経営の健全性・効率性について
安曇野市下水道事業は、平成28年度から地方公営企業法適用事業へ移行した。経常収支比率は類似団体と比較しても良好な数値であり、健全な経営状況にあるといえる。一方で、経費回収率は低く、使用料収入だけでは汚水処理費を賄えていない状況である。一般会計からの繰入金で収入不足を補っている。また、汚水処理原価も類似団体より高くなっている状況から、水洗化を促進し、有収水量を増加させることも行わなければならない。よって今後の対策として、水洗化率の向上による使用料収入の増加につなげ、さらなる経営の健全化を図っていく。
老朽化の状況について
安曇野市は供用開始から20年しか経過していないため、老朽化を示す指標は非常に低くなっている。管渠改善率は、ほ場整備に伴う大規模な布設替えによりマイナスとなっている。今後は「安曇野市下水道事業経営戦略」に基づく計画的な修繕や維持管理により、施設の延命化を実施していく。しかし、整備工事を集中して行っていることから、将来的に更新時期が集中されることが想定されるため、現在は延命化等の対策のため計画的にカメラ調査や適正な維持管理を行うことを実施している。
全体総括
平成28年度に中長期的な経営の基本方針となる「安曇野市下水道事業経営戦略」を策定した。今後はこの計画に基づき、事業を遂行していき、水洗化率の向上、施設の長寿命化のために適正な維持管理を確実に行っていき、健全で持続可能な経営を図っていく。