経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、100%を下回っており総収益の大部分を一般会計繰入金に依存している状況である。企業債の償還についてもすべて一般会計繰入金に依存している。今後、料金収入による財源確保等の経営改善に向けた取組みが必要である。経費回収率は、料金収入がほぼ横ばいに推移しており、100%を下回る状況に変わりがない。また、類似団体平均値を下回る状況にも変わりがないため、汚水処理費の抑制や料金収入の増加に努める必要がある。汚水処理原価は、類似団体平均を上回っている。今後も維持管理費の更なる削減に努めて、汚水処理原価の抑制を推進する。施設利用率は、前年度より11.87ポイント増の64.18%であった。当該指標が大きく増加した要因は、平成30年度に志比処理区を中央処理区に統合したことにより計画処理能力が下がったこによる。今後も数値変動を注視し分析していく。水洗化率は、類似団体平均を上回っており、今後も、公共下水道への接続を推進し、洗化率100%を目指す。
老朽化の状況について
当町の特定環境保全公共下水道事業は、昭和55年4月より志比処理区で、昭和62年4月より中央処理区で供用を開始している。志比浄化センターは平成30年度末で汚水処理を廃止し、中央処理区へ統合を完了している。中央浄化センターは供用開始から33年経過し、機械設備等の更新時期を迎えつつあるため、令和2年度において長寿命化等について検討し、ストックマネジメント修繕・改築計画を策定する予定としている。また、令和6年度以降に公営企業法適用化を予定しているため、固定資産台帳の整備を進めることで現状の老朽化を把握し、適切な老朽化対策を進めていく。
全体総括
当町の特定環境保全公共下水道事業は、収益の大部分を一般会計繰入金に依存し、経営状況は依然として脆弱な状況である。さらに、料金収入については人口減少等の影響から今後も増加することが見込めず、一方では施設の老朽化により修繕費が増加する見通しとなるなど問題は山積している。令和2年度において各事業の経営戦略を策定し、今後の経営状況を明らかにする予定でいる。その中で施設等の更新についての詳細な検討を行うと同時に資金状況を明らかにし、適正な料金算定を行うことで経営健全化、事業効率化をより一層図っていく。