福祉施設への委託料・補助金等の割合が大きい。今後、公共施設等総合管理計画に基づいた施設の統合・廃止や行財政改善計画に基づく維持管理経費の削減を目指し、限られた財源で、効率的かつ適正な行政サービスの提供に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成28年度から実施している給与の総合的見直しによる現給保障や、高齢層職員の退職及び30代から40代の職員採用により、人員構造が平準化されたことで下降傾向が続いていたが、人事異動に伴う職種間の変動や経験年数階層区分間の変動により令和4年度は増加している。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

面積が広いうえ、人口が集中している地域が分散していることに加え、高齢化率が46.9%(2023年3月末)と全国平均に比べ非常に高く、公共交通機関の少ない本町の現状では、支所等の行政サービスを集約化することによる職員数の削減は難しい。また、道路改良や農業、保健福祉事業における個別訪問など、面積に応じた人員配置が必要な事業が多いため、人口に対する職員数が多くなっている。今後は、ICTの活用等による行政サービスの効率化を図るとともに、行財政改善計画に基づき、事務事業の整理縮小、組織・機構の見直しや職員育成を行い、行政のスリム化を図る。

実質公債費比率の分析欄

3年平均の令和4比率は前年度に比べ0.9ポイント低下しているが、単年度比率では平成30~令和1実施の小中学校空調整備事業に伴う元金償還開始や普通交付税の減少などにより0.6ポイント上昇している。今後は人口減少等による普通交付税の減額に加え、令和3完了のごみ処理施設整備のほか、現在実施中の公立病院改築、石見中学校改築、道の駅整備の大型建設事業により、その影響が懸念される。引き続き、新発債の抑制のほか、耐用年数に応じた償還期間での借入れや繰上償還により、数値の改善に努める。

将来負担比率の分析欄

合併に伴う普通建設事業に係る起債の償還は進んだものの、類似団体と比較して高い値となっている。普通建設事業に係る起債額の抑制により起債残高が減少傾向にあったが、石見中学校改築や研修施設整備により令和4残高は増加している。今後は人口減少による普通交付税の減額に加え、現在、公立病院改築(~令和7)、石見中学校改築(~令和6)、道の駅整備(~令和6)等の大型建設事業を実施中であることから将来負担比率の上昇が懸念される。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

民間でも実施可能な部分については、指定管理者制度の導入などを進め、経常収支比率における人件費比率を抑えていたが、普通交付税の縮減や令和2からの会計年度任用職員制度の導入により、近年は上昇傾向にある。今後は、行財政改善計画及び行財政改善実施計画に基づき、事務事業の整理縮小や組織・機構の見直しを行うとともに職員育成を行い、行政のスリム化を図る。

物件費の分析欄

町内福祉施設を指定管理により運営し、多くの職員を派遣していたために類似団体と比較して住民1人あたりのコストが高い値となっていたが、平成29年度末に派遣制度を終了し、派遣先福祉施設をすべて民間委譲した。令和2の減少は会計年度任用職員制度の導入による物件費から人件費への性質変更の影響が大きいが、令和2以降は同水準で推移している。今後も引き続き、公共施設等総合管理計画に基づく施設の統合・廃止や行財政改善計画に基づく民間委託等の推進により維持管理経費の削減を目指し、効率的な行政サービスの提供に努める。

扶助費の分析欄

高齢化が進んでいる事に加えて、福祉事務所を設置していることや、本町の独自施策である『日本一の子育て村』推進の一環で、子育て環境充実のため医療費等の助成を行っていることから人口1人あたりの歳出額は類似団体より大きくなっている。今後は、独自施策の検証を進め、より合理的な助成を行うことによって、財政を圧迫する傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

数値が類似団体平均を上回っているのは、多額の繰出金の支出が主な要因である。特に下水道事業については、これまで整備してきた施設の維持管理費として繰出金が必要となっている。今後、下水道事業は計画的かつ適切な投資を行い、経営の一層の効率化、健全化を図るとともに、独立採算の原則に基づく経営の確立に努める。また、令和6からの公営企業法適化に向けて現在準備を進めている。

