経営の健全性・効率性について
①前年度に使用料収入の減少及び企業債償還金の増加により低下したが、平成30年10月に実施した使用料の改定による使用料収入の増加の効果もあり、平成30年度は改善した。経年では増加傾向にあり、償還額の減少により比率は改善に向かっていくと思われる。④企業債残高が減少したため、類似団体平均値と比較しても低い値となっている。⑤⑥平成30年10月に使用料改定を実施したものの、平成31年4月の地方公営企業法適用に伴い平成30年度が打ち切り決算であったことから、使用料が実質10か月分程度の収納となった。そのため数値が悪化しているように見えるが、翌年度以降は、1年分の収納となることから改善が見込まれる。⑦処理場については、処理量に余裕があり、適正に汚水処理が可能な状況にある。今後農業集落排水管渠の接続も含め効率化を検討し、規模に合わせた適正な処理を行っていく。⑧水洗化率の算定方法を見直したため数値は減少しているが、浄化槽設置補助と下水管渠整備との適正なバランスをとりながら、水洗化率100%を目指す。以上が各指標の分析であり、経営の健全性・効率性については、今後も改善する必要があるが、平成30年10月に実施した使用料改定により、収益的比率や経費回収率については今後改善が見込まれる。
老朽化の状況について
公共下水道事業は昭和41年から着手しており(昭和44年度供用開始)、下水道施設の老朽化対策は不可欠である。管渠の延伸をペースダウンし、既存施設の更新にかじを切り、ストックマネジメント計画に基づいて計画的な修繕・改築・更新に取り組むことで、事業費の平準化を図りながら公共用水域の水質保全に努めたい。
全体総括
平成31年度からの地方公営企業法の適用により、経営状況と財政状況を明確化し、下水道事業の経営基盤の強化と持続可能な運営を目指す。また、管渠の延伸について拡大区域の縮小を検討し、必要な下水道施設の更新に資金を回すことで、企業債の償還及び将来の管理費の減を模索しており、今後、財源確保や経営に与える影響等を見据えて分析を行い、使用料の適正化も含めた投資計画等の見直しと、効率的な施設運営と汚水処理を実施するための事業計画等の見直しを踏まえた経営戦略の改定を検討する必要がある。併せて、当事業を含めた下水道事業に係る事業内容と経営状況について、これまでの経緯及び今後の計画などを中心に市民に対しわかりやすく説明・啓発を行い、市民の理解を深められるように努める。