経営の健全性・効率性について
人口変動も少なく料金収入はほぼ横ばい、維持管理費も事業規模の小ささを考慮すればほぼ横ばい推移となっており、収益的収支比率は実質横ばい推移となっている。事業規模が小さい本事業においては、維持管理費の大幅な削減を見込むのは困難であり、今後、地方債元利償還金が横ばいで推移するものの、人口減少の進行に伴って料金収入は減少すると見込まれるため、収支比率は減少していく可能性が高いと考えられる。企業債残高対事業規模比率は、既発債の順次償還により減少傾向にあり、類似団体と比較してH26で818.80ポイントも上回っており、事業規模の面から見て経営状況の健全性は低いと言える。今後、地方債残高は着実に減少していく見込みではあるが、人口減少による料金収入の減少も見込まれるため、事業規模における健全性を確保するために他の下水道事業と併せて料金水準の見直しを検討する必要がある。経費回収率については、事業規模の小ささを考慮すればほぼ横ばい推移となっているが、類似団体と比較してH26で27.40ポイントも下回っており健全性は低いと言える。維持管理費の抑制は事業規模から見て困難であるため、今後は、料金見直しの検討等により健全性の向上を図らなければならない。汚水処理原価については、類似団体と比較してH26で489.18ポイントも上回っており、処理費用の効率性は低いと言える。事業規模から見て維持管理費の削減は難しく、地理的要因等により他処理区との統合も経費削減メリットは小さいと考えられる。施設利用率については、類似団体と比較してH26で30.11ポイント下回っており、施設の効率性は低いと言える。水洗化率はすでに100%となっていることから宅内接続の推進による今後の利用率向上要素は無く、隣接する他処理区との統合についても維持管理費抑制の面からメリットは小さいため、効率性向上が課題となっている。
老朽化の状況について
・処理施設としては小規模なもであり、当面は軽微な修繕で対応可能であるが、計画的な維持管理を行い経費の平準化を図らなければならない。
全体総括
事業の経営規模からみて大幅な維持管理費の抑制は難しいと考えるが、人口減少による料金収入の減少は避けられない状態にあるため、他の下水道事業と併せて料金見直しの検討を行う必要がある。今後、施設更新に伴う多額の費用発生の見込みは無いものの、適切な施設の維持管理を行いながら、計画的な施設修繕等を行い経営の健全化を図らなければならない。