補助費等の分析欄

一部事務組合等への負担金が多額であるほか、学校給食会にかかる経費を補助金としていることにより、類似団体と比較して高い値となっていたが、令和4は令和3完了のごみ処理施設整備事業に伴う邑智郡総合事務組合負担金の大幅減により比率が減少している。補助金については、毎年新年度予算編成時に、ゼロベースでの見直しを実施するとともに、行財政改善計画に基づく補助金等の整理合理化を進めており、今後も積極的な見直しを行う。

公債費の分析欄

合併に伴う建設事業に係る起債の償還終了や新発債の抑制の効果により、公債費は減少傾向にあったが、平成30~令和1実施の小中学校空調整備事業などの元金償還開始により増加している。引き続き、新発債の制限をかけることで償還額の減少を図る。一方で、普通交付税等の減額に加え、令和3完了のごみ処理施設整備や現在実施中の公立病院改築、石見中学校改築、道の駅整備の大型建設事業により、今後は公債費に係る経常収支比率が上昇する見込みである。

公債費以外の分析欄

公債費以外では、類似団体に比べて人件費が0.9ポイント、扶助費が0.8ポイント高くなっているが、物件費の5.3ポイント減などにより、全体比較では類似団体70.7%に対し、本町は70.5%で類似団体平均を若干下回っている。今後も厳しい財政状況は続くものと考えられるため、引き続き普通建設事業の起債額の制限や経常経費の削減、事業会計等の普通会計以外における財政の効率化を進め、経常収支比率の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、決算額全体の内訳で一番割合が大きく住民一人あたり312,852円、前年度比+27.1%となっており大きく増加しているが、これは道の駅整備事業、研修施設整備事業の実施が主な要因である。民生費は、住民一人あたり257,500円、前年度比-5.9%となっており減少しているが、これは住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や子育て世帯生活支援特別給付金に係る事業費の減が大きな要因である。また、類似団体と比較して高い水準にあり高止まりの傾向にある。これは平成23年度から本町が推進してきた「日本一の子育て村」施策の一環で、子育て環境充実を図るため、他の経費を見直し子育て世帯への助成や子育て施設への支援を重点的に取り組んできたことによるものである。また、福祉事務所を設置していることや、町内に多くの福祉施設を有しており、その施設の管理者への委託料等も高い水準となっている要因のひとつとなっている。教育費は、住民一人あたり167,614円、前年度比+56.1%となっており大きく増加しているが、これは石見中学校改築事業や小中学校トイレ洋式化事業などの実施が大きな要因である。衛生費は、住民一人あたり148,917円、前年度比-34.9%で、大きく減少しているものの類似団体と比較して高い水準にある。これは、公営事業特別会計である下水道事業に係る繰出金や上水道事業への補助費、一部事務組合等の公立邑智病院への繰出金、邑智郡総合事務組合(ごみ処理)の負担金等が大きな割合を占めている。令和4年度の減額の主な要因は、平成29年度から実施されていたごみ処理場整備が令和3年度で完了したことにより、邑智郡総合事務組合(ごみ処理)の負担金が大きく減少したためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり1,392,716円、前年度比+4.5%となっている。最も高額な項目である補助費等については、住民一人当たり260,428円となっており、類似団体と比較して高い水準にある。これは、一部事務組合への負担金が多額であるほか、学校給食会にかかる経費を補助金にしていることが要因の一つである。令和3年度は新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金の皆減などにより減少し、令和4年度もごみ処理施設整備の令和3年度完了に伴う一部事務組合負担金の減により減少しているものの依然として高い水準になっている。続いて高額な項目である普通建設事業費は、住民一人当たり253,197円、前年度比+108.5%で石見中学校改築や道の駅整備事業など大型事業の実施によるものである。人件費は、住民一人当たり181,432円、前年度比+4.3%で類似団体内で最も高い値である。これは、町内12公民館、2支所に職員をそれぞれ配置し、地域振興や地域密着型業務など、地域毎の専門的な仕事に従事していることにより、職員削減を行えていないことが主な要因である。なお、令和2年度からは会計年度任用職員制度の導入に伴い物件費から人件費への性質変更により増加している。公債費については、住民一人当たり153,673円、前年度比-2.4%で減少傾向にあるが、依然として類似団体と比較して高い水準にある。一方で令和3年度完了のごみ処理施設整備や現在実施中の公立病院改築、石見中学校改築、道の駅整備等の大型建設事業により、今後の公債費の増加が懸念されるため、耐用年数を踏まえた適切な償還期間を設定し公債費負担の平準化を図ることとしている。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

