大津市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率、③流動比率及び⑤経費回収率は、100％以上が良い状態である指標です。平成29年度の数値は、それぞれ100％以上で、全国平均及び類似団体平均を上回っており、健全な経営状態であるといえます。ただし、一般会計からの繰入金減額により、①経常収支比率と③流動比率は低下しており、特に③流動比率は100％に近くなっているため、注意が必要です。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の規模を表す指標で、低い方が良い状態です。企業債の借入抑制により、平成25年度より減少が続いており、全国平均及び類似団体平均を下回っています。⑥汚水処理原価は、有収水量1㎥あたりの費用を表す指標で、低い方が良い状態です。平成29年度は上昇して全国平均を上回りましたが、類似都市平均を下回っています。⑦施設利用率は、高い方が施設の利用状況や規模が良い状態である指標です。降雨等の状況により変動しますが、全国平均及び類似団体平均を上回っています。⑧水洗化率は、処理区域内人口のうち汚水処理をしている人口の割合を表す指標です。平成25年度よりわずかに増加が続いており、全国平均及び類似団体平均を上回っています。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、償却資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で、②管渠老朽化率は、法廷耐用年数を超えた管渠延長の割合を表す指標です。それぞれが、資産と管渠の老朽化度合を示しています。どちらの指標も、全国平均及び類似団体平均を下回っていますが、ともに平成25年度より増加傾向を示しており、経年化が進行していることが分かります。③管渠改善率は、管渠延長のうち当該年度に更新した管渠延長の割合を表す指標です。平成29年度の数値については、長寿命化計画に基づき1.2kmの管渠更新を実施した結果、平成28年度より上昇しましたが、全国平均及び類似団体平均を下回っています。

全体総括

経営の健全性・効率性の平成29年度の数値については、全国平均及び類似団体平均との比較において、概ね良好な状態を示しています。しかし、一般会計からの繰入金が、2年連続で減額となっており、経常収支比率や流動比率などの指標が悪化しています。今後は、より一層、経営の効率化に努めていくことはもとより、繰入金の確保について市の財政当局と調整を行なうことが必要です。老朽化の状況については、長寿命化計画やアセットマネジメントに基づき、費用の平準化に努めつつ、効率的な施設の改築更新や修繕等を行っていく必要があります。今後も投資と財政の健全化・効率化に取り組み、適宜事業の進捗管理を実施し、必要に応じて見直しを行うなど適正な事業運営を行っていきます。