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地方財政ダッシュボード

東京都中野区の財政状況(2016年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

類似団体の平均を下回る状況だが、指数は上昇している。基準財政収入額は、前年度に比べ特別区税の増等により、3.4%の増、基準財政需要額は1.1%の増で、平成28年度単年度における基準財政収入額/基準財政需要額の数値は0.51となった。3か年平均も0.50に上昇した。今後も歳入歳出の両面から健全な財政運営を行っていくとともに、「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」に基づいたまち活性化戦略などを着実に推進していく。

経常収支比率の分析欄

平成28年度は、区債元金償還金の減などにより経常経費充当一般財源等が減となったが、地方消費税交付金や特別区交付金の減により、歳入経常一般財源等も減となった。このため、経常収支比率は前年度に比べ0.4ポイント増加したが、類似団体の平均と比べると低い水準にある。今後、少子高齢化による扶助費、繰出金等の増加が想定される一方、市町村民税法人分の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直しなど歳入状況も楽観できるものではないことから、事業見直しを行うなど安定的な財政運営に引き続き努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

委託料の増により、物件費が増加し、前年度に比べ1,665円の増となったが、類似団体の平均を下回っている。今後も執行方法の見直しや事業の効率化などを進めることにより、コストの低減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の給与は、特別区人事委員会が都内民間企業の給与実態を調査したうえで、職員の給与の勧告を行っている。この勧告を踏まえ、区議会の審議を経て決定している。平成28年度は、職員の給与改定等により前年度と比べ、0.3ポイント増加している。今後も特別区人事委員会の勧告を踏まえ、給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たり職員数は、前年度に比べ0.11人増加したが、類似団体の平均を下回っている。今後も執行体制の効率化に努めるとともに、人材育成ビジョンに基づく職員の育成を図り、少数精鋭の職員体制を推進していく。

実質公債費比率の分析欄

類似団体の平均と比べると高い水準にあるが、平成28年度の実質公債費比率は2.5ポイント減少した。これは、公共用地先行取得等事業債(弥生町六丁目用地)の元利償還金が減となったことなどによるものである。今後も、起債の活用にあたっては、一般財源に占める実質的な公債費の割合(公債費負担比率(中野区方式))を上限10%程度とする方針を遵守していく。

将来負担比率の分析欄

地方債現在高の減などにより、将来負担額は前年度に比べ減少した。地方債の残高、債務負担行為に基づく支出予定額、退職手当の支給予定額などの合計である将来負担額より、充当することが可能な基金などの充当可能財源等の方が大きいため、将来負担比率は算出されず、財政の健全化を保っている。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

職員の年齢構成の変化などにより職員給は減となったものの、定年退職者数の増加による退職手当は増となった。このため、人件費に係る経常収支比率は前年度に比べ0.5ポイント増加し、類似団体の平均を上回っている。今後も効率的な事業執行等に取り組み、人件費の適正化に努めていく。

物件費の分析欄

委託料の増などにより支出額は増加し、物件費に係る経常収支比率は前年度に比べ0.8ポイント増加したが、類似団体の中で最小となった。今後も効率的、効果的な事業執行に努めていく。

扶助費の分析欄

平成28年度は、児童福祉費で保育に係る給付の増と、社会福祉費で年金生活者等支援臨時福祉給付金が皆増となったことにより、扶助費に係る経常収支比率は、前年度に比べ1.0ポイント増加したが、類似団体の平均は下回っている。少子高齢化の進展等により今後も増加が予想されるため、適切な執行に努めていく必要がある。

その他の分析欄

基金積立金、繰出金などが減少しているが、分母である歳入経常一般財源等も減少したため、その他経費に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.2ポイント増となった。今後も保険料の収納率向上対策を継続するなど、特別会計の財政健全性を維持するよう努めていく。

補助費等の分析欄

民間保育施設新規開設支援補助の開設実績減などに伴い、前年度に比べ0.2ポイント減少し、類似団体の中で最小となった。今後も適正な事業運営に努めていく。

公債費の分析欄

類似団体の平均を上回っているが、公共用地先行取得等事業債(弥生町六丁目用地)の元利償還金の減などにより、公債費に係る経常収支比率は、前年度に比べ1.9ポイント減少している。今後も、起債の活用にあたっては、一般財源に占める実質的な公債費の割合(公債費負担比率(中野区方式))を上限10%程度とする方針を遵守していく。