適切な財源の確保と歳出の精査により、実質収支額は継続的に黒字を確保している。令和4年度の実質単年度収支は、前年度決算剰余金や追加交付された普通交付税を財政調整基金に積立てた一方、取り崩しを行わなかったため黒字となっている。財政調整基金残高は、決算剰余金等の積立てに伴い増加し、標準財政規模比は2.77ポイント増の9.78%となっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

現在のところ、連結実質赤字の発生はない。税率や利用料金改定の見直しを継続的に行い、一層の健全化を目指していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金は新発債の抑制や合併前後の大型建設事業の償還終了に伴い、近年減少していたが、令和4年度は平成30年度~令和元年度実施の小中学校空調整備事業などの元金償還開始により増加している。今後は令和3年度で完了したごみ処理施設整備(事務組合事業)や、現在実施中の公立病院改築、石見中学校改築、道の駅整備等の大型建設事業により、元利償還金の増加が懸念される。引き続き新発債の発行制限や事業精査を行うとともに、耐用年数を踏まえた適切な償還年限の設定や繰上償還を行い実質公債費比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

平成21年度以降、地方債の新規借入の抑制を行ってきたことや合併前後の大型建設事業の償還終了により、起債残高が減少傾向にあったが、令和元年度・2年度の防災行政無線更新事業や令和3年度で完了したごみ処理施設整備事業などにより残高が増加しており、公債費負担の抑制のため、令和2年度、3年度は繰上償還を行っている。また、現在実施中の公立病院改築、石見中学校改築、道の駅整備等の大型建設事業により、今後起債残高が増える見込みである。起債の抑制や他の事業の縮小・見直し、減債基金の計画的な積立、取り崩し、繰上償還などを行うことで将来負担額の減少に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和4年度の基金残高は、普通会計で53億7千4百万円となっており、前年度から1億1百万円の増加となっている。これは、減債基金残高が2千5百万円減少し、その他特定目的金が事業実施に伴う取崩しにより6千2百万円減少したものの、前年度決算剰余金や普通交付税の追加交付分を財政調整基金などに積み立てたことにより、財政調整基金残高が1億8千6百万円増加したこと等が主な要因である。(今後の方針)今後積み立てる基金については、基金の使途の明確化を図るために、個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。また、現在実施中の邑智病院改築や石見中学校改築、道の駅整備事業などにより財政負担が増えるため、その他特定目的基金の有効活用を図っていく。財政調整基金については、災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ5~6億円程度を目途に積み立てることとしているが、今後の公共施設の除却費用の確保や様々な財政需要に対応するため、更なる積立額確保に努める。減債基金については、新発債の普通建設事業への充当額を上限5億円としており、止むを得ず上限を超える場合は、必要な償還額を減債基金に積み立て今後の償還に備える。

財政調整基金

(増減理由)令和4年度の基金残高は、6億8千9百万円となっており、前年度から1億8千6百万円の増加となっている。これは、前年度決算剰余金や追加交付された普通交付税の一部を財政調整基金に積み立てたことや、適切な財源の確保と歳出の精査に努めたことにより財政調整基金の取り崩しを行わない財政運営を行ったことが主な要因である。(今後の方針)邑南町行財政改善計画や公共施設等総合管理計画に基づいた施設の統合・廃止の取組みを着実に進め、残高を確保していく。災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ5~6億円程度を目途に積み立てることとしているが、今後の公共施設の除却費用の確保や様々な財政需要に対応するため、更なる積み立て額確保に努める。

減債基金

(増減理由)令和4年度の基金残高は、20億6千5百万円となっており、前年度から2千5百万円の減額となっている。これは、令和3年度は決算剰余金のうちの大部分を減債基金に積み立てたが、令和4年度は決算剰余金のうち大部分を財政調整基金に積み立て、一部を減債基金に積み立てたことにより、取り崩し額が積み立て額を上回ったことが主な要因である。(今後の方針)現在、新発債については普通建設事業への充当額を5億円以内と設定し制限をかけており、今後もこの方針を継続し起債抑制を図っていく。一方で、止むを得ず上限を超える新発債については、将来の負担に備え必要な償還額を積み立てる。

