経営の健全性・効率性について
収益的収支比率(①)は100%未満(赤字)の状態が続いていますが、年々改善されています。水洗化率(⑧)が少しずつ上昇しており、使用料収入も微増となっています。また、維持管理経費の削減により汚水処理原価(⑥)が減少し、経費回収率(⑤)が改善され、全国平均値より高くなっています。地区別にみると、公共下水道に接続している本庄・太田地区の経費回収率が100%を超えているのに対して、処理場を有する長谷・白地地区は40%弱となっています。債務残高については、新たな投資がないため、順調に減少しています。農村部における人口減少、高齢化が著しく、さらには節水機器の普及により、今後は排水量・使用料収入ともに減少していくことが想定されます。更なる水洗化率の向上により収入を確保していくこと、また、資本費平準化債の活用により耐用年数の長い資産(管渠等)にかかる元金償還費を平準化し汚水処理経費を軽減することにより経営の安定化を図ることが必要です。
老朽化の状況について
長谷・白地地区が平成16年に、本庄・太田地区が平成18年にそれぞれ供用開始しました。現在のところいずれの処理区も老朽化による管渠の異常は見られませんが、マンホールポンプの更新時期が到来しています。今後、中期的には計画的なマンホールポンプの更新と管渠の適切な点検を行い、長期的には施設の更新時期を見極めて計画していくことが必要となります。
全体総括
収益的収支比率(①)をはじめ、いくつかの指標で改善傾向にありますが、いずれにしても使用料収入及び基準内繰入のみでは汚水処理経費を賄えていない状況にあり、今後も基金を取り崩しながら運営していかなければなりません。しかし、基金も今後6~7年で底をつく見込みであり、元金償還費の平準化により基金残高の減少スピードを抑制するとともに、将来的には、汚水処理施設の見直しを含めた検討を行うことが課題であります。