収益等の状況について
令和元年度は、平成30年度末策定の中長期計画に沿った、各種アクションプランの実行により、年間の収支は改善傾向にあった。しかしながら、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、収益性はやや減少した。今後もアクションプランの取組みを継続することで、収支改善を図る。②他会計補助金比率、③宿泊者一人当たりの他会計補助金額については、類似施設平均値に比べ低い水準ではあるものの、新型コロナウイルス感染症に関する補助事業の実施により大きく増加した。令和3年度から5年間、指定管理者が毎年20,000千円プラス利益の1%を特別会計に納付する協定を締結した。当該納付金の活用により、一般会計からの繰入金は減少する見込みである。
資産等の状況について
当該施設は平成28年8月に建替工事が完成し、同年11月に営業を開始した。⑨は統一的基準による貸借対照表の建物から減価償却累計額を差し引いた額である。毎年およそ70,800千円ずつ減価償却を行っていくこととなる。⑩設備投資見込額は、建替から10年後の大規模修繕費用として100,000千円(見込)を計上したものであり、大規模な設備投資は当面行わない見通しである。⑫企業債残高対料金収入比率は増加に転じたが、これは新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館等を起因とした料金収入の減少によるものである。料金収入に関する先行きは不透明であるが、令和3年度には、市民公募債を一括償還する予定であり、今後地方債の元金償還をしていくにしたがって徐々に改善される見込みである。
利用の状況について
宿泊客数動向における市町村の数値は大幅に上昇しているのに対し、公営企業の数値は前年度に比べやや減少していることから、当該施設の宿泊需要が低下していると考えられる。本市において当該施設は、観光利用の受け皿が必ずしも十分と言えない状況の中、観光振興を図る上で重要かつ必要な施設であるため、今後利用者数の増加に努めていく。
全体総括
施設建替のため借り入れた地方債の残高は、令和2年度末現在およそ19億円である。令和3年度以降、指定管理者が毎年20,000千円プラス利益の1%を納付する協定を締結したことから、今後の償還財源の1つとなりうると考えている。当該施設は、本市の観光拠点施設として観光振興及び雇用も含めた市内経済への波及効果による地域活性化に寄与するとともに、市民の健康増進を図る施設として一部公共的な役割を果たしている。また、施設自体も真新しく、高い収益性を有していることから、これらの強みを生かした運営を行っていく。