経営の健全性・効率性について
①経常収支比率(%)は、料金収入がほぼ一定の金額で推移しており、経費の抑制により、毎年黒字を確保できている。令和元年度の減少は、浄水場の運転経費及び退職給付費の増加によるもので、令和2年度の増加は、職員給与費、事務費及び支払利息の減少等によるものである。令和3年度の減少は、浄水場の大規模修繕の実施等によるものである。②累積欠損金比率(%)は、各年度0.00%で推移している。③流動比率(%)は、100%以上あるが、平均値より97.9ポイント低くなっている。平成30年度以降は貸付金の一部が返還され数値は上昇しているが、令和3年度は他会計への長期貸付を行ったことにより大きく減少した。④企業債残高対給水収益比率(%)は、平均値と比べ高い推移を示している。これは、これまで行った施設整備の財源に、企業債を多く用いたためであるが、企業債発行の抑制を図り、企業債残高は減少傾向にある。⑤料金回収率(%)の推移についても、①の要因によるものである。⑥給水原価(円)は、平均値に比べて5.09円/㎥低く、⑦施設利用率(%)は、平均値に比べて高くなっており、効率性が高いことを表している。⑧契約率(%)は、平均値より1.34ポイント高く、類似団体より適切な規模の投資ができていることを表している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率(%)は、平均値より4.09ポイント高くなっており、老朽化した施設を計画的に更新する必要がある。②管路経年化率(%)及び③管路更新率(%)は、浄水場の整備を優先的に行っており、平成30年度から管路の更新は行っているものの、耐用年数にあわせて行えていない状況にあり、経年化管路の更新について検討していく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性に関しては、本市の事業経営の状況は、類似団体と比較して概ね良好と言える。しかし、施設の老朽化は全国的な課題であり、本市においても対策が必要である。すべての施設を更新するには膨大な費用と期間が必要となるため、今後の施設整備は、将来の水需要に沿った適正規模の投資を行う必要がある。