経営の健全性・効率性について
公共下水道事業は、使用料収入のほか、一般会計繰入金、資本費平準化債等の借入によって実質収支が均衡となっている。①収益的収支比率は、使用料収入の増等により、平成27年度から1.71ポイント上昇している。総収益に占める使用料収入の割合は54.7%であり、年々割合は上昇しているが、市債元利償還金の不足額について一般会計繰入金及び資本費平準化債の借入により措置をしている状況である。④企業債残高対事業規模比率は、営業収益の増に加え市債残高が減少傾向にあることから数値は改善傾向にあるが、依然類似団体平均を上回っている状況にある。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、総費用及び地方債償還金のうち一般会計からの繰入金などで賄った費用を除いて算定したものであるが、資本費平準化債の制度改正に伴う借入額減等の影響もあり、平成27年度に比べ数値は悪化している。使用料収入等の自主財源によって維持管理経費は賄えており、引き続き下水道への接続の促進による収入の確保、経費の節減を図っていく必要がある。⑧水洗化率は、未普及解消のための整備事業を継続して行っているため、類似団体平均を下回っており、供用開始後の下水道への早期接続を図っていくことが必要である。
老朽化の状況について
本市の公共下水道は、供用開始後28年を経過している。管渠はまだ耐用年数を経過したものはないが、管路調査等により判明した不良個所について更正を行っており、ポンプ等の機器類は老朽化の状況に応じ順次更新、修繕を行っている。今後は管渠、機器ともに老朽化が進むことから、ストックマネジメント計画の策定等により、計画的な更新、長寿命化を図っていく予定である。
全体総括
本市の公共下水道事業は、未普及解消事業を継続して進めていく必要があることに加え、今後更新期を迎える施設の更新、長寿命化を図っていく必要もあることから、汚水処理整備計画及び今後策定を予定しているストックマネジメント計画を基に、財政状況を見ながら適正な管理運営を行っていくことが必要である。また、公共下水道事業は平成31年度に集落排水事業等と共に企業会計に移行する予定である。移行後は、経営戦略の更新を早期に行い、財政状況や経営状況の的確な把握に努め、経営改善に生かす予定である。