収益等の状況について
山紫苑は国民保養温泉地にある温泉宿泊施設(国民宿舎)。昨年度に引き続き新型コロナ感染症の影響は大きく、①指標から収支比率は前年とほぼ横ばいで推移し赤字収支となっている。②指標より、一般会計繰入金比率は下がったものの、延べ宿泊者数も減少したため、③指標の比率は若干上昇した。④指標の定員稼働率は延べ宿泊者数が伸びず前年並みとなった。⑤指標の売上高人件費比率は、人件費削減の成果もあり若干の改善がみられるが、⑦指標で見られるように施設の収益性は低く、経営改善に向けた取り組みが必要である。昨年度から経営改善計画に基づき経営業務改善に着手しているが、予想以上に新型コロナの影響が大きく、改善の成果が表れにくい状況にあるため、令和4年度以降も経営状況の見極めが必要となる。
資産等の状況について
建物は本館と新館に分かれており、本館は築後約50年、新館も約30年と施設全体で老朽化が進んでいる。今年度は、新たに「ワ―ケーションスペース」の整備とあわせ、トイレの新設・洋式化、家族風呂の改修(バリアフリー化)を行った。根本的な施設の改修が必要ではあるが、今後の経営状況を見極めながら対策を検討していく。
利用の状況について
年間利用者数は前年から微増しているが、以前として新型コロナ感染症の影響を受けている。・休憩、宿泊者数の実績H29年度30,560人(内、宿泊者数14,995人)H30年度27,219人(内、宿泊者数12,184人)R元年度24,082人(内、宿泊者数11,674人)R2年度8,345人(内、宿泊者数6,245人)R3年度8,537人(内、宿泊者数6,177人)
全体総括
昨年度と同様に新型コロナ感染症の影響が大きく、宿泊者数が伸びず大幅な赤字収支となった。昨年度から取り組んでいる業務改善計画により、施設の評価は上がっているが集客実績に結びついていない状況のため、今後は販売促進に注力することとあわせ新型コロナの早期の終息を期待したい。また、老朽化に伴う施設改修の必要性の検討については、経営状況を考慮しつつ施設の在り方を含めた効果的な手法を検討していく。