経営の健全性・効率性について
①平成27年度の収益的収支比率は63.90%で、使用料収入の増加に伴い収支が1.9%改善していますが、依然として低迷しており、一般会計繰入金に依存する状況が続いています。④平成27年度の企業債残高対事業規模比率は849.04%で、112.86%減少しました。整備事業の完了に伴い企業債残高のピークは過ぎたものの、類似団体平均値と比較して高い状況が続いており、経営上の大きな負担となっています。⑤平成27年度の経費回収率は68.66%で、汚水処理原価の減少に伴い改善したものの、使用料単価が安価であることから必要経費を使用料収入で賄えない状況が続いています。⑥平成27年度の汚水処理原価は131.21円で、汚水処理費用の減少に伴い3.87円低下しました。流域下水道により汚水処理を効率的に行っていることから類似団体平均よりも安価な状況が続いています。⑧平成27年度の水洗化率は96.02%で、平成26年度で整備事業がおおむね完了したことから微増となりました。大規模開発やコミュニティ・プラントの接続で水洗化が大幅に進み、類似団体平均値より高い状況にあります。
老朽化の状況について
③老朽化した管渠について、長寿命化計画に基づき平成28年度から更生工事を進めています。
全体総括
平成27年度の経費回収率が68.66%と汚水処理費用を下水道利用者からの使用料収入で賄えていない赤字経営の状況にあり、その収支不足を公費(一般会計繰入金)で補てんする状況が続いています。また、下水道の早期整備を最優先に進めた結果、整備事業費を賄うための企業債残高が急激に膨らみ、ピークは過ぎたものの経営上の大きな課題となっています。今後は、管渠等施設の更新に伴う投資が増加する一方で、使用料収入の減少が懸念され、経営はより一層厳しさを増すことが予想されます。安定かつ継続的に下水道サービスを提供するため、収益構造の見直しなど早期の経営改善が必要となっています。