経営の健全性・効率性について
平成14年度に供用開始している井上北部地区については、施設利用率及び水洗化率が類似団体平均値を上回っている一方で、現在整備を進めている井上南部地区(平成29年度供用開始予定)、三木東地区(平成31年度供用開始予定)の供用開始前施設に係る地方債元金の償還が平成25年度より本格化したことに伴い、収益的収支比率及び経費回収率が類似団体平均値を大きく下回っており、汚水処理原価は高くなっています。また、企業債残高対事業規模比率についても、供用開始前施設に係る地方債が含まれていることから類似団体平均値に対し比率が高くなっています。なお、未供用地区(井上南部地区・三木東地区)については、他事業(公共下水道)に編入され供用されるため、農業集落排水事業が公共下水道事業に移管されるまで、同様の経営状態が継続することが予想されますが、本町の下水道事業全体の経営状態としては、未供用地区の供用開始に伴い使用料が徴収されることにより、改善が図られると考えています。
老朽化の状況について
供用開始後14年が経過する井上北部地区における管渠施設については、供用開始後間もなく、耐用年数を超過していないため、これまでにクラック、破損及び腐食等管渠の劣化は確認されておりません。比較的耐用年数の短い機械・電気設備については、更新および修繕時期が一時期に集中することを避けるため、修繕の必要性、緊急性、優先度を総合的に判断し計画的な機器更新及び修繕を行なっています。
全体総括
供用開始している井上北部地区については、今後も、引き続き適切な点検や診断により、処理施設の長寿命化工事を行うなど更新費用の平準化を図り安定した経営に努めます。現在、整備を進めている井上南部地区、三木東地区についても、国・県からの補助金のほか、地方債の借入、一般会計からの繰入金の充当により建設工事を進めていますが、下水道施設の整備には多額の費用を必要とするため、より効率的かつ計画的に整備を進めていく必要があります。また、今後、供用を開始する2地区については施設利用率及び地区内水洗化率の早期向上に取り組み、事業経営の健全化・効率化に努めます。