公債費以外の分析欄

前年度に比べ、2.3ポイント増加したが、類似団体の平均を下回っている。これは、扶助費、物件費及び補助費等の指標が類似団体の平均を下回っていることによるものである。今後も事業の見直しや効率化により、行政サービスの向上を図るとともに、適正な事業運営に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり65,772円となっており、平成28年度は、類似団体平均は上回っているが、財政調整基金積立金の減や新区役所用地の取得費の皆減などにより支出額が減少した。民生費は、住民一人当たり184,980円となっており、歳出決算総額の48.9%を占めている。平成28年度は民間保育給付や年金生活者等支援臨時福祉給付金給付の増などにより支出額は増加したものの、類似団体平均は下回った。土木費は、住民一人当たり41,067円となっている。類似団体平均を上回っているが、平成28年度は、まちづくり基金積立金の大幅減などにより、支出額は減少した。衛生費は、住民一人当たり25,823円となっており、南部すこやか福祉センター等の整備費の皆減などにより支出額は減少し、類似団体を下回った。公債費は、住民一人当たり14,957円となっており、類似団体の中で最大であるが、平成28年度は大幅に減少している。今後も起債の活用にあたっては、一般財源に占める実質的な公債費の割合(公債費負担比率(中野区方式))を上限10%程度とする方針を遵守し公債費の抑制を図っていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

義務的経費のうち人件費は、住民一人当たり61,424円となっており、計画的な職員数の削減、年齢構成の変化などにより、支出額は年々減少して平成26年度から類似団体平均を下回っている。一方、扶助費は、住民一人当たり112,104円となっており、類似団体平均は下回っているものの、支出額は増加傾向にある。今後も、少子高齢化の進展等により増加が予想される。公債費は、住民一人当たり14,946円となっており、類似団体の中で最大であるが、平成28年度は大幅に減少している。今後も起債の活用にあたっては、一般財源に占める実質的な公債費の割合(公債費負担比率(中野区方式))を上限10%程度とする方針を遵守し公債費の抑制を図っていく。投資的経費である普通建設事業費は、住民一人当たり45,565円となっており、更新整備では、もみじ山文化センターの大規模改修費が増、新規整備での平成27年度に取得した新区役所用地費や南部すこやか福祉センター等の建設費等の皆減により、費用は前年度より減少した。その他の経費のうち積立金は、住民一人当たり42,619円となっており、類似団体平均を上回っている。平成28年度は、主に財政調整基金や義務教育施設整備基金、まちづくり基金に積み立てている。引続き計画的な積立と繰入を行い財政の健全性を図るよう努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

計画的な積立により、平成28年度の財政調整基金残高は、前年度と比べ32億円増加した。実質収支額は前年度に比べ1億円の増となり、実質単年度収支額は、単年度収支の増により、前年度と比べ23億円増の34億円の黒字となった。地方税の一部国税化や地方消費税の清算基準見直しなど、今後の歳入状況は楽観できるものではないが、安定した財政運営を行うために、計画的な積立と繰入を行い財政の健全性を図るよう努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

標準財政規模に占める実質収支額の割合は、平成28年度も全ての会計において黒字となっており、実質赤字額及び資金不足額は発生しておらず、財政状況は健全である。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

実質公債費比率の分子のうち大きな割合を占める元利償還金は、平成23年度に大幅に増加し、高い水準で推移してきたが、平成26年度に分割取得した大規模公園用地の公共用地先行取得等事業債の償還が終了したことなどにより、減少傾向にある。平成28年度は、公共用地先行取得等事業債(弥生町六丁目用地)の元利償還金の減などにより11億円減少となった。前年度と比べ、算入公債費等も5億円の減となったが、実質公債費比率の分子は、マイナスとなり、前年度と比べ8億円減少した。今後も、起債の活用にあたっては、一般財源に占める実質的な公債費の割合(公債費負担比率(中野区方式))を上限10%程度とする方針を遵守していく。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担額は、地方債の現在高の減、土地開発公社から区が用地を取得したことによる債務負担行為に基づく支出予定額の減などにより、前年度と比べ78億円減少した。充当可能財源等は、充当可能基金は56億円増となったものの、基準財政需要額算入見込額が63億円減となったため7億円減少した。平成28年度も引き続き将来負担額より充当可能財源等が上回り、将来負担比率の分子は、前年度と比べ72億円減少した。今後も世代間の公平性に配慮し、将来を見越した計画的な地方債発行と基金の積立を行い、健全な財政運営を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

