収益等の状況について
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、稼働率や収益に関するものが大きく落ち込んでおり(売上高GOP比率▲84.4%等)人件費比率等は上昇している。収入に関しては支援等対策としての他会計補助金が新たに計上されている。指定管理者による新たなプラン等を打ち出す一方、新型コロナウイルス感染症により休館を余儀なくされるなど、計画に沿った経営が満足にできていない。なお、経常収支比率については、経常収益が落ち込んだものの、営業外収益の増加により昨年度と同水準となっている。新型コロナウイルス感染症による影響が大きいため、一刻も早い経済回復が望まれる。
資産等の状況について
類似施設と比較して、本施設は老朽化が進んでいるいる。およそ30年前のリニューアルにより借り入れた企業債が関西に近づいてきているが、依然として必要な原資を捻出できず、累積欠損金も膨れ上がる一方である。なお、企業債残高対料金収入率が高い状態であるが、企業債の償還を進める。
利用の状況について
平成30年度は客室の一部を改修し、熱気浴施設を整備したため、客室数の減により定員稼働率が上昇していた。しかし、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により大きく落ち込んだ。周辺地域の動向も同様に落ち込んでいることから、飲食・旅行等の全体として一刻も早い経済回復が望まれる。また、更なる宿泊者及び施設利用者数の獲得のため、自治体も様々な点でサポートする必要がある。
全体総括
平成29年度までは事業継続による多額の損失を計上し、赤字決算が続いていたため、経営状態の抜本的な改善が必要であった。平成29年度の指定管理者による運営開始から4年が経過した。施設改修等も行われ、民間活力ならではの新事業や新たな試みが今後も打ち出されたところであったが、令和2年度については新型コロナウイルス感染症の影響により、収益や利用者数について大きく低下する結果となった。一刻も早い経済回復が望まれるとともに、より良い経営となるよう継続して自治体によるサポートが必要である。