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単年度の指数については平成25年度以降微増傾向が続いているが、類似団体平均と比較すると平成28年度も引き続き下回った状態となっている。平成28年度は地方消費税交付金、法人税割、固定資産税等の増に起因し基準財政収入額が微増したことから財政力指数も0.22と微増になっているものの、依然として類似団体平均に比べても財政基盤が脆弱であると言わざるを得ないことから、今後も安定的な自主財源の確保に努めつつ、かつ、ふるさと納税制度の活用など、積極的な歳入確保にも注力しなければならない。
業務の効率化・専門化の点からアウトソーシングの需要が増し経常的な物件費が伸びているほか、介護保険事業・後期高齢者医療事業・公共下水道事業等への繰出金が増していることからこれらの経費は比率を若干引き上げているものの、職員の若年化が進んだことによる人件費の減や、病院事業への補助費の減等が比率を大きく引き下げる要因となり、全体として27年度より比率が引き下がる結果となった。類似団体比較でも引き続き良好な状態を保っていることから、今後も行財政改革への取組を通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持するように努めていく。
平成28年度においても職員数は微増しているものの、人件費としては定年退職者と新規採用者の給与差により27年度比約20,000千円の減となっている。物件費は業務のアウトソーシングや嘱託・派遣・臨時職員等が増えているものの、ほぼ27年度と横ばい(約-3,000千円)となっている。結果として人口1人当たりの決算額は27年度に比べ微減することとなり、引き続き類似団体平均と比べ低い水準を維持している。しかしながら、団塊世代の大量退職によって中間管理職の昇任が以前より早くなっており職員一人当たりの平均給与が高めの水準を示していることや職員数の増などがコストを定常的に引き上げる要因となりうるため、適正な人員配置に努めながら、行政コストの圧縮を図らなければならない。
ラスパイレス指数については国家公務員の給与改定特例法による措置の影響から23、24年度は一時的に跳ね上がったが、影響のなくなった25年度以降は従来の水準(98台)に戻っていた。しかしながら、28年度は99台へさらに上昇しており高止まりが懸念される。独自の給与カットはしていないものの、給与構造の見直しについては完全実施済みであり、15年度からは管理職手当の定額化により人件費を抑制している。特別昇給の是正も17年度に実施し、特殊勤務手当や地域手当についても該当していないため支給していない。また27年度からは給与制度の総合的見直しを実施しており、人件費抑制のために様々な取組を行っている。一方で高卒採用者の昇格が他団体に比して早めになっていることや、4級(課長補佐級)職員の占める割合が全体の約3割を占めること等がラスパイレス指数を高止まりさせている要因となっており、全体の職層のバランスを適正に調整しなければならない。
平成17~20年度までの間、定年退職者分について不補充としていた経緯もあり、集中改革プラン(平成17~21年度)の計画値を上回るペースで職員数が減少してきたが、平成21年度以降は毎年度5名程度の新規採用を行っており、また近年は定年退職者の再任用も開始していることから、職員数は増加傾向となっている。27年度末に策定した定員管理計画(28~32年度の5ヶ年)においても、最終年度における目標値を27年度職員数から+6名とした212名(+2.9%)で掲げている。類似団体平均に比べ職員数が少ない状況にあるため、人員の増調整はやむを得ないものと考えるが、一方で、全国平均や青森県平均に比べると高水準にあることから、行政サービスの質を維持しながらも、簡素で効率的な組織機構の構築に努め、より適正な人員配置や指定管理者制度等の導入によって引き続き適切な定員管理に努めなければならない。
過去の起債事業抑制の効果もあり公債費が低額で推移していることから、27年度比0.3ポイントの減となり、引き続き類似団体平均を下回る良好な状態にある。しかしながら、各公営企業会計の起債償還に係る繰出しの増(特に下水道事業の伸びが大きい)や過疎地域指定に伴う過疎対策事業債の活用などにより、28年度は前年度を上回る公債費及び準元利償還金となっている。今後は徐々に増加傾向へ転じる見通しであり、公債費の動向に注視しながらプライマリーバランスのとれた財政運営を行う必要がある。
