経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率前年度と比べ4.29%下回っています。地方債償還金が増加したこと等による経費の増が要因となっています。④企業債残高対事業規模比率前年度と比べ比率が上回っております。地方債残高が年々減少していく反面、地方債に係る一般会計負担分が減少したことが主な要因となっています。⑤経費回収率⑥汚水処理原価回収率は前年度に比べ6.82%下回り、汚水処理原価も前年度を50.93円上回っています。維持管理費の割合が増加しており、汚水処理費用を使用料で賄えていない状況となっています。⑦施設利用率利用率が前年度から0.74%上回っています。利用世帯が増加する一方で、人口減少や節水器具の普及等により1世帯当りの上水道使用水量が減少傾向にあることが、増加率が低い主な要因と考えられます。⑧水洗化率前年度から0.9%改善しましたが、未だ類似団体の平均を下回っている状況です。平成29年度で農業集落排水事業の整備が完了しており、更なる接続促進が必要であると考えます。総合的な分析において、施設利用率や水洗化率はわずかに改善しているものの、それ以外の指標は前年度と比較して数値が下回ってきている状況です。料金収入の増加幅が縮小し、維持管理費の割合が増加していることや、平成29年度で農業集落排水事業が整備完了したこと等から、供用開始間もない処理区の接続促進による水洗化率向上や施設管理費の削減に向けた方策を検討する必要があると考えます。
老朽化の状況について
現在まで管渠の更新は実施していないものの、管渠敷設から40年を経過する処理区もあることから、今後はストックマネジメントの手法を取り入れ、施設の点検・調査計画及び改修・修繕計画を明確化しながら持続的な下水道サービスの提供と更新費用の平準化を図るよう取り組む必要があると考えます。
全体総括
本市の農業集落排水事業整備は、昭和49年度の事業採択から平成29年度までに26地区24処理場の整備が完了しました。管理面では、平成32年度から地方公営企業法の適用に向けた移行作業を進めるとともに、ストックマネジメントの手法を取り入れ、施設の機能強化対策を進めることや、近接する公共下水道施設への接続についても検討してまいります。また、健全な下水道事業の経営に向けた水洗化率の向上については、現在実施している水洗化の融資あっせん制度や排水設備工事補助金制度を継続し、市民の負担軽減を図りながら水洗化率の向上に努めて行きます。併せて、現行使用料体系と施設管理費等を分析しながら、適正時機の使用料の改定に向けても検討して行きます。