経営の健全性・効率性について
平成27年4月より地方公営企業法の適用を受けたため、各指標は前年度から皆増となっております。経常収支比率は100%を超えており、累積欠損金比率も0%であることから、単年の経常損益において,事業に必要な費用を経常的な収益で賄えている状況を示しています。流動比率及び企業債残高対事業規模比率は類似団体平均値から乖離しており、これは1990年代の集中的な建設投資に伴う企業債償還が現在の経営に負担を及ぼしています。経費回収率については、類似団体平均値より低く、水洗化比率については高いことから、今後大きな収益の増加を見込めず、また、施設の老朽化に伴う維持管理費は増加傾向にあるため、依然として厳しい経営状況です。なお、汚水処理原価は横ばいで推移しており、施設利用率は該当施設が無いことから、比率は計上がありません。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成27年度が法適用の初年度であることから、現時点での減価償却累計額は低く、類似団体平均値よりも下回っています。管渠について、法定耐用年数(50年)を経過したものがないことから、管渠老朽化率は比率は0であり、更新対象となる管渠も少ないことから管渠改善率も類似団体平均値を下回っています。
全体総括
下水道事業の経営に大きな影響を及ぼす過年度の企業債償還金も、平成32年度以降から徐々に解消する見込みであるため、財政状況は健全な方向で推移すると見込まれます。しかしながら、管渠等の老朽化が進むことで長寿命化や耐震化等の管路更新費が増加傾向となることから、今後は中長期的な財政状況を見通した上で、より安定的な事業運営を行う必要があります。今後、人口減少や節水意識の向上による使用料収入の減少も見込まれる中で、受益者負担等も含めた経営の健全化、適正化に向けた経営計画を検討していきます。