沼津市:公共下水道

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経営比較分析表(2014年度)

経営の健全性・効率性について

沼津市の下水道事業(公共下水道)は、これまでの営業赤字を表す②累積欠損金比率に示されるように、平成26年度末現在、約7億円もの累積欠損金を有する非常に厳しい経営状態となっている。使用料で回収すべき経費をどの程度賄えているかを示す⑤経費回収率を見ると、平成22年度から平成25年度までは約45%、使用料改定を行い①経常収支比率が100%を超え、ようやく営業収支が黒字化した平成26年度においても約62%である。このことは、使用料収入だけでは維持管理経費等を賄うことができておらず、収入と経費とのバランスが非常に悪いことが示されており、厳しい経営状況の大きな要因であると分析できる。また、経費について見ると、1㎥あたりの汚水処理にどの程度経費を要したかを示す⑥汚水処理原価は、類似団体平均、全国平均よりも多額となっている。この要因としては、沼津市の地形的な特性から多くの処理場(市管理:5か所、県管理:1か所)を所有しなければならないなど、他市町と比べ効率的な維持管理が困難であることがあげられる。収入においても下水道への接続率を表す⑧水洗化率を見ると全国平均、類似団体平均より低く、整備効果を十分に発揮できていない状況であり、自主財源の確保のためにも粘り強く水洗化指導を行っていかなければならない。

老朽化の状況について

沼津市の下水道普及率は平成26年度末現在、57.8%で、普及促進の段階にある。そのため現状では②管渠老朽化率0%が示すように、老朽化により更新しなければならない管渠は存在しない。しかしながら、下水道事業は昭和40年代前半より本格整備を開始していることから、今後は耐用年数を経過する管渠も出てくる。そのため、普及の促進とともに長寿命化対策を積極的に行わなければならず、効率とバランスを考えた整備、維持管理をしていかなければならない。

全体総括

下水道事業は、子孫たちに快適で衛生的な住環境を引き継いでいくために必要な都市計画事業である。そのため、普及の促進や施設の長寿命化、更新を計画的に推進していかなければならず、強固な経営基盤の確立が不可欠である。このような中、沼津市の下水道事業は、平成26年4月に利用者の皆様に負担増をお願いし、使用料の改定を行ったが、この改定では経営状況の悪化を防ぐことはできたが、経営改善までには至っていない。今後もあらゆる経費削減策を講じるほか、水洗化指導を粘り強く行い、下水道利用者を増やしていくとともに、適正な受益者負担となるよう、定期的に使用料の見直しの検討など、財源の確保に努めなければならない。

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