経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、前年度からの繰越金が86,636千円減少したこと、また、打切り決算により使用料収入35,837千円が減少したことにより、総収益が減少し、前年に比べ12.44ポイント下降しました。依然として、本来収益の柱となるべき料金収入が乏しく、他会計繰入金に依存している状態であるため、今後は経費削減や使用料改定等による収入増加により汚水処理に係る経費回収、事業の適正化が必要と考えます。④企業債残高対事業規模比率は、打切り決算により使用料収入が減少し、一般会計負担分(主に分流式下水道に要する経費)が減少したため、197.03ポイント上昇しました。将来的には、整備事業の縮小により企業債残高は減少していく見込みです。⑤経費回収率は、打切り決算により使用料収入が減少したため、6.12ポイント減少しました。今後は増加する維持管理費のため、中長期的な視点に立った収支計画の策定、適正な経営管理を行うことが必要と考えます。⑥汚水処理原価は、類似団体と比較すると同等となっていますが、今後は施設の老朽化による維持管理費の増加が想定されるため、経費削減や適正な使用料収入の確保による事業の適正化が必要と考えます。⑧水洗化率は、整備区域の拡大を先行させたことにより類似団体と比較すると低い水準にありますが、接続促進により水洗化率の向上を図っていきます。
老朽化の状況について
将来にわたり公共下水道事業を安定的に継続させるため、施設の老朽化対策や管渠更新の投資は重要です。③管渠改善率は類似団体と同程度ではありますが、供用開始から30年程度経過し、老朽化した施設や更新期に備えストックマネジメント計画の策定を行い、適正な施設管理を継続できるよう取り組んでいきます。
全体総括
市の汚水処理施設の整備は、汚水処理人口普及率が99.8%と処理施設の整備が概ね完了しています。今後は、維持管理費の増加に対応するため、事業の中長期的な視点に立った収支計画の策定と適正な経営管理を行うため、経費削減による事業の効率化や下水道使用料の改定により、経営基盤の強化や経営の健全化を図ることが必要と考えます。令和2年度経営戦略策定予定