その他特定目的基金

(基金の使途)「地域振興基金」/邑南町の一体感の醸成、自治振興組織の育成、地域住民の連帯の強化に資する事業の推進のため「三江線跡地活用基金」/三江線の鉄道跡地の活用等に要する経費「日本一の子育て村推進基金」/日本一の子育て村構想の推進のため「ふるさと基金」/(1)「子育て日本一」を目指して、子育て環境の充実のため(2)お年寄りがいきいきと幸せに暮らすことのできる環境づくりのため(3)町内小学校、中学校の教育環境充実のため(4)新型コロナウイルス感染症に関する支援・対策のため(5)町内県立高校(矢上高等学校・石見養護学校)支援のため(6)その他(文化財保護、環境保全など)「電気通信事業基金」/邑南町電気通信事業の円滑な運営を図るため(増減理由)その他特定目的基金残高は6千2百万円減少している。主な理由は、まちづくり推進基金が道の駅整備事業や研修施設整備事業の実施により残高が2千9百万円減の9千7百万円に、まち・ひと・しごと創生基金が地区別戦略発展事業の実施により残高が2千5百万円減の3千万円に、日本一の子育て村推進基金が子育て村推進事業の実施により残高が1千5百万円減の2億4千2百万円に減少しているためである。(今後の方針)現在実施中の邑智病院改築や石見中学校改築、道の駅整備事業などにより財政負担が増えるため、その他特定目的基金の有効活用を図っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成16年の町村合併前後に支所や公民館、自治会館等の整備を進めたため比較的新しい施設もあり、有形固定資産減価償却率は、類似団体平均より低い水準です。今後は人口減少に伴う税収の減少や高齢化に伴う社会保障経費の増加、普通交付税の減少などにより、全ての公共施設をこれまで同様に維持・保全していく財源を確保し続けることは困難です。また、老朽化の著しい施設も多くあり、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の計画的な更新や統廃合・複合化・多機能化を基本として、適切な施設の維持管理に努めます。

