経営の健全性・効率性について
当市における公共下水道事業は、H14に事業認可を受け事業着手し、H18.4.1から供用開始しており、今後も順次整備区域を拡大することとしている。①収益的収支比率は、使用料収入が伸びる一方で、前年度の資産管理システム構築など臨時的事業費の減少により経費が抑えられ、3.35ポイントの改善となった。④企業債残高対事業規模比率は、地方債償還費を一般会計繰入金で賄わなければならない状況であることからゼロになっている。⑤経費回収率は前年に比べ14.36ポイントの改善、⑥汚水処理原価は69.46円の減額となったが、これは上記①で記述したように、使用料収入の増加と前年度の臨時的費用の減少が主な要因である。⑦施設利用率は区域拡張による接続家庭の増加により、少しずつ伸びてきている。⑧水洗化率は、ほぼ横ばいに推移してきている。これは、分子要素である接続人口が増加する一方で、新たな区域整備により分母となる対象人口も増えているため、割合としては顕著な伸びになっていないものである。
老朽化の状況について
現在当市においては、老朽管の更新等を行っていないため、管渠改善率の数値は出ていないが、今後必要となるストックマネジメントに係る計画の策定等の中で、より良い将来経営にむけた管渠・処理場の老朽化対策を図っていく必要がある。
全体総括
H29は、前年度に比して使用料収入が増加すると共に臨時的経費が抑えられたため、経営指標的には改善が図られている。ただし、汚水処理原価や経費回収率、水洗化率のいずれも類似団体の水準に届いておらず、今後も運営の効率化により費用と収益のバランスを図っていく必要があると考えている。また本市では、過疎化が進行し、高齢化率が高くなっている状況にあることから、今後の下水道区域の拡大について、接続に繋がりやすい地区の優先的整備を図るとともに、管渠整備済みの地区においては引き続き接続率向上の取組みに努めることとしている。