経営の健全性・効率性について
【平成27年度は企業会計前年度のため、打ち切り決算数値】使用料収入の確保や支出の削減に努めてきたため、収益的収支比率や経費回収率が100%を上回るとともに、汚水処理原価が減少傾向になってきており、健全経営に向かっているといえます。企業債残高対事業規模比率は、近年プライマリーバランスを維持していたため、類似団体内では低水準にありますが、分流式及び雨水など一般会計の負担を含めた企業債残高は高い水準にあり、依然として企業債に頼る事業運営となっています。また、今後は、施設の大量更新や維持管理費の増加、使用料収入の減少など、これまで以上に厳しい経営状況になることが予想されます。中長期的に持続可能な事業運営を行うためには、下水道使用料の改定(平成29年4月)や水洗化率の向上など、安定的に収入を確保する環境を整えるとともに、更なる費用の削減に取り組む必要があります。
老朽化の状況について
管路改善率が類似団体の平均値より低くなっていますが、管路の建設を開始してから44年であるため、耐用年数を経過した管路はなく、早急に更新を要する状況にはありません。しかし、災害対策として進める耐震化と併せて、保有する施設全体について、ストックマネジメントにより、健全性や重要度を考慮した計画的かつ効率的な老朽化対策を進める必要があります。
全体総括
今後は、維持管理費の増加や施設の本格的な更新時期を迎えることを踏まえ、経営戦略を策定し、安定的に収入を確保する環境を整えるとともに、ストックマネジメントによる長期的な施設の管理費用の最小化など、抜本的な維持管理・更新費用の削減に取り組み、中長期的に持続可能な事業運営を行っていく必要があります。