債務償還比率の分析欄

地方債の新規発行を抑制し、地方債残高の減少を進めるとともに、新規起債時に償還に必要な財源の一部を減債基金に積立てています。これにより、債務償還比率計算の分子となる将来負担額は減少傾向となっています。しかし、分母となる経常一般財源等は、普通交付税などが減少し、その結果分母の減が分子の減を上回ったため比率が上昇しています。引き続き地方債の新規発行の抑制と減債基金積立を行うとともに、経常収支の改善に努めていきます。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本町は、将来負担比率が減少傾向で、有形固定資産減価償却率は増加傾向にありますが、類似団体と比べて将来負担比率は高く、有形固定資産減価償却率が低くなっており、全体的には老朽化した施設の更新が進められていることを示しています。これは、平成16年の町村合併前後に支所や公民館、自治会館、ケーブルテレビ等の施設整備に伴い、借り入れた地方債が、将来負担比率の値に結びついていますが、現在はこれらの償還も進み将来負担額が減少傾向にあります。現在、新規発行の地方債の抑制や繰上償還による地方債残高の減少を進めており財政の健全化に努めています。今後は、来たるべき公共施設等の更新需要に備えるための財源確保や施設の長寿命化による財政負担の軽減・平準化を図る必要があります。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体平均を上回る状態が続いていますが、近年は概ね減少傾向にありました。しかし、現在は、新規発行の地方債の抑制や繰上償還による地方債残高の減少を進めているものの地方交付税の減少の影響が大きく、平成30年度から実質公債費比率が増加に転じています。令和3年度から減少しているものの、今後も道の駅整備事業や邑智病院建替事業、石見中学校改築事業など大型事業の実施により本指標は上昇すると見込んでおり、引き続き地方債の新規発行の抑制を行うとともに繰上償還の実施により両指標の改善に努めていきます。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、橋りょうトンネルについては、平成16年の町村合併後に交通網の改良を進めたことなどにより、類似団体と比べて有形固定資産減価償却率が低くなっています。一方で、学校施設については、学校施設の多くが昭和40年代~50年代に建設されたものであるため古い施設が多く、有形固定資産減価償却率が高くなっています。老朽化により、設備の更新や日常の維持補修費が例年発生していることから、老朽化の著しい石見中学校の改築を進めるほか、計画的な維持補修に努めるとともに、今後の維持更新費用の逓減、現状からのダウンサイジングを検討するなどし、適正な公共施設等の維持管理、更新を実施していきます。また、公営住宅については、昭和40年~50年代に建築された住宅について、耐用年数が経過しつつあることが有形固定資産減価償却率を押し上げている要因となっていますが、公営住宅の良好な維持管理に努めるため、定期点検、日常点検を実施し、また将来見込まれる修繕工事や必要となる費用を想定し、長寿命化を図るとともに、計画的な建て替えを進めていきます。公民館については、老朽化の著しい施設は合併以降に改築を行っているため有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っていますが、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合・複合化・多機能化の検討を進め、適正な規模による施設の維持管理を行っていく必要があります。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎については、各支所は平成18年、平成22年の建設で比較的新しい施設ですが、本庁舎は平成7年の建設であるため有形固定資産減価償却率が類似団体平均を上回っていると考えられます。保健センター、図書館、体育館、消防施設は、昭和40年代から昭和50年代に整備しているものが多く、それらの施設が耐用年数を迎えつつあることから、有形固定資産減価償却率が全国平均や類似団体より高い水準にあります。予防的な修繕や改修を行うことにより、施設の機能を適正に維持するなど長寿命化を図っていきます。一方で、一般廃棄物処理施設については、ごみ処理施設整備事業が令和3年度で完了したため、令和2年度から数値が大きく減少しています。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては資産総額が2,725百万円の減少(▲2.9%)となった。ただし、資産総額のうち有形固定資産の割合が98.1%を占めており、これらの資産は将来の(維持・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は14,291百万円となり、前年度比299百万円(前年度比▲2.1%)の減少となった。これは主に、ごみ処理施設整備事業の終了に伴う邑智郡総合事務組合負担金等が減少したため、補助金等が昨年度より1,127百万円減少しているためである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源である税収等(11,072百万円)が純行政コスト(13,842百万円)を下回っており、本年度差額は▲2,770百万円(前年度比781百万円増)となり、純資産残高は2,945百万円の減少となった。特に本年度は、純行政コストが減少する一方で、道の駅瑞穂整備事業費負担金や災害復旧費補助金等の増加で県補助金は増加したものの、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業費補助金や子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金等が大きく減少し、国庫補助金の減少が県補助金の増加よりも大きかったため、本年度差額は微増した。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努めるとともに、純行政コストの圧縮を行い純資産の増加を図っていく。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は792百万円であったが、投資活動収支については▲958百万円、財務活動収支については、地方債の発行収入が地方債償還支出を上回ったことから278百万円となっており、業務活動と財務活動収支の黒字で投資活動の赤字を補填している。本年度は、ごみ処理施設整備事業負担金等の支出がなくなったこともあり、本年度末資金残高は112百万円増加し、375百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に旧町村毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。しかし、老朽化した施設が多く、前年度末に比べて5.8万円減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後30年間の取り組みとして公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有数の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は前年度から1.1%増加しているが、引き続き類似団体平均を下回っている。これは新規に発行する地方債に上限を設け抑制を行うとともに、やむを得ず上限を超えて地方債を発行する場合には、返済の原資を積み立てる対策を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努めていることによる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち13.5%を占める人件費が、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。直営で運営している施設について、指定管理者制度を導入するとともに、行財政改善計画及び行財政改善実施計画に基づき、事務作業の整理縮小や組織・機構の見直しを行うとともに職員育成を行い、行政のスリム化を図り、人件費総額の削減に努める。併せて、人件費とともに大きな割合を占める物件費、維持補修費も、純行政コストのうち19.4%を占めており、施設の老朽化等により今後はさらに増加が懸念されるため、施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、新規に発行する地方債の上限を設け抑制を行うなど、地方債の減少に努めている。やむを得ず上限を超えた地方債を発行する場合には、返済の原資を積み立てる対策を行うなど財源確保にも努めている。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支が赤字となっているが、業務活動収支の黒字分を上回っているため、2百万円となっている。これは、ごみ処理施設整備事業負担金等の支出がなくなり、業務活動収支が840百万円(前年度比251百万円)の増加となったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。町村合併以前(平成16年以前)の施設が多くあり、施設の老朽化が進んでいる現状で、今後、経常費用のうち維持補修費の大幅な増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,