経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、営業費用のうち管渠及びポンプ場の修繕費が28,320千円減少し、営業外費用の地方債利息が12,102千円減少したため前年より3.44ポイント上昇していますが、依然として100%を下回っている状態です。今後は、経費削減等による事業の適正化が必要と考えます。④企業債残高事業規模比率は、、福田第2雨水ポンプ場の建設費の一般財源分の増加などにより、雨水処理負担金が94,432千円から108,416千円に増加したため前年より32.53ポイント上昇しています。将来的には、整備事業の縮小により企業債残高は減少していく見込みです。⑤経費回収率は、修繕費の減などにより汚水処理費が一時的に減少したため、前年より0.74ポイント上昇しました。今後は増加する維持管理費のため、法適化や中長期的な視点に立った収支計画の策定、適正な経営管理を行うことが必要と考えます。⑥汚水処理原価は、汚水処理が流域下水道の処理場でされ、市内に処理場を持っていないので、類似団体と比較すると低い水準となっています。今後は施設の老朽化による維持管理費の増加が想定されるため、経費削減や適正な使用料収入の確保による事業の適正化が必要と考えます。⑧水洗化率は、整備区域の拡大を先行させたことにより類似団体と比較すると低い水準にありますが、接続促進により水洗化率の向上を図っていきます。
老朽化の状況について
将来にわたり公共下水道事業を安定的に継続させるため、施設の老朽化対策や管渠更新の投資は重要です。管渠改善率は類似団体と同程度ではありますが、供用開始から30年程度経過し、老朽化した施設や更新期に備え法適化やストックマネジメント計画の策定を行い、適正な施設管理を継続できるよう取り組んでいきます。
全体総括
市の汚水処理施設の整備は、汚水処理人口普及率が99.8%と処理施設の整備が概ね完了しています。今後は、維持管理費の増加に対応するため、事業の中長期的な視点に立った収支計画に基づく経営戦略をH32年度までに策定し、他の下水道事業(農業集落排水事業、コミュニティ・プラント事業)と併せた事業の効率化による経費削減や下水道使用料の改定などに取り組むことより、経営基盤の強化や経営の健全化を図ることが必要と考えます。