経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、前年度と比べ維持管理費や資本費は横ばいであるものの、今年度は分流式経費が生じなかったことから、収益的収入である基準内繰入金が減少したため、前年度から約7%減少している。④企業債残高対事業規模比率では、平成27年度と比較して増となったが、類似団体平均値との比較、全国平均値との比較ともに下回った状態で推移している。⑤経費回収率については、使用料収入は増加したものの、資本費のうち分流式経費が生じなかったことにより、相対的に汚水に係る資本費が増となり、平成27年度と比較して減少している。⑥汚水処理原価については、有収水量及び維持管理費は横ばいであるが、汚水に係る資本費が増加したことにより、増額となっている。⑦施設利用率については、現在晴天時平均処理水量に対し終末処理場の現在処理能力に余力があるため、類似団体に比べ低めの数値ではあるが、本市の管渠施設は整備途上であるので、普及率が現状の62.7%から増加することが見込まれ、今後向上する余地があるものと考えられる。⑧水洗化率については、類似団体平均との比較、全国平均との比較ともに上回っており、良好な数値で推移している。今後、地方公営企業法適用による公営企業会計の導入により、より効率的な経営を図っていく。
老朽化の状況について
管渠改善率について、建設後50年を経過していない資産が大半であることから、類似団体と比較して低い水準である。今後は、平成29年度に策定したストックマネジメント計画に基づき、対応を進めていく。
全体総括
本市の経営比較分析において、経営の健全性・効率性の値の前年度からの増減は、汚水処理資本費中に計上されていた分流式経費(基準内繰入金)が生じなかったことによるものが主な理由となっている。今後、整備後50年を経過する施設の増加が見込まれることに加え、人口減少等が生じた場合、下水道使用料収入にも影響が生じることが予想される。そのため、地方公営企業法適用による公営企業会計の導入により、より多角的な経営分析を行い、適正な使用料収入の確保や汚水処理費の削減等について対応を図っていく。