経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、約70%程度で横ばい傾向にある。平成29年度に比べて下がっているのは、地方債償還金が増加した一方、総収益が増加しなかったためである。④企業債残高対事業規模比率が類似団体平均と比べて高いのは、処理場を更新したこと、また、処理区域拡大のための投資を行ったことが主な要因である。⑤経費回収率は、類似団体平均の約7割程度となっているものの、微増となっている。これは、使用料収入の増加によるものである。類似団体平均値より下回っているのは、管渠や処理場の維持管理に係る費用がかさみ、使用料収入で補えないことによるものである。⑥汚水処理原価は、類似団体平均より高いため、効率的な汚水処理を進めつつ、下水道未接続箇所への接続勧奨の取り組みも必要である。⑦施設利用率が、類似団体平均より低いが、今後は処理区域拡大に伴う水洗化人口の増加により、一日平均処理量が増え、処理場の利用率の向上が見込まれる。平成29年度に比べて下がっているのは、処理場施設の整備が終了し、処理能力に余剰ができたためである。⑧水洗化率が類似団体平均より低いのは、近年拡大した処理区域においては比較的新しい住宅が多く、現在利用している合併処理浄化槽からの下水道接続が進みにくいためであるが、今後も接続勧奨の取り組みが必要である。
老朽化の状況について
③管渠改善率については、現状、維持管理上支障となる箇所の修繕程度に留まっている。今後、老朽管渠の効率的な更新のために、計画的な調査・点検を行う必要がある。
全体総括
普及率は62.5%であり、今後も計画的に処理区域の拡大に努めていく必要がある一方、今後50年を経過する老朽管渠の更新にも取り組む必要もある。人口減少に伴う料金収入の減少等の今後の厳しい経営環境の中で、安定した下水道サービスを継続的に提供するために、令和2年度に地方公営企業法の適用及び経営戦略策定を行い、資産や経営の状況を明確にし、経営改善に取り組んでいく。