将来負担比率については、類似団体平均に比べ高い水準で推移しているものの、平成27年度に比べ、4.8ポイント減少となっており、自団体の経年比較では引き続き良化が進んでいる。これは公共施設等整備基金が約186,000千円、減債基金が約48,000千円それぞれ27年度比で増加し、充当可能基金を大きく伸ばしたこと等が主な要因となっている。今後も事業の必要性、優先順位を考慮しながら事業を取捨選択し、公債費残高の減と基金積立額の増につなげながら将来負担を軽減できるよう努めたい。
類似団体平均比較では近3か年とも、人口1,000人当たりの職員数及び人件費の経常収支比率ともに下回っている状態が続いている。また経常的な人件費総額でも27年度に比べ約15,000千円減少しているところである。今後も人件費は大きな割合を占める経費であることから、適正な人員配置や再任用制度の運用、指定管理者制度の活用等を検討し、できる限りのコスト削減に努めたい。
物件費に係る経常収支比率は、経常的な物件費が27年度より約91,000千円増加していることから0.9ポイント高くなっている。経常収支比率は類似団体の中で引き続き良好な状態ではあるが、派遣・臨時職員等に係る人件費の増や、専門的かつ細分化した業務に対応するために増加する外部委託経費など、今後も物件費を増大させる要因が数多くあるため、引き続き経費削減に努めていかなければならない。
扶助費については、近年、類似団体平均とほぼ同水準の比率で推移している。経費は27年度に比べ約52,000千円減少し、その大半は児童福祉費(保育所等)の制度改正の影響によるところであるが、28年度から人口減少・少子化対策として町独自で保育料等の一部無償化を始めたことから、町負担については増加している状況にある。今後も人口減少対策は継続的に実施する予定としており、扶助費に対する町負担の増は避けられない見通しであるが、必要経費と住民サービスとの費用対効果を見極めたうえで事業を実施していきたい。
維持補修費等に係る決算額は除排雪経費の減などにより、27年度に比べ28,000千円程度減少しており、経常収支比率も27年度より0.7ポイント減少している。一方で、介護保険事業・後期高齢者医療事業・公共下水道事業等への繰出金が増加し経常経費ベースで約29,000千円の増となっており、比率を27年度比1.6ポイント引き上げる要因となっている。公営企業会計にあっては独立採算の原則に基づいた収入確保や適切な会計処理を求めながら繰出金を精査していく必要がある。
経常的な補助費等総額で26年度より約114,500千円減少したことから、補助費等に係る経常収支比率は27年度より2.7ポイント減少し、数年ぶりに類似団体平均水準まで良化している。主な要因として、病院事業への補助が27年度比約-90,000千円となっていることが大きい。引き続き公営企業会計への補助については、独立採算を原則としつつ、公営企業と一般会計双方の財政状況を踏まえながら繰出基準を明確にし、適正な繰出しにより経費の圧縮に努めていく必要がある。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均に比べ低い状態を維持している。普通会計においては臨時財政対策債の累積発行額が増えているものの、過去に普通建設事業に係る起債事業を抑制してきたこともあり、プライマリーバランスの黒字化を続けてきた結果である。しかしながら、平成22年度から新たに過疎地域指定を受けたことに伴い平成23年度からは過疎対策事業債を活用し始めたことや、下水道事業において年次計画を進行中であること等、町全体としての地方債の発行額が増加しつつあり、28年度の公債費は前年度を上回っている。今後も徐々に増加に転じる見通しであることから、中長期的なスパンで公債費を注視していく必要がある。
平成28年度決算においては、経費別の経常収支比率がほぼ類似団体平均と同水準か下回る傾向にあることから、全体(公債費除き)の比率としても類似団体平均より低い水準(良好な状態)で推移している。今後も経常経費のより一層の削減をめざし良好な状態を維持できるよう努めたい。
実質公債費比率は普通会計等の起債発行抑制の時期(平成17~23年度)を経たことで公債費が減少し類似団体と比較して低い水準で推移している。一方で、将来負担比率は類似団体に比べ基金の現在高が少ないことが影響し、高い水準で推移している。後者の比率については、老朽化した公共施設等の更新に向け特定目的基金の積み増しを継続的に実施していることから今後も徐々に低下していく見通しであるものの、施設の更新時期を迎えた際には、基金の取崩しと地方債発行額の増加により両比率の悪化が見込まれるため、これまで以上に中長期的な財政見通しに注視する必要がある。
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