経営の健全性・効率性について
経費回収率は類似団体平均より8.05%上回るが41.91%で低い数値になっている。これは集落排水事業が小規模で、汚水処理原価も類似団体より67.59円高いことから、使用料収入で汚水処理経費を全額回収することは極めて難しくなっている。収益的収支比率は90.72%で、総収入でほぼ地方債償還金を含む総費用を賄えていることから、経営の健全化は図られているが、地方債償還金については一般会計からの基準内繰入金で、その他の不足分は基金繰入金により補っている状況である。企業債残高は平成13年度に供用開始してからピークは過ぎており減少傾向で、今後も残高は減少していくものと想定される。なお、対事業規模比率は地方債償還金を全額繰出基準内の繰入金により補っているため0.00%となっている。施設利用率は15.57%下回るが、水洗化率は9.65%と類似団体平均を上回っているのは、処理区域内人口が少ないためであり、処理能力に対し施設稼働状況は比較的余裕をもっているが、特環下水道同様、最大時には稼働率が上昇するので一概に効率性が低いとは言えない。
老朽化の状況について
管渠改善率は、平成13年供用開始で耐用年数を経過していないことから、管渠更新はしていないため0.00%である。
全体総括
現状では一般会計からの繰入金により経営の健全性は図られているが、料金収入で汚水処理費の4割しか賄えていないため、料金適正化等の検討が必要である。しかしながら現状では特環下水道と使用料金に格差をつけることは非常に難しいといえる。今後は収支比率を100%に近づけるよう、汚水処理経費の節減等の経営改善が求められる。効率性については類似団体より水洗化率は高く施設利用率は低いため、場合によってはスペックダウンが必要となる。管渠改善はまだ耐用年数を経過していないため、当面更新の必要はないが、不明処理水(処理水量-有収水量)があることから漏水調査等の管渠改善対策が望まれる。