道路、認定こども園・幼稚園・保育所、公営住宅、図書館及び庁舎の有形固定資産減価償却率が高いため、類似団体と比べ依然高い数値となっている。道路については維持管理に関する短期・中長期的な計画である道路舗装維持管理計画を定め、区役所本庁舎は移転整備を進めるなど、施設の更新に取り組んでいる。有形固定資産減価償却率が高くなっているが、区有施設の耐震化率は、平成27年度に100%となった。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は総務省で算出式を精査中であり、平成29年度より公表する。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と比べ高くなっているが、将来負担比率は、地方債残高、退職手当の負担見込額等の合計である将来負担額より、充当することが可能な基金などの充当可能財源が大きいため算出されていない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、類似団体の平均と比べると高い水準にあるが、平成28年度は前年度より2.5ポイント減少している。将来負担比率は、類似団体内平均値と同様に算出されていない。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、認定こども園・幼稚園・保育所、公営住宅の有形固定資産減価償却率が類似団体と比べ高い数値となっている。道路については、平成26年度に道路ストック総点検作業を実施し、平成27年5月に今後の維持管理に関する短期・中長期的な計画である中野区道路舗装維持管理計画を策定し、交通量の多い幹線道路、住宅地区内の生活道路の舗装改良や道路附属物の改修を計画的に行っている。保育園については、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)に基づき、区立保育園の民設民営による建て替えを進めている。公営住宅については、区営住宅に昭和40~50年代に建設した施設が多く(14施設中10施設)、有形固定資産減価償却率が高い要因となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館と庁舎の有形固定資産減価償却率が類似団体と比べ高い数値となっている。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)において、図書館は2館を統合し、学校再編による統合新校との複合施設として開設する計画があり、庁舎については、昭和43年9月に竣工した区役所本庁舎を移転整備(平成33年度竣工予定)する計画があり、老朽化対策に取り組んでいる。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産のうち、有形固定資産は453,660百万円、無形固定資産は1,246百万円、投資その他の資産は43,873百万円、流動資産は36,932百万円である。負債のうち、地方債は26,088百万円である。資産の部における一般会計等と連結会計との差額(34,878百万円)の主な要因は、清掃一部事務組合の配賦分(18,239百万円)、株式会社まちづくり中野21(6,108百万円)である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、性質別に最も多いのは、経常費用全体の51.1%を占める「移転費用」で51,129百万円である。「移転費用」の割合が大きいのは、社会保障給付である扶助費及び国民健康保険事業特別会計、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が多いことが要因である。社会保障給付33,103百万円は、生活保護費、自立支援給付費、臨時福祉給付金などである。次に多いのは、経常費用の20.6%を占める「人件費」で20,654百万円である。全体会計、連結会計との差の主な要因は、特別会計(国民健康保険事業、介護保険)の社会保障給付費である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(109,677百万円)が純行政コスト(96,667百万円)を上回ったことから、本年度差額は13,011百万円となり、純資産残高は16,206百万円の増加となった。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努めることと合わせ、事業費における特定財源を確実に確保・増加させることにより、経常収支比率の良化も目指していく。連結会計の純資産残高が全体会計より21,439百万円多い主な要因は、清掃一部事務組合の配賦分が計上されているためである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は15,543百万円のプラスであったが、投資活動収支は事業用地の取得等により、9,058百万円のマイナスとなった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、6,132百万円のマイナスとなっており、結果、本年度末資金残高は前年度から352百万円増加し、本年度末資金残高は3,519百万円となった。地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

有形固定資産減価償却率については、類似団体平均より高い傾向にある。主にインフラ資産の償却率が高いが、道路については維持管理に関する短期・中長期的な計画である道路舗装維持管理計画を定め、区役所本庁舎は移転整備を進めるなど、施設の更新に取り組んでいる。また、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均より若干低い。区債残高は、減少傾向であるため、純資産比率は上昇すると想定される。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と比較し若干低いが、移転費用となる保育施設にかかる給付は今後増加することが想定されるため、保育需要増加に伴う将来負担を注視していく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を若干上回っているが、区債残高は平成26年度比94億円減少しており、財政健全化は進めている。また、基礎的財政収支については、投資活動収支の赤字である要因としては、計画的な用地取得、大型更新工事等が要因である。今後は学校再編に伴う改築工事等が発生することから基金とのバランスを勘案し、財政運営を進める必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、使用料等については、類似団体と比較しながら議論を深めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,