経営の健全性・効率性について
【経費回収率について】(分析・要因)平成28年度決算値において、汚水処理原価113.73円に対する使用料単価は107.9円となっており、原価よりも低い使用料単価となっていることが、経費回収率が全国平均より低い要因である。また、一般汚水料金に関しては、熊本県内では一番低い下水道使用料単価となっている。また、併せて、平成28年度は、熊本地震の影響により、使用料収益が減少したため、経費回収率が前年度と比較して減となっている。(今後の見通し・対策)平成28年度の経費回収率は94.86%で、類似団体、全国平均と比較して、特別低いものではないが、原価を100%回収しても不足する償還金の費用が見込まれるため、実質的な経費回収率は約8割程度となっている。その不足額は、一般会計からの基準外繰入金で補填されている。そのため、独立採算制の原則に基づき、適正な料金の検討を行い、一般会計からの基準外繰入金の抑制を図る必要がある。今後の見通しとしては、過去に投資した償還費が減少傾向にあり、人口及び事業所の増に伴う使用料収入の増が見込まれるため、不足額は徐々に解消される見込みである。今後、策定予定であるストックマネジメント計画による投資計画を踏まえた上で、経営戦略を策定し、長期的な見通しにより適正な料金体系の検証を引き続き行っていく。
老朽化の状況について
平成28年度末の下水道処理区域内人口普及率は98.0%となっており、未普及対策については完了に近づいている。現在、②のとおり耐用年数を超えた管渠はないが、敷設後40年が経過し、経年劣化により管路等が腐食している状況が見られるため、長寿命化計画に基づいて、順次、長寿命化対策事業を行っているところである。なお、今後は、現在策定中である「ストックマネジメント計画」による計画的、効率的な維持管理及び改築・更新を行っていく。また、近年の投資額は、減価償却費の1/2以下で推移しており、将来の負債・原価が抑制の傾向にある。
全体総括
上記に記載したとおり、今後、策定予定であるストックマネジメント計画による長期的なスパンによる計画的・効率的な投資計画を踏まえた上で、経営戦略を策定する予定である。これにより、長期的な分析、将来予測を行い、適正な料金体系の検証を引き続き行っていく。また、水洗化率を更に高める啓発活動も併せて行っていく。③の流動比率が平成26年度は100%を下回っているが、会計基準変更に伴い、流動負債に1年以内に償還予定の企業債が含まれているためであり、これについては、使用料収入などで償還予定である。また、⑦の施設利用率については、本町の公共下水道は熊本北部流域下水道に接続されているため表示がない。