経営の健全性・効率性について
平成31年4月1日より、地方公営企業法を一部適用し企業会計を導入したため、平成30年度は打ち切り決算(3月末時点で決算を行い、4月以降の歳入歳出は特別会計において未計上)の数値です。そのため通常の決算よりも収益費用ともに少額となっており、本市の過去の数値や類似団体平均との比較可能性が損なわれています。あらかじめご了承ください。①収益的収支比率は、打ち切り決算により、下水道使用料や工事負担金の4月以降納入分が収益として算入されてないため低い数値となっています。ただ通常の決算であったとしても100%に満たない状況のため、今後も整備推進や接続勧奨によって使用料収入を増加させるなど解消に努めます。④企業債残高対事業規模比率は大幅に増加しておりますが、これも打ち切り決算の影響であり、実際には、企業債残高が4,617千円減少しています。これは毎年度、償還額>借入額となるように借入れている結果であり、健全化が進んでいます。⑧水洗化率については、平成29年度末に未接続世帯に対し、アンケート調査を行った影響もあり、上昇しています。引き続き向上につながる施策を実施します。⑤経費回収率と⑥汚水処理原価は、下水道使用料で回収すべき費用に着目した指標です。この指標も打ち切り決算の影響を受けているため正確なものではありませんが、下水道使用料の水準は全国平均と比較しても低いため、使用料改定を視野に入れた改善策を検討します。
老朽化の状況について
下水道未整備地区の整備推進が急務であったため、ここ数年は修繕・更新を控えていましたが、令和元年度より、平成29年度に策定したストックマネジメント計画に沿って改築更新を進めています。そのため、③管渠改善率は、令和元年度の実績から類似平均団体に近い数値となります。
全体総括
普及率は66.6%と未だ低く、引き続き未整備地区の整備が必要です。またストックマネジメント計画による老朽管渠の更新も始まり、費用増による経営環境の悪化が懸念されます。左記の指標を健全な状態に保つためには、整備や改築更新等の投資の見通しと財政の見通しを試算し、その収支の均衡を図る必要があります。本市では、現状と将来の見通しを踏まえ、中長期的な経営の基本計画として、令和2年度に経営戦略を策定し、その戦略計画に基づき、投資と財源のギャップ解消のため、下水道使用料の改定を検討します。