経営の健全性・効率性について
「単年度の収支」については、これまで収益的収支比率が100%を下回っている状況であり、経営の健全性が確保されているとはいえない状況ですが、H26年度途中に料金改定を実施しており、H27年度からは、年間を通して新規料金を計上できるため、改善の見通しがあります。また、「料金水準の適切性」については、上記のとおり料金改定をH26年11月検針分より行い、収入増となったため、経費回収率の改善につながりました。なお、料金改定については、他事業との整合性を図っており、適切な料金設定となっております。今後も、経費回収率は堅調に推移していくものと考えられます。「費用の効率性」については、H24年度を境に汚水処理原価が平均値を下回っており、処理コストが抑えられていることが分かります。H25年度からH26年度にかけて若干上昇している理由としましては、維持管理における委託料の増加がありますので、以後、さらにコスト抑制に向けた取り組みが必要となっています。「施設の効率性」及び「使用料対象の捕捉」について、施設利用率、水洗化率はともに平均値を上回っていますので、施設の適正な利用を行っていることが分かります。水洗化率については、100%を目指すべく、引き続き普及促進に努める必要がありますが、経営の効率性は概ね保たれています。
老朽化の状況について
老朽化について、夫婦浦地区及び富土地区はそれぞれH12年度、H15年度に供用開始しており、各処理施設が経年劣化し始めていると考えられることが課題です。そのため、今後は各施設の効率的な運用を図るためにも、計画的な更新が必要であります。
全体総括
H26年度の料金改定により、経営状況はこれから改善していくことが見込まれます。また、その他の経営指標においては、平均値より優位な数値であることから、適正な経営状況であることが分かります。しかしながら、今後は維持管理に加え、処理施設等の改築更新も必要になってくることから、更なる経営の安定化を図っていく必要があります。