経営の健全性・効率性について
経営の健全性を示す経常収支比率及び使用料収入で必要経費を賄う指標である経費回収率共に100%を達成しており健全な経営であるといえる。財務の安定性を示す流動比率は32.23%と100%を大きく下回っているが、使用料収入や一般会計繰入金等の原資で企業債の償還を予定している。企業債残高対事業規模比率は、類似団体と比較して高い数値であり、今後も農集区域の統合により関連する企業債の発行はあるものの使用料収入が増えることで比率が下がっていく見込みである。汚水処理原価は、農集地区統合により有収水量が増えるため今後数年は下がっていく見込みである。施設利用率については不明水の流入量が影響すると考えられる。特に冬期間に発生する消雪水が老朽化したマンホール蓋から流入するのを防ぐため計画的な更新を実施している。また、管渠の破損等により地下水の流入がないかカメラ調査を計画的に実施していく予定である。水洗化率は86.35%であるが、供用開始からの年数が浅い地域があり今後数年は上昇傾向が続くと見込まれる。
老朽化の状況について
市が所有する処理場である五箇クリーンセンターは、平成11年から供用を開始し、施設が老朽化しつつあるが、更新時には施設規模の縮小を検討する。管渠については、入替や更生はほとんど行っていないが、ストックマネージメント計画を基に当面は現状の維持管理を予定している。
全体総括
令和元年度に公営企業会計に移行したことにより今まで以上に高いコスト意識を持ち、水洗化率の向上による収益増と老朽化しつつある処理設備の長寿命化や管路更正による不明水の削減等で維持管理費の節減に努め、より健全で効率的な下水道事業運営を図っていく。当面は農集地区の統合による接続世帯の増加による使用料収入の増加が見込まれるため比較的安定した経営ができる見込みである。平成28年度に策定した経営戦略を公営企業会計に移行したことから令和2年度に改訂予定である。