経営の健全性・効率性について
②累積欠損金比率については、土地の一部を市長部局へ無償譲渡したことに伴い発生した譲渡損に伴う欠損金であるが、平成29年6月に議会の議決を経て資本金を取り崩し、欠損金を補てんした。④企業債残高対事業規模比率については、類似団体平均値の2倍強となっており、従来から、資本費平準化債を積極的に活用してきたことに加え、平成28年度は、香川県から香東川流域下水道が移管されたことに伴い、企業債を借入したことが要因としてあげられる。企業債残高は将来へわたっての負担となるため、今後の経営健全化への足かせになる可能性がある。⑤経費回収率については100%を下回っており、使用料で回収すべき経費を使用料で賄えておらず、不足分を一般会計から繰り入れている。⑥汚水処理原価が類似団体平均値よりも上回っているため、経費回収率に悪影響を及ぼしていると考えられ、より効率的な汚水処理を進める必要がある。⑦施設利用率については、昨年度より約10%下がっているが、これは、平成28年度より香川県から移管された香東川浄化センターの利用率が低かったことにより下がったものである。⑧水洗化率が、類似団体平均値よりやや低いが、平成26年度から接続促進に向けた専属の係を設置したことにより改善傾向にあり、今後も改善が見込まれる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率が類似団体平均値より大幅に低くなっている原因は、平成23年度に法適化した際に既に償却している金額を簡便法により「0」としてスタートしたため、償却率が低くなっている。施設の更新が進むにつれて、本来の数値に近づいていくと思われる。②管渠老朽化率が平均値を上回っているが、③管渠改善率は、管渠の更新を重点的に進め、平均値に改善した。今後更新すべき管渠について、効率的な改築、更新等に努めたい。
全体総括
整備がほぼ完了し、今後は維持管理に業務がシフトすることから、下水道施設全体の中長期的な施設の状態を予測しながら計画的・効率的に維持管理、改築を行うなど、適切な事業運営に努めたい。また、積極的に普及促進活動を行い、下水道未接続世帯の解消に努め、使用料収入の向上を図りたい。公共下水道は、一般会計からの繰入金により、収支均衡の状況である。平成28年度に香川県から香東川流域下水道の移管を受け、継承する資産の減価償却費や企業債の償還額等も増えることから、平成27年度に改定した高松市上下水道事業基本計画(経営戦略)に基づき、資金残高との整合性を図りながら、適切な事業運営に努めたい。