経営の健全性・効率性について
類似団体に比べ、汚水処理原価は高めであり、経費回収率は低めであることから、類似団体に比べ小規模世帯が多く、維持管理費の割には料金収入が少ない状況にある。水洗化率は100%と整備・接続は完了状態にあり、施設利用率は50%程度と低い状況にある。これは、浄化槽という個別処理のためであり他団体と大きく異なるものではない。また、今後浄化槽の新規設置は特定地域生活排水処理事業により実施するため、起債の新規借り入れは無く、起債の償還に伴い今後も企業債残高対事業規模比率は低下傾向にある。収益的収支比率・企業債残高対事業規模比率は平成24年度より半減しているが、これは一般会計からの繰入金の集計方法の差によるものであり、費用・起債償還金には大きな差異はなく、経費回収率・汚水処理原価にも大きな変動はない。
老朽化の状況について
浄化槽の設置は平成14年度からであり、浄化槽本体は比較的長寿命であると見込まれる事から、当面浄化槽本体についての更新等は不要であり、ブロワ―交換等の維持管理が主となる。
全体総括
他団体に比べ汚水処理原価が高く、経費回収率は低い傾向にある。これは、郊外の少人数世帯がより多く、使用料が少なめである事が原因と思われ、この傾向は続くものと思われる。下水道事業は、市民生活の根幹にかかわる社会インフラであり高額な投資を要するが、料金面では市民生活への影響が大きい事から値上げは困難であり、必ずしも経営面で健全であることは困難であるが、今後も出来るだけ効率的な維持管理に努めることとしたい。