経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を超えており費用を賄えているが,類似団体平均と比較し低い数値となっており,前年度よりも低下している。これは,契約水量の減により給水収益が減少したものであり,現状では給水収益が向上する要因がないため,経費の削減や収益の向上の検討が必要である。②累積欠損金は生じていない。③流動比率は,類似団体平均と比較し下回っているものの100%を超えており短期的な債務の支払能力は有している。④企業債残高対給水収益比率は,類似団体平均と比較し低く抑えられているが,給水収益の向上が見込めないなかでは,将来更新時期を迎えた際,比率の上昇が予想されるので,計画的な更新が必要となる。⑤料金回収率は,契約水量の減により昨年度より低下している。また,近年100%を下回っており,一般会計からの負担など,本来使用料で賄うべき費用を料金収入以外の収入で賄っている状況にあり,⑥給水原価が類似団体平均と比較し高い数値となっているため,経費削減の検討が必要である。⑦施設利用率は,類似団体平均と同程度であるが,34.92%と低い数値となっており適切な施設規模について考慮する必要がある。⑧契約率は,類似団体と比較して低い状況であるので,今後,契約水量の増加若しくは適切な施設規模の考慮が必要である。
老朽化の状況について
①類似団体と比較して高い状況にあるので,施設全体の法定耐用年数を考慮した計画的な更新が必要となる。②管路経年化率については,現時点では,法定耐用年数を経過した管路はない。③管路更新率の指標については,令和元年度は更新を実施しておらず,類似団体と同様に低い水準である,今後迎える更新時期を迎えていくことから,計画的な更新が必要である。
全体総括
給水原価の指標について,類似団体と比較して大幅に高くなっているため,維持管理の効率化による経費削減を図っていく必要がある。一方で,有形固定資産減価償却率の指標が類似団体より高い水準にあるため,経営戦略を策定し,限られた財源にて保有資産の計画的な更新が必要である。