経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率は100%未満、汚水処理原価は類似団体内で高い水準、企業債残高対事業規模比率、経費回収率、施設利用率及び水洗化率は類似団体内で低い水準となっています。これは、本市が昭和30年頃からの急速な人口増加による河川の水質汚濁等を契機に、早期の公共下水道の普及を目指し、整備を行ってきたこと、また、地形的制約などにより、下水道終末処理場2箇所、汚水中継ポンプ場7箇所及び汚水低地排水ポンプ施設57箇所を有していることが要因となっています。・下水道使用料は、平成19年度に19.9%、平成24年度に10.0%と段階的な料金改定をしており、今後も、社会情勢や経済状況に注視するともに、市民負担を考慮し検討します。・水洗化率については、戸別訪問による啓発活動や多角的な広報活動により、積極的に普及促進を行っており、さらなる水洗化率の向上を図っています。
老朽化の状況について
・本市の汚水管渠は、昭和33年度から布設しており、老朽化が進んでいることから、施設の老朽化対策を積極的に進めてきました。・現在は、平成27年度に策定した「鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画」に基づき、計画的な維持管理、補修更新を行っています。・平成28年度は、緊急的な大規模修繕に対応したため、管渠の更新工事を年度内に完了できなかったことから、管渠改善率が0%となっています。
全体総括
・厳しい経営状況にありますが、今後は、地方公営企業法の適用や経営戦略の策定を予定しており、これらを通じて経営状況を的確に把握するとともに、経営の健全化に努めていきます。・下水道使用料については、本市の地域特性を踏まえ、他市の状況を考慮し、適正化を図ります。・下水道施設全般について、平成27年度に策定した「鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画」に基づき「予防保全型管理」を行うことにより、更新費用の圧縮と平準化を目指します。