経営の健全性・効率性について
特定環境保全公共下水道事業は、奥津温泉街16haを処理区域とする非常に小さい下水道事業であり、定住人口も少ないのですが温泉旅館、道の駅、温泉施設などがあることから処理水量の時期的な変動が大きくまた処理水質も温泉水が多いなど他地区とは異なっています。そのため、汚水処理方式を高度処理と呼ばれる「膜分離活性汚泥方」を採用しています。経営については、①収益的収支比率は100%となっていますが、⑤の経費回収率が平均値の半分以下であること、また⑥の汚水処理原価が平均の1.5倍以上であることから本事業の運営は一般会計からの繰入金に大きく依存していることが分かります。⑧水洗化率は86%以上と高いのですが、⑦施設利用率が20%台と低く、処理場の能力が過大なものになっていることから、本事業に隣接する農業集落排水事業を取り込むことを検討しており、それにより全ての指標が改善されるものと考えています。
老朽化の状況について
本事業は、平成18年3月末の供用開始であり、10年程度の経過年数のため、管路施設については未だ老朽化の対策が必要とはなっていません。しかし、処理施設については高額な施設設備の更新時期も間近に迫っているため、ストックマネジメント計画の策定が必要であると考えています。
全体総括
上記1.にもあるように、本事業は隣接する農業集落排水事業を取り込む計画を持っていることから、各指標については今後ある程度の改善が期待できる状況です。また平成30年4月から公営企業会計方式を採用するため、減価償却費等、今まで以上に具体的な事業内容の検討や将来計画の策定が可能になります。今後も本事業を将来にわたって継続できるよう、さまざまな手法、方策を検討・実施していきます。