経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:水洗化率が50%台と低い水準にあり、使用料収入が低迷しているものの、下水道施設整備計画がほぼ完了したため、企業債償還金が減少し、収益率は改善する傾向にありました。しかしながら、平成28年度においては、一般会計の繰入金が前年度比約16%減少したことから、若干低下しています。②累積欠損金比率:-③流動比率:-④企業債残高対事業規模比率:下水道施設整備の完了によって新規の企業債借入がなくなり、徐々に企業債残高が減少していることから、使用料収入等に対する企業債残高の割合は、低下しています。平成28年度においては、企業債の償還財源は、一般会計からの繰入金が充てられているため、0%となっています。⑤経費回収率:水洗化率の伸びが鈍く、使用料改定(消費税による改定を除く。)も平成17年から行っていないため、ほぼ横ばいとなっており、類似団体と比較すると低くなっています。⑥汚水処理原価:汚水処理区域の拡大とともに有収水量(使用料徴収の対象となる汚水量)が増加し徐々に改善していますが、水洗化率が50%台にあるため、類似団体と比較すると高くなっています。⑦施設利用率:供用開始から5年以上が経過し、類似団体の水準を超えているものの、水洗化率が50%台と低いため、60%台で推移しています。⑧水洗化率:近年、微増傾向にあるものの、水洗化(下水道接続)は家屋の改造等が伴う場合が多く、高齢化の進行などから水洗化が伸び悩んでおり、類似団体と比較して10ポイント程度の開きがあります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:-②管路老朽化率:-③管渠改善率:事業の開始時期が平成13年で、現在のところ更新が必要となる管渠はありませんが、耐用年数(40年)を考慮し、今後の更新計画を策定する必要があります。
全体総括
下水道施設の整備は平成26年度にほぼ完了しましたが、水洗化率は依然として50%台で低迷しています。これは事業計画に基づいて建設した汚水処理場等が処理能力の半分しか活用されていない状態です。下水道は、市民生活に欠くことのできない施設であり、下水道事業の健全で安定的な経営を図るうえで、水洗化率の向上が最優先課題となっています。また、今後は人口減少による汚水処理人口の低迷が懸念されます。限りある財源を効率的に投資するため、下水道が整備されていない山間部等(非人口密集地域)については、公共下水道ではなく合併処理浄化槽の整備を推進していきます。